日本の高齢社会は、まだまだ進む。

2015年、日本の高齢化率は26%となった。2035年には、3分の1になると推計されている。

現役を引退した高齢者が増え続けると、年金や医療費が増大し、現役世代だけでは支えきれなくなる。

特に年金は、現役が高齢者を支えるという制度そのものに問題がある。人口が変動すれば、その仕組みに歪みが表れることは必至。

なぜ、予測できなかったのか。

そのせいで、年金の支給年齢が徐々に引き上げられている。

それに対する高齢者の「どうやって生活するんだ!」という声を鎮めるために、政府は65歳までの雇用を企業に義務化した。

「年金は出せないから、もっと働け」と言う。無策を誤摩化す、茶番である。

定年の延長・再雇用には、さまざまな問題がある。大企業は良いが、中小企業には負担が大きい。

若い人を入れて、育てなければならないのに、定年予定だった人もそのまま雇用しなければならない。

余裕のない中小企業にとっては、非常に重い。業種によっては、熟練者が引退してしまうのは、大きな損失となる場合もある。

だが、今回の雇用義務化は、本人が希望すれば、働き続けることができるので、言葉は悪いが、必要としない人も雇わなければならない。

この負担を中小企業は背負っていくことができるのか。

また、この制度によって、若者の就職先が減ってしまう。

企業は、最大の経費である人件費を抑えたいので、高齢者を雇う分、新入社員を減らす。

政府としては、そんなことは意図していないだろうが、必然的にそうなってしまう。それが、企業というもの。

若者が就職できなければ、年金の掛け金も払えない。すると、年金制度がさらに悪化する。また、支給年齢が上がる。次には、70歳まで働け、と言う。

決して好転することはない。破綻する前に、年金制度を改革しなければならない。

現役が高齢者を支えるのではなく、違う財源を確保する必要がある。

だが、いまの日本に財源はない。

消費税増税が手っ取り早いので、政府はそちらを選ぶだろう。

消費税が上がれば、人びとはいま以上にモノを買わなくなる。買わなければ、税額は上がっても、税収は伸びない。

税収を伸ばすには、景気を良くするのは当然だが、人びとがもっと金を遣うように、働きかけなければならない。

景気回復策を仕掛けたところで、結果が出るのは数年先のこと。

景気が悪い状況でも、金を遣ってもらうことを考える必要がある。

いまは、貧乏な人が圧倒的に多い。だが、金持ちもたくさんいる。高齢者にも金を持っている人が多い。

この人たちに遣ってもらう仕組みを作れば良い。

不景気な空気が、金持ちにも節約意識を持たせている感があるので、これを払拭する何か。

『これまでにない新しいマーケットの創造』。

高齢者を対象にしたビジネスが、徐々に増えてきている。高齢夫婦の旅行、宅配食、孫の日関連、介護つき住宅……。まだまだ可能性はある。

長寿社会だからこそ必要とされるもの、欲するものを提供すれば、新しいマーケットは生まれる。

定年を第2の人生のスタートとするなら、その新しい人生をサポートする、第2のマーケットも必要となる。

長寿社会マーケット。

金は、まだたくさん眠っている。遣える人にはどんどん遣ってもらわなければならない。

そこで増えた税収で、金を遣えない人を支援する。

そのためには、魅力あるマーケットを創らなければならない。ビジネスチャンスでもある。

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1961年兵庫県生まれ。神戸学院大学法学部中退。1981年、広告デザイン会社にコピーライターとして勤務。93年、プランナー・コピーライターとして、フリーランスに。仕事を継続したまま、96年、木のおもちゃ制作を開始。ネット販売に着手。その後、「販売の現場」を知るために、5年間スーパーに勤務。これにより、「メーカー」「販売現場」「広告・販促」のすべてを経験。この経験を生かし、2003年より、中小企業・個人商店向けメールマガジン「繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座」を発行。関連する情報販売、コンサルティングを開始。メールマガジン他、ブログ9本「Marketing Eye」「ビジネス界隈・気づきの視線」「企画する脳細胞・ビジネスの視点」「まちづくり・村おこしの教科書」「行列のできる『MENU』の創り方」「中高年のための新規開業サポート」「独立・起業の成功法則」「販促の知恵袋」「スキルアップでビジネスぶっちぎり!」を執筆中。現在、繁盛戦略コンサルタントおよび中小企業経営研究会のビジネス・カウンセラーとして活動。著書に「0円からできる売れるお店の作り方(彩図社)」がある。

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