北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が殺害されたとの報道。世界に衝撃が走っています。

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北朝鮮の故・金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏が2月13日午前8時ごろ、マレーシアのクアラルンプール国際空港で死亡。

正男氏は13日、クアラルンプールからマカオに向かうところだった。出発を待つ間にショッピングエリアで倒れ、病院へ向かう途中で死亡が確認された。マレーシア警察は所持品に「キム・チョル」名義の旅券があったと述べたが、正男氏も同じ名義の旅券所持が伝えられたことがある。

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何らかの攻撃を受けた正男氏は気絶寸前の状態で助けを求め、空港内の診療所で重篤の状態と判断。病院に移送される途中に息を引き取りました。

■工作員の女2人と男4人による犯行?

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マレーシア警察は15日、殺害犯と伝えられた女2人組のうち1人を、クアラルンプール国際空港で逮捕。その女は取調べで「1人がスプレーで毒物を吹きかけた後、もう1人が口にハンカチを約10秒間押し付けた」などと供述しているようです。

正男氏がクアラルンプール国際空港ターミナルで出国ロビーに入る準備をしていたところ、女2人が突然現れ、毒物を使用。正男氏の口をハンカチでふさぎ、毒物を吸い込んだのを確認すると、すぐに逃走し、空港外に待たせていたタクシーに乗り、行方をくらませた。

15日に逮捕された20代の女はベトナムの旅券を持っており、調べに対し、もう1人の女と共にマレーシア旅行に来ていたと供述。同行していた別の4人の男に空港で「乗客にいたずらを仕掛けよう」と言われ、正男氏に毒物を吹きかけ、ハンカチで口をふさぐよう指示されたという。「殺人とは知らなかった」と主張している。

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6人は犯行後に同じホテルにチェックインしましたが、もう1人の女と男4人は外出したまま戻らず。女は仲間を捜すために空港に戻り、徘徊していたところを逮捕されましたが、残る仲間が逃げるためのおとりだったとの話も。警察当局は姿を消した男女の行方を追っています。

■暗殺の理由。韓国の各有力紙では…

対北朝鮮消息筋は「李明博(イ・ミョンバク)政権当時に韓国亡命を打診したことがある金正男氏が最近また亡命を打診し、北側がこれを防ごうとして殺害したという話がある」とし「マレーシアは北の要人の亡命ルートの一つ」と主張した。

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中央日報や東亜日報では、韓国亡命を阻止するために北朝鮮が殺害した説が有力。

金正恩は金正男に北に帰国するよう指示したが、金正男がこれに応じなかったため、処断された

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朝鮮日報は「正恩氏の帰国命令を無視したため」という元北朝鮮高官の見解を報道。さらに正男氏が帰国しなかった理由については「北朝鮮で監禁生活になることを恐れたため」と分析しました。

■金正男氏はなぜ命を狙われ続けたのか…

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北朝鮮の故・金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の腹違いの兄である金正男氏。

1980年代にスイスに留学し、ジュネーブ大で政治外交学を専攻。1998年には北朝鮮のIT政策を主導する朝鮮コンピューター委員会の委員長に就任すると、朝鮮コンピューターセンターの創設やサイバー軍の育成などその能力を発揮。

「北朝鮮の改革開放」を志す

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またその一方で、上海の経済発展ぶりを見た正男氏は「北朝鮮の改革開放」を志すようになります。

一時は「後継者候補」と注目されていましたが、「改革開放」を父に進言したことや、偽造パスポートで日本に密入国しようとして中国に追放された事をきっかけに父に失望され、2008年頃には後継者争いから完全に脱落。

「3代世襲に個人的には反対」など自由な発言

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2009年辺りからはメディアのインタビューにも積極的に応じ、テレビ朝日のインタビューでは「1つの家族が3代続いて権力を世襲することに個人的には反対」「(金正恩が後継者に決定したのには)ある内部的な事情がある」「わたしの父が決定したことだと思うが、わたしには関係のないことだし関心もない」と発言。

「なぜ無駄に攻撃しなければならないのか」「なぜ韓国の個人船を拿捕するのか、とても卑劣な行為で僕には理解不能」など北朝鮮の体制を批判したり、改革開放を進言したことなどから北朝鮮から疎まれることとなります。

5年前から正男氏暗殺を試みていた北朝鮮

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そして、2012年に金正恩氏が権力を継承すると、北朝鮮に戻ることもできず、弟による暗殺の危険に常に晒されることとなりました。

暗殺に関して「金正恩政権発足後、スタンディングオーダー(継続的な指示)があった」とした上で、最高指導者の指示で「(北朝鮮は)5年前から暗殺を試みていた」と指摘。「中国が金正男氏の身辺を保護していた」との情報も。

正男氏が殺害されれば、中国との関係悪化が予想されるにもかかわらず殺害した理由については、国情院は「分からない」と回答したという。 

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暗殺しようとした理由は、中国政府から保護されていた正男氏は常に、自分の権力の座を脅かす可能性があると考えていたから。

金正恩政権発足後からぎくしゃくしてきた中朝関係についても、保護している限り、根本的な改善はできないと考えていたようですが、目障りだから暗殺を試みるとは…。

■次のターゲットは息子のハンソル氏?

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露出を避けて海外で生活してきた金正男氏の息子・金漢率(キム・ハンソル)氏は、2012年にフィンランドのテレビ局のインタビューに応じた際、金正恩氏を「独裁者」と呼ぶなど否定的に表現。

とても現代的な考え方の持ち主らしく、日ごろから北朝鮮の世襲体制に対し否定的な立場を示している上に、開放的な一面を見せてきたため、危険がないとは言い切れませんし、父の死をきっかけに亡命を考える可能性も否定できないとの見方も。

「なにかあれば一族皆殺しというのはよくある話」という北朝鮮。ご家族の安否に懸念の声が集まります。

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そして今回の殺害について、中国では2月14日は「リアルタイム速報」として大きく取り上げましたが、翌日にはほとんどの記事を削除。これは、中国政府の立場がまだ決まっておらず、事件の真相が明かされるまでの時間稼ぎと解釈されています。

もし殺害の背後に北朝鮮がいると立証された場合、中朝関係がさらに冷え込む可能性は排除できません。

世界に衝撃を与えた金正男死亡のニュース。金正恩体制に今後どのような影響を与えていくのでしょうか。引き続き注目です。

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