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赤ちゃんは授かりものであり、男の子でも女の子でも元気な子ならありがたいと思うもの。でも「後継ぎの男の子を」「上の二人が男の子だから、次は女の子を」など、人により性別を産み分けたいという希望が出てくる場合もあるでしょう。


インドでは男の子を産みたい!と考える人が多く、伝統的なヒーラー(治療者)を頼って根拠の怪しい、民間療法に手を出す妊婦も少なくないそうです。

だが、新たな研究によると、こういった療法では有害な化学物質が多く使われていることが多く、人間のホルモンに似た効果をもたらすものもある。それが死産や先天異常の増加と関連していることも分かったという。

1月に医学誌「小児・周産期疫学」に掲載された論文は、産み分けのための民間療法が、インド北部ハリヤナ州における死産の約20%のリスク要因だったと結論付けた。同州では、このような療法が幅広く利用されている。

出典 http://jp.wsj.com

今回は、赤ちゃんの性別の産み分けについて、医師に詳しい話を聞いてきました。

赤ちゃんの性別の決定の仕組み

赤ちゃんの性別は受精の瞬間に決まっています。
ですから、以後の妊娠生活をどんなに工夫しても変更することはできません。つまり妊娠が判明したときにはもう男の子か女の子かは決まっているのです。

性別を知ることができるのは、早くて妊娠5ヵ月ごろ、赤ちゃんの性器が超音波ではっきり捉えられるほどに成長してからです。また、子宮の中での赤ちゃんの位置や姿勢によって、超音波検査でも性器がはっきり確認しづらい場合もあり、生まれるまで性別が不明だったり、生まれるまでは予想が変わったりすることもあります。

性別を決めるのは男性の精子です。女性の卵子はX染色体だけですが、精子にはX染色体を持つ精子とY染色体を持つ2種類があって、どちらが卵子に辿り着くかによって、女の子(XX)か男の子(XY)かが決まります。

男女産み分けの方法

男女を産み分けできるといわれている方法はいろいろあります。ただし、これらの中で確実に性別を選べるのは「受精後の受精卵を選ぶ場合」のみです。その他の方法は、医学的根拠は乏しく、十分な検討もされていないのが現状です。

1.精子の生存をコントロールする
女性の膣の状態を、膣に挿入する薬、飲み薬、食事内容などにより、X精子・Y精子のいずれかの生存に有利な状態にすることで、精子を選別する方法があります。具体的にはリン酸カルシウムというサプリメントを服用し、グリーンゼリーと呼ばれるゼリーを膣内に挿入して性交すると、男の子が生まれやすくなるといわれています。

2.性交の日程を選ぶ
寿命の長いX精子が卵子に辿り着く可能性を高くする、もしくは寿命の短いY精子が生きている間に卵子と出会わせる方法です。具体的には排卵日の数日前に性交すると、寿命の短いY精子は死滅して少なくなっているので、女の子が生まれやすいとされています。

3.男性の食事に注意する
飲食物により、X精子もしくはY精子の活動性を高めます。例えば性交前にカフェインを摂取するとY精子の活動性が上がるとされています。

4.性交時の体位を変える
膣の深い部分、子宮により近い部分で射精すると、Y精子を卵子に届けやすくできるとされています。

5.遠心分離機を使う
精子を遠心分離し、X精子もしくはY精子の濃度の濃い液を作って、人工授精で授精させる。

6.受精卵を選ぶ
体外受精により受精卵を作ってから、その一部を取り出して染色体を調べ、希望する性別の受精卵のみを子宮に戻します(これが唯一確実といえる方法です)。

実際に産み分けを試みるには

前記6.の受精卵を選ぶ方法は、着床前診断と呼ばれています。日本でも技術的には可能ですが、命に関わる遺伝の病気など、重篤な場合のみ許可されます。着床前診断は、その他の産み分け希望のためには使うことができない技術なのです。

そのため、かつては海外で着床前診断を受ける例がありましたが、2014年からタイでの男女産み分けのための着床前診断も違法となりました。また、アメリカでの着床前診断は莫大な費用がかかりますので、現実的ではありません。現在の実質的な方法としては、産婦人科で指導を受けるか、自分でできることを試みるか、いずれかの方法になります。

1.産婦人科での産み分け指導
産婦人科で産み分け指導を受けることはできます。まずは妊娠できる状態かどうかを男女ともに検査し、超音波検査による卵胞や子宮内膜の観察により、排卵日を推計することがメインとなるでしょう。また、リン酸カルシウムやゼリーを取り扱っている産婦人科は、一部に限られています。

2.自分でできること
産婦人科に行かず、自分でできる範囲で産み分けに取り組むのであれば、基礎体温や排卵検査薬によって排卵日を推定し、食事や性交体位の工夫を行うことなどができるでしょう。
科学的な根拠はありませんが、占いや風水などでも、世界各国に母親の年齢と性交した月によって、生まれやすい性別を表記した「中国式産み分けカレンダー」なども伝えられています。

医師からのアドバイス

子どもの性別に固執することは「子どもに何を求めるのか」「親の理想や理屈を押し付けることにならないか」という問題にもつながってきます。
いずれにせよ、生まれた子が強く希望する性別でなかった場合も、がっかりせずに慈しんで育てるという覚悟をもって子作りできるのが理想なのです。

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