30代はキャリアに迷う人も多い時期。大手旅行会社の営業職から起業という道を選んだ鈴木万梨子さんが、いちキャリア女性の視点から、「起業ってどういうものなのか」「働くってどういうことか」をつづります。

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「『ビジネス』をしたいので、会社辞めます」

私が初めて上司に退職の相談をしたのは、社会人5年目の11月のことでした。

それまで6年半、大手旅行会社のエイチ・アイ・エスでのべ8000人近くのお客様のご出発にかかわらせていただき、飛び込みやテレアポ、新規開拓を中心にバリバリ働いていましたが、「ある出来事」をキッカケに、起業を思い立ちました。

現在はTOE THE LINEという株式会社を2名で設立し、”旅ときんゆうと女子”というキーワードで新規ビジネス創出に励んでいます。

起業に至るまでの失敗談やキャリアアップの過程を、背中を押してくれた方々のお話も含めて綴っていきたいと思います。読者の方にとってこの連載が、夢に向かって一歩踏み出す勇気になり、人生を楽しむためにチャレンジをする励みになれば幸いです。

独立にまったく興味がなかった学生〜新卒時代

思えば、学生時代は独立しようだなんて全く思ってもいませんでした。とにかく好奇心旺盛で、何か面白い事をしようと常に考えていました。人に会ったり海外に出かける事が好きで学生時代にはアメリカホームスティ、東南アジアバックパッカーやフランスでの職業インターンを経験しました。

旅行会社に就職したいという強いこだわりは特にありませんでした。ただ、”若いうちから責任ある仕事を任せる。世界平和に貢献する”というエイチ・アイ・エスが大好きになり、直感で入社に至りました。就職活動では1社しか受けませんでした。そのため入社後は「もっと年収が高い業界に入ればよかった、早く帰りたいなぁ〜」と嘆いた事もありました。

猛烈に働いたエイチ・アイ・エス時代

猛烈に走り抜けた6年半のエイチ・アイ・エス時代は、法人営業として団体旅行(社員旅行や・研修旅行など)を企画・営業・手配・添乗を担当していました。

とにかく忙しいサラリーウーマンでした。日々勉強する事が多く、仕事も慣れないので効率も悪く、怒られてばかり。お恥ずかしい話、帰宅は終電で家でカップラーメンばっかり食べていた事や、免許更新をしないまま失効してしまったことも…。それでもいま思うと、毎月ちゃんとお給料がもらえて、頑張った分インセンティブまでもらえるなんて贅沢だったのかもしれません。

最初に働いた会社のDNAは染み付くとよく言いますがまさにその通りで、今のわたしの強みとなっている根性と、諦めないチカラはこの環境で鍛えられたのだと思います。そしてこのときに知った、ゼロから「最高の価値」を作る旅の仕事の楽しさが、今の私のモチベーションの根元になっています。

とにかく「ひたすら毎日を生きる、目の前の仕事を頑張る」それだけで精一杯で、全く起業するなんて言葉を知らなかった時期です。周りにもそんな事を考える仲間はおらず、経営者は遠い遠い存在でした。

営業成績に伸び悩む

しかしある時、順調だった営業成績が伸びなくなりました。

スランプというか、ミスが続くなどして負のスパイラルに陥りました。お給料も当然減ります。成績と常に隣り合わせで売上がないと肩身も狭いし、職を変えたいと思いました。なんとなく、「結婚して辞めちゃおうかな」との考えもよぎりました。「お給料をどうやったらあげられるのだろう」と悩み、切実に人生を見直しました。

「これから私はどういう人生を歩んで行くのだろう?」

経営者との接点

出典 https://daily-ands.jp

HIS時代、ラスベガスの添乗中。ホテルの会場で、必死にスーツケースを整理

そんな時、尊敬するデキる上司の女性が産休に入ることになりその上司の大事なお客様を一気に引き継ぐことになりました。

旅行の仕事を任されるということは、ツアーの仕入れ交渉や収支作成を自ら積極的に行い、半年〜1年のプロジェクトリーダーになるということです。それも数件を抱えます。旅行添乗中の決済も自分で判断することになります。気づくとその旅行収支が赤字にならないようにバランスを見ながらお客様に最大限楽しんでいただくにはどうしたらよいかを常に考えていました。

この上司から引き継いだお客様の中には経営者も多くいました。分からないながらも、話を合わせるために、経営者のお客様の好みを調査したりしました。これまでほとんど関わったことのない人たちと話をするうちに営業トークや営業スタンスが磨かれていきました。

経営者のモチベーションの高さ

そしていつも間違いなく経営者のお客様から聞いていた言葉は、「うちの会社のサービスは本当にいいんだよ。お客様が喜んでくれるしね。売り上げも上々!」。愛社精神、そして仕事へのモチベーションの高さ、目の輝きに圧倒されました。そんな仕事ができたらいいなあと漠然と感じるようになりました。

心の前向きな変化と共に、今まで他社さんで手配をしていた弁護士さんの団体旅行案件を10社競合を勝ち抜いて受注するなど、結果が後ろからついてきました。

お客様が喜んでいるところを見て「私の生涯のキャリアは旅行の仕事だ」と感じました。そんな旅行の領域で新しいサービスを作りたいと思うようになりました。

思い切って上司に、「会社を作ってみたい」と言った時の怪訝な顔、忘れません!「なんで君が?苦笑」という反応でした。(第2話 人生を変えた「ビジネス」との出会いに続く)

鈴木 万梨子
獨協大卒。エイチ・アイ・エスにて法人団体旅行営業を担当、のべ8000人にツアーを提供し社長賞受賞。2015年退職後、webサービス、旅行サービスのTOE THE LINE起業。渡航国25ヶ国。TOE THE LINE Inc.

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