焼きそばというと高速道路のサービスエリアや祭りやイベントの屋台で食べるのが定番となっているように思う。
専門店というのも昨今出てきつつあるが、ラーメンやカレーに比べるとまだ少ない気がしてならない。
わざわざ焼きそばだけを食べに行くというより、居酒屋やお飲み焼き屋もしくは中華屋で、他のものと一緒に頼むといった食べられ方がメインで、なんだか表舞台になかなか立てない不遇の食べ物なのではないか。

そんなことに気づいて、ラーメンを食べに行った先の中華屋でも焼きそばを見かけるとなるべく食べるようになった。
そうしているうちに一般的なイメージと異なる、ある共通の個性を持った焼きそばが意外と多いことに気づいた。

まるで焼きうどんのような、
水気を湛えたシットリ系の太い麺に中毒性が高いものが多い
ようなのだ。

これはなかなか知られていないのではないか!?
というわけで、町中華に隠れた人気メニューとなっている独特な焼きそばを選んでみた。

アメ横激近の路地裏中華はぐずぐず焼きそばのお手本!?●珍萬@御徒町

出典 http://blog.livedoor.jp

御徒町駅からスグ。人で賑わう吉池の裏にある激狭路地にあるのがコチラ。
如何にも小中学生男子が喜びそうな店名で、一見ドコにでもありそうな町の中華屋然とした佇まいだが、かなりの客が〆に頼むという名物焼きそばがあるのだ。

特徴はなんといっても焼きうどんのようなグデングデンに柔らかい太麺!
ブツブツ切れてグチャグチャになっているのだが(こう書くと余り美味しそうではないが)、このフンニャリ食感に独特のスパイシーさが加わると得も言われぬ快楽の世界が出来上がる。
しかし味付け自体は薄めで、ソース感は殆ど感じられない。なのに病みつきになる直感的な味わいがなんとも不思議が魔力を秘めている。

アメ横方面に行くといつも脳裏にココの焼きそばが離れなくなる。

町角に漂うニンニクがぐずぐず焼きそばを加速!●三ちゃん@荻窪

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荻窪の南口。スナックが軒を連ねる一角を過ぎた辺りの交差点角に、如何にも地域密着といった風情の中華屋がある。
餃子でビールと行きたくなる佇まいながら、ここも焼きそばが名物とのこと。

ベテランといった風格あるご主人が慣れた手つきで作る焼きそばは、先の珍萬の焼きそばと実に似たぐずぐず臭びんびんのビジュアル!
太くてテロンとした麺にあっさりめのソースが絡み、たっぷり目の野菜と大きめの豚肉が油のテカリに浮かび、なんともソソる。
食べてみると香ばしい刺激的な香りが鼻を突く。結構ニンニクが効いており、これがコチラの一番のポイント。

シットリとした麺とシャキシャキの野菜をニンニクがまとめ、グイグイ食べさせてくれる。実に中毒性が高い焼きそばだ。

新宿の雑居ビルに潜むデカ盛りぐずぐず焼きそば●石の家@新宿

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JR新宿駅の東南口を出て甲州街道沿いに橋の脇を降りた先。
雑居ビルの乱立する雑居ビル群の角っこに、石の家の看板が出ている。

半地下の店内に入ると、オオバコな空間が広がる。昼時なのでサラリーマンやガテン系の兄貴達で一杯。
夜の部ならアルコール必至といった雰囲気になるだろう。

焼きそば大盛¥600が目の前に来た瞬間、固まった。

直径30cmはあるかという大皿に焼きそばの山
普通盛り¥500でも多くて安いだろうが、プラス100円でこんな量になるとは。
麺は箸で掴むとモロっと崩れそうな柔らかさ。

これは自分史上最高のグズグズ加減

味付けは殆ど塩と胡椒の印象が強く残り、そこに油の香ばしい香りが効いている。
炒められた野菜から出た汁が混ざって、ゲル化した液体がグチャグチャ加減をさらに加速させる。
この焼きうどん状態の焼きそばがなんとも中毒性がある。

今のところ上記3店のみでぐずぐず焼きそばを確認しているが、他にもあるのか、それとも、他に独自色の強い焼きそばが東京の町中華に潜んでいるのか、これからも探索していきたい。

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表の顔は谷根千路地裏特殊喫茶店主。その実態は郊外と裏町が特に好物な、大衆文化闊歩人。背脂ギトギトでド豚骨なロードサイドラーメンに始まり、激渋酒場、町中華、大衆食堂、純喫茶から、公営ギャンブル場の売店を貪りながら、取り壊しが進む公営団地や錆びトタン長屋、戦前築のモルタル木造家屋、赤線跡、戦争遺跡、産業遺産を散策している。

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