小さな子供を連れてカフェに行く

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小学生以下の子供をカフェに連れて行く場合は、ファミリーレストランなどの子供にフレンドリーな場所を選んで出かけるというママも多いでしょう。でも、時には親が飲みたいコーヒーを飲みに普通のカフェに入るという家族連れもいます。

筆者の住むイギリスでは、ファミリーレストランというダイナー(食堂)は存在しません。でも個人やチェーン店のカフェが子供にフレンドリーだという場所もあります。「お子さん歓迎」と書かれてあるものもあれば、店内に子供がいて雰囲気で子供がいても大丈夫そうなカフェを選ぶようにしています。

ただ非常に微妙なのが、個人のカフェでフレンドリーそうに見えるのに実はそうでないカフェ。外観で「大丈夫そうかな」と思って中に入っても、ほとんど常連さんのような客ばかりが静かにコーヒーを飲んでいるといった感じで、なかなか子供を連れてコーヒーを飲みに入ることはできない雰囲気のカフェも。

今回の出来事はカフェ「TYME」で起こった

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英ダービシャー州のグロソップにあるカフェ「Tyme Coffee Lounge」がSNSに投稿したメッセージが小さな子供を持つ親たちから批判を受けました。

筆者個人的にグロソップのエリアを知っていますが、比較的小さなエリアでカフェやその他ショップなど個人営業のものが多く、一般的にこうしたエリアが小さい場所では、カフェなどは近所の住民(しかも常連)が多くなります。

ここで毎日コーヒーを飲むのひとときを楽しみにしている客や、このカフェでコーヒーを飲みながらゆっくり新聞や本を読み耽るという客もいることでしょう。小さいエリアの常連で賑わうようなカフェは、そうでない客を受け入れたくないという排他的な雰囲気があるのも否めません。

そういう雰囲気を持つカフェでは、小さい子供連れの客は恐らく居心地があまり良くないであろうと想像できます。ところが、このカフェに小さい子供を連れたママ友たちが入って来たそう。

ケイト・レインさんは2歳の息子を連れてカフェに入りました。そして息子のためにトーストを注文。ところが息子はケーキが欲しかったようで「トーストはいらない」と愚図り始めたのです。

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小さな子供を育てた経験がある親なら、恐らく誰もがこの状況を理解できるでしょう。子供とはそういうもの。ケーキが欲しいのにトーストを目の前に出されたら愚図るというのはどんな子供にでもあり得る行為です。

この2歳の男の子は、ケーキを食べさせてもらえないとわかって更に愚図って叫んで暴れ出したのでしょうか。この時の様子を、その日カフェのスタッフはSNSに綴りました。実は、これが親から大批判を浴びる原因となってしまいました。

現在は削除されているSNSに投稿されたメッセージ

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カフェのメッセージは「今日もいつも通り当店にとって素敵な一日となりました」という前置きから始まり「ただ、今日は小さなお子さんを連れたお客さんがいたので、ここで少しコメントしたいと思います」と綴られていました、

そこには、「母親たちが子連れでこのカフェに来てくれるのは有り難いことだが、外の客をリスペクトして欲しいこと」「子供が店内で愚図るならば母親は子供を外に連れて躾をするべきだということ」「子供をコントロールできない親は、店内で寛ぎたいと思い来てくれる客に対し非常に不快だということ」を綴り、最後に「他のお客さんの子供がうるさくして、せっかく来店してくれたあなた達を不愉快な気分にさせてしまったことを深くお詫びいたします」と書かれてあったのです。

このメッセージを見たケイトさんは…

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カフェの投稿を目にしたケイトさんは、「返信をすべきか暫く考えました。私の気持ちが、怒りなのか恥ずかしさなのか、動揺なのかは正直わかりません。でも、号泣していることだけは確かです」と返信のメッセージを綴りました。

「息子のことでそんなに不愉快に感じていたのは申し訳なかったと思っています。ただ、息子はまだ2歳なの。そしてあのような態度は典型的な2歳の子供のものなんです。店側にとって、本当に息子のことが迷惑だったならば、SNSに投稿せずに私に直接言ってくれれば良かったのではないですか?

うちの息子がひどく愚図っていた時に冷ややかな視線を投げかけたり、後になってSNSに投稿したりされると、私たちは子供を連れているというだけで「歓迎されていません」と言われているようなものでしょう⁉

あなたのカフェの食事はとても美味しかったし、レジのスタッフも愛想が良くて丁寧だったわ。でも、こんな投稿をされたことが私に言いようのない怒りや羞恥、不快感、そして悲しみを感じさせたわ。私は子供も躾けられない酷い母親なんだと言われているように感じたわ。どうかご心配なく。金輪際、店に足を踏み入れることはしないから。今後のビジネスが上手くいくといいわね」

出典 http://metro.co.uk

ケイトさんのように子供を持つ親はケイトさんを擁護

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あなたは、この投稿にどう思いますか?店のオーナーであるショーン・ドノホーさんは「Facebookに『ギャーギャーうるさく騒いでいた子供』と書くべきではなかったのかも知れないが、実際にその間他の客が、うるさいから我慢できないと言って3人も出て行ったことには耐えられなかったね」と後に語っています。

更に「親たちは子供が騒いでも、座っていて何も躾けていなかったように見えた。私は、自分の子供が同じことをすれば外に連れ出して、ちゃんと言い聞かせる。子供をちゃんと躾けるべきだし、他の客のことも考慮すべきだ」と話しました。

「一人の子供は床に寝っ転がって愚図っていたんだ。客やスタッフが熱い飲み物を持っている所にそんなことをされると危なくてしょうがない」とも。確かにこれはスタッフの言う通りでしょう。子供が暴れて、スタッフが躓き運んでいた飲み物で子供が火傷をすれば、カフェ側の責任になってしまう可能性も大いに考えられます。

ただ、やはりケイトさんの気持ちも理解できるところも。SNSで書き込むのは誰しも自由ですが、店側はケイトさんに直接苦情を伝えるべきだったのでは。それはサービスする側としてのマナーではないでしょうか。

目の前では何も言わず、冷ややかな視線を送りながら心の中は「こんな客店に来るな」と怒っていたのかと後で知ったら、誰でもショックでしょう。子供の態度に関しては、店側の言い分とケイトさんの言い分は異なりますが、2歳の子供が愚図るとだいたいどこの子供も厄介なもの。

親は、それでも子供に言い聞かせようと努力する態度を店内で見せるべきだったのではとも思うし、あまりに長い時間子供が愚図っているようならば外に連れ出すという選択肢もあったはずでしょう。

飛行機の中でも同じですが、知らない人が集まる場所ではやはりそうした配慮も大切ですよね。ケイトさんを擁護する他の母親の声は、やはりカフェのSNSに投稿しての苦情に腹が立った様子。でも、このニュースが英紙で報道されると「全ての客が子供が騒いでもOKというわけではない」という店側を擁護する声がなんと80%以上にも上りました。

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何度言い聞かせても同じことを繰り返す子供もいます。それは親が躾けていないからではなく自閉症スペクトラムの子供たちは、親の言うことをなかなか聞かない時も往々にしてあります。

でも、そこで周りが「親の躾がなっていない」と批判してしまうのは短絡的。そこのところの線引きが、周りから見てとても微妙なのだということも私たちは知っておくべきでしょう。

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親だって、ファミレスばかりじゃなく普通のカフェでお茶を飲みたい時だってあります。そんな時にたまたま子供が愚図ってしまったら、一番がっかりするのはきっと親でしょう。ただ今回のケースは、ケイトさんが店側に反論した気持ちも十分理解できるし、店側の言い分も理解できるし…といったところですね。

後日になってわかったことですが、店側はFacebookでケイトさんに謝罪し書き込みをしたスタッフを結局解雇したそうです。

オーナーとスタッフが「うるさい子供は親が外に出して躾けるべき」という同じ気持ちだったようなので、書き込みをしたスタッフが解雇されたというのは驚きですが、ネット上で炎上してしまったためにけじめとしてしたことなのかも知れません。

小さい子供を連れていると、こうしたトラブルは何かとつきもの。だからこそ気を使う親もたくさんいます。今回の一件は小さな子供を持つ親にとって、深く考えさせられる出来事ではないでしょうか。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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