米国テキサス州在住のヘイリー・ランネルズさんが数日前のクリスマス・イブに、クッキーを焼いていると、誰かが玄関をノックしました。

ドアを開けるとそこには、見知らぬ1人の男性が立っていました。そして男性は「僕はダリオスと言います。」と自己紹介をしました。

そしてダリオスは、「あなたの庭の枯れ葉掃除を僕にやらせてください。」と言ってきました。

彼はクリスマス・イブに、わずかな収入を得るために、人々の家を周り、そうたずねて回っていたのです。

ヘイリーさんは、庭が枯れ葉でいっぱいになっていることには気が付いていました。しかし、それを認識しながらも、彼に対してガッカリする答えをしてしまったのです。

何故なら、クリスマスシーズンは何かと出費が続いていました。そのため、他の人を助ける余裕など自分にはないと咄嗟に判断してしまったからでした。

そして、ヘイリーさんは玄関を閉め、キッチンに戻り、暖かいクッキーをオーブンから出してまだ幼い息子の無邪気な顔を見た時、頭の中に「NO!(それでは駄目!)」という言葉が突然浮かんだそうです。

それは本当に瞬間的に頭の中に強く浮かんだ言葉でした。それが何を意味しているのか、ヘイリーさんにはすぐに判りました。

ヘイリーさんは、慌てて外に出ました。そして彼を探しました。

先ほどの男性、ダリオスさんはヘイリーさん宅から3軒離れた家の前に立っていました。

ヘイリーさんが見たのは、ダリオスさんの鼻先で玄関のドアが無情に閉められる瞬間でした。

その光景を目の当たりにしたヘイリーさんは、先ほど彼に同じことをしていた自分自身をとても恥じました。ヘイリーさんのフェイスブックには、その時のことがこう書かれています。

Shame on me. Shame on me. Shame on me.

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私は恥ずべき。私は恥ずべき。私は恥ずべき。

そして彼女は彼に対して手招きをして、「こっちに戻って来てください!」と声をかけました。

ヘイリーさんはダリオスさんにこう言いました。

「私、現金を持ってないの。ATMでおろしてくるから、それを待ってくれるなら、喜んであなたを雇えるんだけど…」

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ヘイリーさん

ダリオスさんはもちろん、それを承知しました。へイリーさんがお金をおろしてくる間、彼は枯れ葉掃除をすることになりました。

ヘイリーさんは、急いで出かける支度をしました。ヘイリーさんにはまだ幼い息子(2歳)のヘイデン君がいます。そのため、突然、外出することになったというのは大変な作業を伴う事でした。

ヘイデン君にコートを着せ、自分もコートを着、バックを持ち、車のキーを持ち、かなりあわただしく準備をしました。

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幼い息子を抱えての突然の外出は大変です。

全ての準備が整い、ヘイリーさんはヘイデン君を抱きかかえ、玄関のドアを閉め、車に乗り込もうとして、あることに気が付きました。

ヘイリーさんは慌てていたことで、やってしまったのです…

家の鍵も、車の鍵も持たずにオートロック式の玄関のドアを閉めてしまったのです。

そこで仕方なく、一番近くにある(4ブロック先)ATMまで息子を連れて歩いて行きました。

途中で、夫のアダムさんに電話しました。家の鍵を持たずに出てしまったことを伝えたのです。

戻ってきて、枯れ葉掃除の作業が終わっていたダリオスさんに報酬(チップ)を払い、彼の勤勉な仕事に感謝をしました。彼はとても丁寧に作業をしてくれていたのです。

そのため、今後も作業が必要な時に連絡がとれるように彼の電話番号をききました。また、ヘイリーさんの知人で同じように彼を必要としている人がいれば電話番号を教えていいという許可もとりました。

そのやり取りをしていると、近所の人が彼の働きぶりを見て、「自分の庭もやってほしい。」と言ってきたので、ダリオスさんは喜んでその人の庭に行きました。

そこへ、夫のアダムさんが戻ってきました。2人は家の中に入り、ヘイリーさんは、予定外の支出をしてしまったことを夫に伝えました。するとアダムさんは「それを僕が怒るとでも思っていたの?」と笑顔で言いました。

ヘイリーさんは、この話はそれで終わりだと思いました。でも、それは間違いでした。

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枯れ葉で覆いつくされていたヘイリーさんの家の前の芝生は、ダリオスさんが綺麗にしてくれました。

アダムさんは、ヘイデン君を抱き上げ、外に出ました。そして、向かい側の家で枯れ葉掃除をしていたダリオスさんの所に行き、話しかけました。

「なんと夫は、夫の職場の枯れ葉掃除もダリオスさんに頼んでくれたのです。」とヘイリーさん。

アダムさんは、アカデミー・スポーツというスポーツジムで責任者をしています。

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手前がアダムさん 通りの向こうで掃除をしているのがダリオスさん

ダリオスさんにとっては、これは最高のクリスマスプレゼントとなりました。

ヘイリーさんが枯れ葉作業を依頼するまで、彼はいったい何軒の家を回っていたのでしょうか?しかも、その日はクリスマスイブでした。

みんなが楽しい日を過ごしている中で、ダリオスさんはわずかな収入を得ようと、幾度となく玄関をノックし、冷たい言葉と共に鼻先でドアを閉められてきたことでしょう。

ヘイリーさんも最初はそのうちの1人でした。でも、彼女がすぐに思いなおしたことでダリオスさんには、暖かい光が差し始めました。

ヘイリーさんの家の前で真面目に作業をするダリオスさんを、近所の人も見逃しませんでした。そして、他の人も彼に仕事をオファーしてくれたのです。

更に、ヘイリーさんの夫が、自分が働くアカデミーの敷地も掃除してほしいとオファーしてくれました。これは大きいです。作業する場所が広ければ、それなりの収入になることでしょう。

アメリカではダリオスさんのように、1軒、1軒、個人の家をまわって、掃除をさせてくれと言ってくる人がたまにいます。今回のように枯れ葉掃除だけでなく、雪かき作業もオファーしてきます。

プロに頼めば高いのですが、彼らは$5~$20(約580円~2,300円)というとても安いチップでそれを請け負ってくれます。

筆者も、ニューヨーク在住中は、時々そういうオファーをしてきた人に頼んでいました。

自分で掃除するのが面倒で頼む人もいますが、たいていの場合は、オファーしてきた人を助けるために作業を頼みます。彼らの「働いて収入を得る」という気持ちを応援するのです。

ダリアスさんには、その後もヘイリーさんの近所の人たちが枯れ葉掃除を依頼してきたそうです。

こういういことは1人が依頼することで、仕事ぶりが確認できるし、信頼を得ることができます。最初はストレンジャーなので、皆、警戒するのです。それは当たり前です。でも、一旦働いているところを見れば、あとは「私も!私も!」になっていくものなのです。

その貴重なきっかけをヘイリーさんが作ったことになりました。

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ヘイリーさんとダリアスさん

次の仕事先に移動していたダリアスさんに対して、2歳になるヘイデン君は「サンキュー!」と叫んだそうです。

ヘイリーさんは、ダリアスさんに対して次々に仕事を依頼してくれる近所の人たちと職場の作業まで依頼した夫のアダムさんの暖かさに感動したそうです。

更にヘイリーさんは自身のフェイスブックでダリアスさんの事を紹介しました。

もし、あなたがxx地区に住んでいて、枯れ葉掃除の作業を必要としているのなら、彼がその仕事にぴったりです。必要であれば、メッセージをください。連絡先を教えます。

出典 https://www.facebook.com

ヘイリーさんのフェイスブックより

ヘイリーさんは、”最初にダリアスさんのことを断ってしまったことを大変後悔している”と書いています。”そのお詫びとして、ダリアスさんにもっと仕事のオファーが来るようにこのお話しを投稿しました。みなさんもこのお話しをどうかシェアしてください。”とありました。

このヘイリーさんの投稿に関して、千人以上の人がイイね!と反応し、シェアは現時点で500件を超え、コメントは100件以上入っています。

「このお話は私を泣かせたわ!なんて良いお話しでしょう!」

「素晴らしい‼」

「これは本当に良いお話しだわ。彼の連絡先を教えてください。私も頼みたいと思います。私はxx通りに住んでいます。」

「これは本当に素晴らしい話だ。あなたのような人がもっと増えるべきですね。良いお話をシェアしてくださり感謝します!」

「私もこのお話しをシェアさせていただきます!」

「本当に良い話で涙がにじんできました。」

と殆どのコメントがこのお話に感動し、またありがたいことに、自分もダリアスさんに作業を依頼したいというコメントまで入っています。SNSの力は偉大です!

ここで気が付いたことは、自分も依頼したいという人達も含めて「彼は作業にいくらかかるの?」と誰一人金額について触れていないことです。

先にもそのことに関して触れていますが、こういうことはけしてお金じゃないのです。

働きもせず、他人を傷つけて金品を強奪する人たちが大変多い犯罪大国アメリカで、このようにわずかな収入しか得ることができなくても、地道にコツコツと自分で仕事を探して働くという意識を持っている人たちを、皆が大切にしたい、協力したいと考えています。

しかも、この男性が各家を回ったのは、クリスマスイブです。誰も断る理由などありません。そのため、ヘイリーさんも、一度断ってしまったことをとても後悔され、反省されており、お詫びとしてダリアスさんに協力したいと一生懸命、このお話を書かれて、フェイスブックに投稿されたのだと思います。

出典 https://www.facebook.com

ヘイリーさんとアダムさん夫妻

最後に

クリスマスでお金をたくさん使ってしまい、今月はもう余裕がない!他人を助ける金銭的余裕など自分には今ないんだ!と判断したヘイリーさんの気持ちは痛いほどわかります。

ヘイリーさんが家に戻ってきたアダムさんに予定外の支出をしてしまったと謝ったことでも彼女の気持ちはとても良く感じ取れます。夫が一生懸命稼いでくれたお金。彼女はそれに感謝している女性なのだと思います。それを自分が勝手に使うわけにはいかないと思い、つい断ってしまったのでしょう。彼女はとても真面目な主婦なのです。

でも、彼女のその後にとった行動は本当に素晴らしいものだったし、更に夫のとった行動も、更に素晴らしいかったですよね。お二人は本当に素晴らしご夫婦だと感じました。

ヘイリーさんには、この記事掲載及び写真使用に関してフェイスブックでコンタクトをとり許可をいただいております。

Dear Hayley, thank you for sharing a wonderful story !

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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