9月28日、サウス・オーストラリア(SA)州にスーパー・ストームが襲来、午後から一晩中停電がつづき167万の住民に影響を及ぼし、その間公共のバスや電車が麻痺、空港閉鎖、すべてがシャット・ダウンする事態が起きました。

翌日のニュースでは、この停電の原因が50年に一度くらいにやって来ると言われるストームの規模の大きさからなのか、それとも再生エネルギーを大きく推奨しているSA州のインフラの失敗なのかで意見が大きく分かれ、州首相、連邦エネルギー大臣や専門家のあいだで賛否両論がかもし出されました。

風を利用するはずの風力発電がスーパー・ストームで停止?!風力タービンは風が強すぎると止まってしまう!!

風を利用して発電する風力発電は、風が強ければ強いほど発電出力が高まるのかと思いがちですが、実は風力発電に使われるタービンは、大規模な嵐などの強風時には故障を避けるために停止措置が取られます。さらに今回のスーパー・ストームは、20以上の送電線を破壊、電力を運ぶ発電網、グリッドなどに影響を及ぼし、機械故障を避ける安全装置が働き電力の供給を停止してしまいました。

風力・ソーラー発電が全体の40%以上を占めるサウス・オーストラリア州

SA州は、風力・太陽光・ガスなどの再生エネルギーを利用して、オーストラリアの他州に比べ環境を重視したエネルギー源を使っています。ガスによる発電は、石炭による発電より50%も地球環境に優しいと言われていて、今年5月、石炭による発電所を閉鎖したばかり。この閉鎖により緊急時やピーク時のバックアップができるエネルギー源が少なくなったとも言われています。

スーパーストームにより送電網が麻痺すればどの発電所からでも電気供給は不可能!

しかし、ここで鍵となるのは、再生エネルギーだけに頼ってはいけないとか、もし石炭による発電所を閉鎖していなければこんな状況にならなかったということではないようです。
強風、豪雨、雷をともなう大規模なストームがやってきて送電線を破壊したり、インタコネクトやグリッドが故障すれば、石炭・ガス・ソーラーとどの発電システムを使おうと関係ありません。どれだけ発電所で電気を出力していも送電線が使えなければ電気の供給は不可能となるのです。

再生エネルギー見直しよりも、現存する送電網やインフラの見直しが必要

今回のスーパー・ストームによる大停電の原因は、SA州が風力発電に頼りすぎたことが悪いケースのお手本のように説明する人がいます。でも気候変動にともない大きなストームの襲来は増加していくことでしょう。50年に一度ばかりか、今後は頻繁にやって来ることも考えられます。

地球温暖化や気候変動を防ぐために再生エネルギーが大きく見直される中、エネルギー源ばかりではなく、災害時の送電システムやインフラの見直しが必要不可欠なのではないでしょうか?

一日も早いSA州の復興を祈りつつ。

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Media翻訳・通訳・フリーランスライター。アメリカ&オーストラリア在住歴20数年、日本では得られない海外での舞台裏や感動ストリーなどを紹介します。個人のブログではさらに違った角度から英・米・豪などを追求しています。http://minamijyujisei.cocolog-nifty.com/blog

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