コンビニATMのサービスを有料化する銀行が増えている。利用者が増え、ATM運営会社への手数料支払いが多くなっているのが理由だと言うのだが……。

自行以外に設置されているATMは、ショッピングセンターであれ、駅であれ、場所の賃貸料は払わなければならないし、警備会社との契約も必要である。コンビニに設置したATMだけが、特別高い経費を要するわけではない。なのに、コンビニでのサービスを有料化するのはなぜか。

ここに、以前から言われている銀行の影のビジネスが見える。現在もATMで現金を引き出す際には、時間外であれば手数料は取られる。この手数料収入が、銀行の収益のかなりの部分を占めているのである。

自分の預金口座からお金を引き出すだけなのに、108円もの手数料を払わなければならない。コンピュータのデータをやりとりするだけで、手間も掛からなければ、人件費もいらない。何の努力もせずに、108円が儲かるのである。これほど美味しいビジネスが、他にあるだろうか。

振り込みに利用された場合には、もっと美味しい思いをしている。振り込む金額によって、手数料が変わる。数字のデータをやりとりするだけなのに、なぜ手数料が変わるのかが理解できない。

ATMを操作するのは利用者、すなわち客自身。データをやりとりするのは、コンピュータ。銀行員は何もしていない。それでも、自動的に数百円が転がり込んでくる。何とも羨ましいビジネスをしている。

コンビニATMの有料化は、やはり手数料収入の大きさを再認識した結果ではないか。利用者が少ないうちは、宣伝の意味も込めて無料でやっていたが、利用者が増え認知されたので、「無料」の必要がなくなったと判断したのではないか。

いかにも銀行がやりそうなことである。利益至上主義は、改められることはないだろう。「お客さま第一」という言葉など、知らないかのようだ。貸し渋りや貸し剥がしなど、立場を利用した弱い者いじめが得意だから、というのは言い過ぎだろうか。

もちろん、そうではない銀行もある。ATM手数料の無料化を積極的に進めているところもある。この違いが、銀行の将来を暗示しているかのようだ。

利用者も、たかが108円とは思わず、手数料無料の銀行に口座を移し、“良い銀行”の生き残りを助けてあげるくらいの気持ちを持つべきである。利用者みんなの意識が変われば、利益至上主義の銀行は淘汰され、安心して利用できる銀行だけが残っていくのではないか。

社会の“おかしなこと”は、みんなの意識と行動で変えることができるのである。

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佐藤きよあき このユーザーの他の記事を見る

1961年兵庫県生まれ。神戸学院大学法学部中退。1981年、広告デザイン会社にコピーライターとして勤務。93年、プランナー・コピーライターとして、フリーランスに。仕事を継続したまま、96年、木のおもちゃ制作を開始。ネット販売に着手。その後、「販売の現場」を知るために、5年間スーパーに勤務。これにより、「メーカー」「販売現場」「広告・販促」のすべてを経験。この経験を生かし、2003年より、中小企業・個人商店向けメールマガジン「繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座」を発行。関連する情報販売、コンサルティングを開始。メールマガジン他、ブログ9本「Marketing Eye」「ビジネス界隈・気づきの視線」「企画する脳細胞・ビジネスの視点」「まちづくり・村おこしの教科書」「行列のできる『MENU』の創り方」「中高年のための新規開業サポート」「独立・起業の成功法則」「販促の知恵袋」「スキルアップでビジネスぶっちぎり!」を執筆中。現在、繁盛戦略コンサルタントおよび中小企業経営研究会のビジネス・カウンセラーとして活動。著書に「0円からできる売れるお店の作り方(彩図社)」がある。

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