・飛行機の中で体調を崩したら

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もし飛行機の機内で体調を崩してしまった人がいたら、どんな対応をするべきだと皆さんはお考えでしょうか。
まずはキャビンアテンダント(CA)の方に声をかけることになると想像できます。CAの方は乗客の安全と快適な空の旅のためにお仕事をされています。きっと適切な対応をしてくれるだろうと乗客の方も信用しているはずです。

・ある女性が目のあたりにした出来事

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タミカ・クロスさんはこの日はデトロイトで行われた友人の結婚式の帰りで飛行機に乗っていました。

・2つ前の席の乗客が意識を失った

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すると彼女の二つ前の席の乗客が意識を失ったのです。隣にいた女性が助けを求め声を出しました。
アメリカ、テキサス大学のヒューストン病院で産婦人科医として働くタニカさんは、専門とは違いますが医師として体調を崩されている方の様子が気になり、助けられないかと席を立とうとしました。

「みなさん落ち着いてください。ただの夜驚症なので、大丈夫です。」

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するとCAの方が周りの乗客を落ち着かせるようにアナウンスをしたのです。タニカさんはCAさんの言うことを信じ、一旦席に戻りました。

・夜驚症

夜驚症(やきょうしょう)とは、睡眠中に突然起き出し、叫び声をあげるなどの恐怖様症状を示す症状のことである。概ね数分から十数分間症状が続く。夢とは異なり目覚めた時に本人はそのことを覚えていないのが普通である。小学校入学前から小学校低学年の児童に見られる症状であり、高学年以上では稀である。睡眠中枢が未成熟なために起こる症状であると考えられている。

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夜驚症は児童を中心とした症状ですし、今回の男性が気絶された原因と言えるのかどうか少し心配なところがあります。タニカさんが患者さんの状態が気になり不安になるのもわかりますね。

「お医者さんはいらっしゃいますか」

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しかし、数分後CAは「お医者さんはいらっしゃいますか」と機内にアナウンスをかけたと言います。先ほど気絶された乗客が再度気絶してしまったようで、やはり医療処置が必要だと判断されたようでした。

・「あなたは手を下ろして」

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タニカさんは迷わず手をあげました。しかしCAは驚くべき言葉をタニカさんに返したのです。「あなたは手を下ろして。本当の医者か看護師か医療関係者を探しているんだから、あなたと喋っている暇はないのです。」
タニカさんは何度も医師であることを説明しようとしましたが、軽蔑した目で見られ断られてしまいました。

「機内に医師がいたら座席のボタンを押してください」

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CAは次に「機内に医師がいたら座席のボタンを押してください」とアナウンスしました。タニカさんはボタンを押しました。すると、「あら、本当に医者なんだ。資格証明を見せて。どの分野の医者なの?どこで働いているの?デトロイトで何してたの?」とCAはタニカさんに質問してきたのです。この間、急病の乗客は意識を失ったままでしたがタニカさんが乗客に近づけないようにCAは通路をふさいでいる状態でした。

「産婦人科医です」

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意識を失った乗客が危険な状態にあるかもしれない状況ですが、タニカさんは自分のことを一生懸命説明しました。
「産婦人科です。ヒューストンで働いています。結婚式に出席するためにデトロイトに着ました。」「信じられないのかもしれないけれど、デトロイトにも医者はいるんですよ。でも今は助けなければいけない人がいるのでそんなことを言っている場合ではないでしょう、失礼します。」

・アメリカでもっとも治安の悪い街

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日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、アメリカ人がデトロイトと聞くと黒人が多く住んでおり少々治安が悪い印象を受けるようです。その理由は歴史的な背景がありました。

1967年7月にはアフリカ系アメリカ人による大規模なデトロイト暴動(英語版)が市内で発生し多数の死傷者を出し、ホワイト・フライト(白人の郊外への脱出)が盛んになった。
デトロイト市内の人口の8割を黒人が占める。その多くが、自動車産業関連の職を求めて南部から移住してきた人とその子孫である(アフリカ系アメリカ人の大移動)。一方、白人の多くは郊外の衛星都市に住んでいる。郊外の衛星都市の住民は9割以上を白人が占めている。
アメリカで最も治安が悪いと言われているデトロイト市内に比べて、郊外の衛星都市には裕福な人々が多く住んでおり、治安は非常に良く対照的である。
市の発表している統計では、子供の6割が貧困生活を強いられており、市民の半分が読み書きもできず、市内の住宅の1/3が廃墟か空き部屋となっており、市民の失業率(U3[10])は18%に達する。

出典 https://ja.wikipedia.org

アメリカは歴史的な理由で地域ですむ人種がわかれていたりそれによって差別や偏見の目で見られることも珍しくありません。CAはタニカさんがデトロイトから乗ってきた黒人だったから警戒していたのではないかということが推測されます。

「私も医者です」

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二人が言い争っていると、年上の白人男性が近づいてきて「私も医者です」とCAに声をかけてきました。するとCAはタニカさんに「ありがとう、でも彼が助けてくれると思うわ。彼は資格もあるし。」とタニカさんをバカにするような発言をしたのです。
タニカさんには必要に迫った資格の有無ですが、白人男性にはそういった質問はせずに、彼には資格があると断言したのです。

この言い争いの間に、乗客の意識は戻っていました。

・10分後、CAが再びタニカさんの元に来る

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そして10分ほど経過した後、さきほどのCAがなぜかタニカさんの元に戻ってきて医療的なアドバイスを求めてきたのです。
タニカさんは凄い根性のCAだなと思ったようですが、患者のため怒りをこらえて対応したと言います。タニカさんはヴァイタルサインと血糖値の情報が必要だと伝えましたが、飛行機に血糖値を測る装置は積まれていませんでした。そこで彼女自身が動き緊急時の対応をされたといいます。

「マイルをサービスする」

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このあとCAはタニカさんに謝罪をしてきました。そして「飛行機のマイルをサービスする」と言ってきたのです。
しかしタニカさんは差別を受けたことに対して、マイルでお詫びされるなど腹立たしかったため断ったと言います。

・多くの共感を呼んだ

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彼女はこの日あった出来事に怒り心頭!Facebookにその出来事を投稿したところ多くの方の共感を呼び8万以上のいいね!がされる結果となっています。

・コメントの数々

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寄せられているコメントの一部を紹介します。「最低の出来事だ」「医者が助けなければいけない人に肌の色や年齢などは関係ない。CAだって同じでしょ。」「なんで黒人だからって理由でこういう事をする人がいるの?」「こういう事がまだ起こっていることに吐き気がする」「あなたにこんなことが起こってしまって悲しいわ。」「今回のことは残念だった。でもあなたは若くて美しい。」

・肌の色や性別、生まれ育った環境は関係ない

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人の命、人としてもつ権利はみんな平等です。肌の色などの見た目もちろん、性別や生まれ育った環境などは関係ありません。多民族国家のアメリカでは日本ではあまり感じることのできない人種差別が存在しているということを、日本にいる私たちも認識すべきです。
一歩海を越えれば有色人種のアジア人が同じように人種差別を受ける可能性もあります。

また日本でも少し違った形で人種差別や性差別が見られることがありますが、自分の日々の行動に人として誤ったことはないか考えさせられました。

相手から差別を受けても、逆上したりケンカを売り返したりせず、患者を助けるという信念の元に動いたタニカさんは素晴らしい人だと思います。人としてすべきことは何なのか、改めて考えさせられる出来事でした。

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