自分が一つの国籍を持った人間であっても、先祖を辿れば世界のあらゆる所に自分が存在するルーツがあるのだという非常に興味深い記事を、先日こちらでご紹介しました。

自分のルーツがあちこちにあることを知らなかった人たちはショックを受け、涙をこぼした人もいました。私たちは肌の色や言葉などその違いにより「差」を生み出そうとしがちです。しかしそこには必ず差別問題が生じます。

もしあなたが、実は世界の人とどこかで思ってもいない国の人と繋がっている可能性があると考えたら、差別をすることはとても愚かなことなのだと気付かされるのではないでしょうか。

人種差別という根深い問題は、今も昔もアメリカで起こっています。今年は黒人の射殺事件が著しく多くの悲劇を生みました。今回、ドナルド・トランプ氏が次期アメリカ大統領選に勝利したことで、イスラム教徒の人や黒人たちは「トランプを支持する白人からの軋轢」にかなりの不安を抱いています。

女性蔑視や人種間の差別発言でこれまで批判を浴びて来たトランプ氏を支持している国民は、歯止めが効かなくなってしまったかのようにマイノリティに対する差別行為が急増しているのだそう。筆者の住むイギリスが、Brexit(英国離脱)を表明した直後も同じことが起きていました。

トランプ氏支持者の中には「トランプ氏が大統領になったことでより良いアメリカにできる」と信じている人が多いようで、彼らの思考は「より良いアメリカにするにはマイノリティの排除を」という差別に繋がっています。そのため、あちこちで起こるヘイトクライムにうんざりしている国民も…。

テキサス州の大学で黒人差別が起こった

毎日、必ずといっていいほどどこかで起こっているアメリカの人種差別。トランプ氏の選挙戦の翌日、米テキサス州のベイラー大学に通うナターシャ・ニカマさんは、キャンパスを歩いている時に一人の男子生徒から嫌がらせを受けました。

その男子学生はナターシャさんを見て脇に強く突き飛ばし、「黒人は脇を歩け」と言い放ったのです。そして「俺はアメリカをより良い国にしようとしているだけだよ」とも発言。ナターシャさんは言い返す言葉もないほどかなりショックを受けました。

ナターシャさんは受けた人種差別を動画に録画しネット上に配信。するとたちまち拡散し、多くのサポーターが励ましのコメントを寄せると共に、ハッシュタグ「WalkWithNatasha」を立ち上げました。

「ナターシャと一緒に歩こう」

この動画を見た人たちは怒りを露わにし、大学内でも抗議のデモが行われました。300人以上の生徒が「ナターシャと一緒に歩こう」とキャンパス内をナターシャさんと行進し、差別の不必要さを訴えました。

差別に立ち向かう大勢の人がキャンパスを歩いた

多くの人がツイッターなどで反応し「私たちは互いに思いやる心を持つべきだ」という声が寄せられました。ナターシャさんは「今日は1人で歩く道をみんなと歩くことができて嬉しい。この大学にはたくさんの愛が溢れていることを知ることができた」とサポーターたちに感謝の気持ちを伝えました。

アメリカの名に恥じない国づくりを…

Licensed by gettyimages ®

ナターシャさんの一件はあくまでも氷山の一角に過ぎません。アメリカという大きな国では今や大勢の人が不安を抱えているという状態。次期大統領トランプ氏が、こうした不安を更に煽るような政治をすることだけはきっと多くの人が望んではいないでしょう。「より良い国」とはいかなる国なのか、今一度、トランプ氏支持者も考えるべきではないでしょうか。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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