日本国内で人気のフクロウカフェ。しかし…

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猫カフェ・犬カフェなどに続き、ここ2-3年で人気が急上昇したフクロウカフェ。
クリクリとした瞳やフサフサの羽毛といった愛らしい外見的特徴に加え、日常生活ではまずお目にかかれない珍しさから、人気に火が付いたとされています。
そんな見るものを虜にするキュートなフクロウたちですが、カフェを訪れる外国人たちは少なからず衝撃を覚える様子。

鳥とは本来羽ばたくもの

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というのも、フクロウは元来野生の生物で、大空を自由に滑空するものだからです。

ヨーロッパの鳥のショーでは…

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ヨーロッパにもワシやタカ、フクロウなどの猛禽類を取り入れたショーは存在します。
しかしその多くは古代からの鷹狩の伝統を受け継いだもので、鳥たちを止まり木に縛り付けるようなことはありません。

日に何度も空に放ってもらえる鳥たち

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ショーの出番以外にも思いっきり羽ばたけるようにと、日に5度までは施設内の鳥たちをすべて自由にするなどの配慮が窺えます。それに加えて、数日ごとに数羽ずつのローテーションを組んで、長時間空に放つことも欠かさないのだそう。鳥によっては2-3日帰らないこともあれば、二度と戻って来ないこともあると聞きますが、鳥を失う損失よりも、鳥たちの意思を尊重する方が重要だと考えているそうです。

鳥小屋も広々としたもの

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一方こちらはショーの前後に訪れることができる、猛禽たちが普段暮らす小屋。
ストレスなく飛び回れるようにと、一羽一羽にゆったりとしたスペースが確保されているのが印象的です。

二度と飛べない日本のカフェのフクロウたち

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それに比べると、止まり木にくくり付けられた日本のフクロウカフェの鳥たちは、飛ぶことはおろか、翼を広げたり、自由に歩き回ることすら許されていません。
筆者が昨年訪れたフクロウカフェでは、”危険”との名目のもと、フクロウたちを部屋の中ですら飛ばせたり、運動させたりしていないとのこと。
一生ずっと繋がれ、見世物にされたまま、短い生涯を閉じていく子たちが多いようです。

日本の暑さに耐える北極圏のフクロウ

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ここのカフェには、白い羽毛に覆われたシロフクロウという美しい大型フクロウも繋がれていましたが、ご覧の通り終始口を開けたまま。
このフクロウは元々北極圏のツンドラに分布・生息する種です。
熱帯化の急速に進む日本では、住むこと自体が苦痛以外の何物でもないでしょう。
私たち日本人だって、いきなり灼熱の砂漠に連れていかれ、水もろくに与えられなければ、生命の危機に晒されますよね。

水すらろくに与えられず、死んでいくフクロウ

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こちらは、あるフクロウカフェの元スタッフが撮影した動画。
自らの体を縛る紐を懸命に噛み千切ろうとしたり、糞尿清掃の手間を減らすという目的で水もろくに与えられず苦しむ、哀れなフクロウたちの様子がつぶさに見て取れます。
このインサイダー告発により、現在はフクロウカフェ撤廃を求める署名活動が各地で広がっています。

日本の動物ビジネスを考え直す

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こうして欧州人と日本人の鳥の扱い方を克明に比較すると、ヨーロッパの人々がなぜ日本のフクロウカフェに違和感を抱くのかがよくわかるのではと思います。
しかし今回のフクロウカフェのみならず、動物たちの生態系や住環境、ひいては命をも軽視し、ともすれば営利主義に走りがちな日本の一部の動物園やペットビジネスについて、そろそろ考え直してみる時ではないでしょうか。

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ウィーン在住のトラベルライター・コラムニスト。国際基督教大学(ICU)卒。外資系広告代理店のメディアプランナーから欧州系エアラインの客室乗務員へと転職し、ウィーンへ移住。現在はオーストリア人と結婚し、子育ての傍らAll About、citrus、地球の歩き方、Spotlight、by-sなどで執筆中。

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