がんばり屋だったのだろう。
弱音を吐くことができなかった。

責任感の強い子だったのだろう。
だから退社するという選択肢が思い浮かばなかった。

親思いの子だったのだろう。
だから、人も羨む大企業を辞めるという選択ができなかった。

若者をここまで追い込むような働き方をさせる企業が、私は理解できない。
何のための仕事なのか?
何のために生きるのか?

電通は、時代の最先端を行っていた会社だ。
それが、今や時代遅れの考え方に凝り固まった会社に成り下がっている。
電通社員の過労死自は以前にもあった。
その時の教訓を生かせていれば、電通はあらゆる面で、日本の誇れる大企業になっていただろう。


長時間残業している方が仕事ができるなんて逆でしょう?
効率よく仕事ができないから、時間がかかるんじゃないの?
私なら、そう判断する。
時間内に収まらないような仕事量を与えるなら、それは企業の責任で社員の責任ではない。
社員は奴隷ではないのだから。

高度成長期は、みんなが夢と希望を持って、一丸となって仕事に取り組めた。
仕事での成功が人生の目標となり得た。
なぜなら、誰もが、働けば働くほど給料が増え、生活が豊かになっていったから。

でも、今は時代が違う
時代が変われば価値観も変化していく。
経営者は、その変化を敏感に感じながら仕事をするものだ。
けれど、今の大企業の経営者達は、根本的に創業者社長と違う。
完全にサラリーマン社長なのだ。
だから時代の変化に気付かない。気付こうともしない。

高度成長時代を生きてきた自分と同じ価値観を若者に要求する。
そして、働けど働けど報われることのない若者を、奴隷化してしまう。
ブラック企業と言われる企業はまさしくこの構図。

もはや経済的には豊かになれない時代だ。
でも、精神的な豊かさは得られる。
若者はそれに気付いている。
だから、自己を実現する方法を仕事だけに求めない

若者は無意識に地球の未来を真剣に考えている。
だから、過度な競争に走ろうとしない。
地球の資源も環境ももはやそれに耐えられないから。

シェアリングという新たな方法を編み出し、資源を大切にしようとしている。
同性愛が増えるのは、若者が無意識に地球の人口増加に危機感を持っているからだ。
なぜなら地球の人口はすでに地球の許容量を大きく上回っているから。

残念ながら今の政治家も官僚も大企業の経営者も、昔の価値観から脱することができない。
だから、「100時間くらいの残業で過労死とは情けない」などと言う発言が飛び出す。

高度成長を生き抜いてきた人達は、今の若者が置かれている状況をじっくり考えるべきだ。
自分達の時代とはまったく違うということに気付くべきだ。
時代の変化に気付けないとしたら、もはやリーダーとしての資格はない。

幼児教育に携わっている私は、子ども達が漕ぎ出す未来の社会が、人々が幸せを感じられるような社会になっていてほしいと心から願っている。
大企業が変わらなければ、若者は経済的にも精神的にもますます疲弊していく。

大企業が変われば中小企業も変わる。企業が変われば大学も変わる。
そうなれば、社会全体が緩やかに変わっていく。


大企業の経営者達には、社会全体を良い方向へと向かわせていく責任もあると私は思っている。
人々の生活という面では、政治家よりはるかに影響力があると思っている。
時代の流れを敏感に感じているはずの、電通のような大企業こそが、率先して時代に合った働き方を推進していってほしいと心から願う。


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平川裕貴(ひらかわゆうき) このユーザーの他の記事を見る

元日本航空CA。外資系英語スクールマネージャーを経て、1988年子ども英語スクールを神戸と大阪に開校。外国人講師による子ども英語教育の先駆的存在。

1995年、阪神淡路大震災に遭遇、教室・自宅とも多大な被害を受ける。
震災から得た教訓も活かし、2006年、インターナショナルプリスクール(英語の幼稚園型スクール)を設立、英語教育と人間教育に取り組む。現在3歳から6歳までの子どもを、幅広い視野と思いやりを持ったバイリンガルに育てている。

長年欧米文化に触れてきた経験から、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱。スクール経営の傍ら、これまでに得た教訓や知恵や知識を伝えるべく執筆活動を開始。
幼児教育研究家。文筆家。コラムライター。英語講師。マナー講師。

ウレぴあ総研『ハピママ』や『IT Mama』に、子育てや英語関連の記事執筆。
フジテレビ『ほんまでっかTV』 に子ども教育評論家として出演。

著書『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』(アマゾン)
『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』(彩図社)

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