イギリスのメトロオンラインニュースにこんなタイトルの記事が掲載されていました。

”The mystery behind Japan’s ‘evaporating’ people” (日本の蒸発する人々の背景にある謎)

かつてハイ・ブローカーに勤務していたクニ・カズフミ氏(仮名)は、崩壊の危機に瀕していました。

彼の投資が4億円の損失を記録し、上司が彼を非難し、更に彼は顧客たちに苦情を言われ続けて悩まされていたのため、ある朝、(1970年)、彼は突然、蒸発しました。

彼のようになんの痕跡もなく姿を消してしまう人たちが、日本には年間約10万人以上もいるそうです。

この場合、事件や事故ではなく、自らの意思によって姿を消してしまう「蒸発」のことで、いわゆる「夜逃げ」状態の人たちのことです。

「私は新しい人生についてまったくその時は考えなかった、ただ逃げた、それだけだった。」と彼はフランス人ジャーナリストのレナ・モーガー氏に、「蒸発」について語りました。

「蒸発(夜逃げ)をする人たちにとって逃げることに栄光はない。 お金や社会的地位はありません。 重要なことは生き続けることです。」と彼は語りました。

彼らはその後、身分証明などがいらない日雇い労働者やどこかの皿洗いなどをして日銭暮らしを続けていたそうです。

大抵の場合は、借金を背負い、債権回収業たちから逃げているので、何年も連絡先が判らないことで、やがて債権回収業者たちが取り立てを諦めてくれることが目的となるそうです。

クニ氏が蒸発した時、彼はまだ38歳でした。

その後、彼は偽名を使ってアパートを借り、やがて貯めたお金で廃棄物処理の会社を設立したそうです。

このクニ氏を始めとする、他の日本人蒸発者に対する謎に迫った本をモーガー氏が出版しており、アマゾンでも販売されていました。

日本では「蒸発」や「夜逃げ」という言葉は昔からあり、周囲でも借金に追われていた家族がある夜突然姿を消したという話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

筆者も数人、そういう人を知っています。そのうちの1人は、商店街で衣料品店を経営していた人でそこの息子さんと筆者は同じ小・中学校に通っていました。結構おぼっちゃんとして育てられていましたが、商店街が繁盛していたのは昭和までで、平成になると大型安売り店の進出で、シャッターをおろす個人商店が増えてきて、その衣料品店も倒産してしまいました。そして、いつの間にか家族全員消えてしまいました。あの頃、近所の人々は「借金とりから逃げるために夜逃げしたんだよ。」と言っていたのを覚えています。

こういう蒸発や夜逃げといった文化(?)は、海外の人たちからすれば、とても不思議な日本独特の習慣(?)のようです。

彼らは生きるために逃げるのだということは、これを書いてて初めて知りました。

借金が返せなくなって、一家心中する家庭もあったくらいなので、それよりも逃げて生きることを選んだ人たちなのですね。実際、筆者の中学校の同級生の家族は心中しました。同じクラスだったので、とてもショックでした。突然、朝、担任の先生から告げられました。彼らは何故、夜逃げという道を選択しなかったのだろうか…と今でも考えてしまいます。

現在は、自己破産宣告ができるようになったので、そのような理由での心中や夜逃げは少なくなったのではないでしょうか?

それでも別の理由から蒸発する人はまだたくさんいると言います。

メトロオンラインニュースでは、下記のようなことが書かれていました。

1990年代半ば以降、毎年約10万人が日本で消滅したとされています。

他の現代国とは異なり、日本は行政のコミュニケーションが悪く、ヤクザが支配する最強の隠れた社会の一つです。

東京の”さんや”、大阪の”かま”などのスラム地区では、多くの人が消えて匿名で暮らしています。

出典 http://metro.co.uk

メトロオンラインニュースより

驚いたことは、モーガー氏が日本の蒸発について取り上げたのは、彼女がそれに対して幻想的な魅力を感じているからでした。

「ある日、何もかもを置いて蒸発して、次の日には別の暮らしをしている、なんて幻想的でロマンチックなことなのでしょう。 

現代の監視カメラやSNSがはびこる中で、人々が年間10万人以上も毎年なんの痕跡も残さずに日本では消えていると聞いて、私はこれはとても魅力的だと思いました。

日本では、このような現実がフィクションを超えているという点が私は凄いと感じました。

出典 http://metro.co.uk

モーガー氏の言葉より

クニ氏は、こう言います。「逃げる(蒸発する)ことは簡単です。」

でも、逃げられた方はたまりませんよね…。

クニ氏は廃棄処分業者を経営するも、身分は明かしていないため、身分が必要な部分はすべて他の人が代行しているようです。

モーゼー氏にとっては彼は謎に包まれた魅力的な日本人なのかもしれませんが、冷静に考えれば、他人に迷惑かけても何とも思わないで自分のことしか頭にないとても身勝手な人間なのではないでしょうか?

しかし、蒸発=夜逃げする類の人たちに、こうしてインタビューし、その考え方をちゃんと聞きだしたモーゼー氏の功績はそれなりに凄いと感じました。

日本人では、そのような人たちの追跡や、ましてやインタビューなどはとても難しいしものになるでしょうし、興味を持つことすらかなり難しいと思います。

モーゼ氏が書いた”蒸発”についての本は、是非読んでみたいなと言う気分にさせられました。ちょと重たいテーマでしたが、さて、みなさんはいかが思われたでしょうか?

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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