サラ・ローバックさんは、半年間のインターシップのためにパリに移り住んだ3か月後に、ナイトクラブで男に襲われました。

その事件から約1年が経とうとしているある日のこと、サラさんは犯人の男に対してオープンレターを"Medium"に投稿しました。

 Mediumとは、TwitterやBloggerの生みの親であるエヴァン・ウィリアム氏らによって2012年に立ち上げられた新しいパブリッシングプラットフォーム。
 現在、アメリカやヨーロッパを中心に日本やロシア、インドネシアなど世界10か国で展開。それらの国々のユーザーから、毎日2,000以上もの記事が投稿されています。

出典 https://digitalfan.jp

Mediumとは

下記はサラさんが投稿したオープンレターの冒頭部分です。

 あなたが私をレイプしようとしたあの日から、約1年が経とうとしている12月の寒い夜に、私はあなたに手紙を書いています。なぜなら、今ならあの時の事に立ち向かえる強い自分でいられるとあの日以来初めて感じたからです。

出典 https://medium.com

サラさんのオープンレターより

サラさんのフェイスブックには、どうして自分がMediumにオープンレターを公開したかについて書かれています。

 私は数か月の間、これを書きたいと考え続けてきましたが、あの時のことを思い出すことが辛く、ずっとその勇気が持てないでいました。しかし、友人たちからの励ましの言葉と、下院でのMPミシェル・トムソン(英国の政治家)の演説を聞いて、昨夜、私は犯人の男に対して手紙を書き始めたら止まらなくなっていました。
 私が男に対して手紙を書こうと思った動機は”怒り”です。私は人々に、もしあなたが性的虐待を受けたとしたらどうなるのか知ってもらいたいと考えました。私は、自分のためだけでなく、同じような体験をした女性たちのためにも立ち上がらなければならないと感じたのです。
 私は自分に誇りを持ち、明るい未来を感じ、幸福な場所に今いることができていますが、性的暴力や強姦の被害者たちの多くは、長くて暗く寒くて窒息してしまいそうな時間を孤独の中で味わっている事でしょう。
 私のオープンレターを読んでそれらの被害者のうちのたった一人でも救うことができれば、たった一人でも警察に行こうと勇気をもってくれれば、そして人生を肯定的に考えられるようになってくれれば、私はこれを書いた価値があると考えています。読んでくださってありがとうございます。

出典 https://www.facebook.com

サラさんのフェイスブックの投稿を日本語に訳したもの

このフェイスブックのメッセージには、サラさんのオープンレターのリンクがつけられていました。

 私は今日の午後、あなたと再会しました。でも、私たちを取り巻く状況はあの時とは全く違ってました。
 あなたの両手は汗をかきながら私の体を拘束しているのではなく、後ろ手に手錠をかけられあなた自身が拘束されていました。私たちはあの日以来初めて、同じ部屋にいましたが、あの時と違い、今回はあなたが望んだことではなく、私の選択でした。あなたの目は私の顔を貪欲に見ているのではなく、あなたの視線は床にありました。今回はあなたは私の意思に反して、ドアを消火器で開けられないように閉じたのではなく、武装した警官にとってドアは閉められました。そしてあなたの前にいる3人の裁判官と私の左にいる弁護士を見ることになりました。

出典 https://medium.com

サラさんのオープンレターの続き

 私はあなたがこの手紙を読むことがないことを判って書いています。なぜなら、あなたは既に10か月間、刑務所の中で過ごし、今後もあなたの人生のかなり長い時間を同じ場所で過ごさなければならないからです。
 それでもあなたのような男性たちのために、私のような女性たちのために、そして何よりも自分自身を解放するためにも、私はこれを書かなければなりません。

出典 https://medium.com

サラさんのオープンレターの続き

 私はあなたが選んだ”若さゆえの愚かさ”を明らかにするために、具体的にこれを書き残しておきます。(中略)
 私は性的暴力を受けた女性が、その後も現実と向き合う辛さを味わっていることを知ってもらいたいし、そして世間がレイプされた被害者の女性のことを非難して責めている現実を知ってもらいたいのです。(中略)

出典 https://medium.com

サラさんのオープンレターの続き

私は世間の男性たちにこれを読んでもらい、このような体験をした女性たちがどれほど苦痛的な日々を過ごしているのかを知ってもらいたのです。私は何かを変えたい。私は物事は変わると主張します。(後略)

出典 https://medium.com

サラさんのオープンレターの続き

サラさんのオープンレターは、この後、具体的に彼女に何があったか書かれていますが、とても長文であること、そしてあまりにも具体的過ぎることなので、それは訳すことを控えさせていただきます。

サラさんは、裁判で犯人の男と事件以来初めて再会した夜にこの手紙を書いています。

犯人に対するどうしようもない憤りと、事件以来受けていた世間からの冷たさをどこかに吐き出したかったのではないでしょうか。

そして、サラさんが何度も書いていることなのですが、サラさんと同じようなレイプ未遂の被害者、あるいはレイプ被害者の女性たちが、誰にも事件のことを言えないでいる事に対して、勇気をもって前進しようと訴えかけたかったのでしょう。

彼女はオープンレターの最後に、「私はこのことに対して、人生を縛られたくはないし、それよりもパリでもっと大事なことを見出したいし、私は今後も自分が正しいと思ったことを話し合い、闘うつもりです。そしてあなたもそうしてください。」とありました。

これが全てだと思います。サラさんはオープンレターを書きながら、自分の気持ちに区切りをつけるために、心の中を整理し、そして自分自身に言い聞かせたのではないでしょうか?

性的暴力を受けた場合、世間体もあり、被害者女性が沈黙してしまうことが多いそうです。でも、サラさんのように勇気を出して告発することで、世間の被害者に対する見方も変わり、そして他の被害者の女性たちの気持ちも変わるのではないでしょうか。

今回、それをサラさんは実行したのです。

サラさんのオープンレターに対してコメントがいくつか入っています。(まだオープンレターが公開されて4日目なのでたくさんは入っていません)

”これを共有してくれてありがとう。 とても勇敢です。 あなたの苦しみを味わったことに関してはとても残念です。 でも、あなたは精神的に強いです。”(男性のコメント)


”これはとても力強く重要なレターです。書いてくれてありがとう。”(男性のコメント)

他にもコメントが入っていますが、偶然なのかすべて男性からでした。いずれも内容は上記で紹介したようなコメントです。

このオープンレターを公開したことについて、サラさんのフェイスブックにもコメントが寄せられています。

”よくぞ勇気をもって公開してくれましたね。あなたは私よりもはるかに逞しくて強い人だと感じました。” ”パワーのある言葉だ。強い女性だ。” ”私はあなたを誇りに感じます。” ”これはとても力強い世間に対するメッセージだと思います。” など、サラさんがオープンメッセージを投稿したことを殆どの人たちが”よくやった!”と称賛しています。

また、ツイッターでも、今回のオープンレターを公開したことに対しての応援メッセージがたくさん入っています。

あなたは私たちの多くが感じていることを言葉に入れました。 とても強く、感動的で輝かしいことに感謝します。

サラ・ローバックは、たくさんの女性のために話しました。 彼女自身を守り書きする彼女の勇気は他人をも助けることでしょう。

私はサラさんのオープンレターのことを、フェイスブックで知りました。たくさんの友人たちがこのことを素敵だと言っています。私はサラさんのことを直接知りませんが、あなたの話はとても重要プラス勇敢です。

まだ、オープンレターが公開されて4日しか経っていませんが、反響がどんどんSNSで寄せられています。メディアたちも取り上げ始めています。

サラさんの事件の裁判は、まだ終わってはいないようですが、犯人にはきっと厳しい判決が下されることでしょう。

犯人の男性が刑期を終えて出所した時に、サラさんのオープンレターを目にすることを願いたい気持ちです。そして二度と過ちを犯さないことを願います。

最後に、サラさんの勇気と前向きな姿勢に拍手です!

この記事を書いたユーザー

さくらまい このユーザーの他の記事を見る

最後まで読んでいただきありがとうございました。

得意ジャンル
  • 話題
  • 社会問題
  • 動物
  • 美容、健康
  • 感動
  • コラム
  • ニュース

権利侵害申告はこちら