夏も終わり、いよいよ秋。
過ごしやすい季節になると、増えてくるのが結婚式です。
披露宴でお決まりなことと言えば、知人・友人によるスピーチです。
スピーチが退屈でウトウトしてしまった経験のある人、スピーチを頼まれて困ってしまった人もいるのではないでしょうか?
スピーチのノウハウを書いた本はたくさんあるけれど、この本を読むのはいかがでしょう?

本日はお日柄もよく

「本日はお日柄もよく」という言葉は結婚式のスピーチの中で定番のフレーズ。
そのフレーズをタイトルにした小説があります。
『楽園のカンヴァス』や『暗幕のゲルニカ』などの小説が直木賞の候補にもなった原田マハさんの小説です。

主人公は普通のOL二宮こと葉。
彼女は幼なじみの結婚式で、久遠久美というスピーチライターのスピーチに感動し、友人の結婚式のスピーチについて相談をします。
そこから久美に弟子入りし、野党のスピーチライターとして政権交代を目指す物語で、全編にわたり「スピーチとは?」ということに触れられています。

小説が伝えようとしている「言葉の力」

スピーチの極意 十箇条

一、スピーチの目指すところを明確にすること。
二、エピソード、具体例を盛り込んだ原稿を作り、全文暗記すること。
三、力を抜き、心静かに平常心で臨むこと。
四、タイムキーパーを立てること。
五、トップバッターとして登場するのは極力避けること。
六、徴収が静かになるのを待って始めること。
七、しっかりと前を向き、左右を向いて、会場全体を見渡しながら語りかけること。
八、言葉はゆっくり、声は腹から出すこと。
九、導入部は静かに、徐々に盛り上げ、感動的にしめくくること。
十、最後まで、決して泣かないこと。

出典『本日はお日柄もよく』(徳間書店)

これが小説の冒頭に書かれているスピーチの極意です。
案外、一番大変なのは十の最後まで泣かないことかもしれません。

言葉というのは人を励ましもするし、傷つけもする。
うまく伝わらない時もある。
どんな言葉を使えばいいのか、私たちは無頓着でいるのかもしれません。
スピーチをしない人でも、この本を読むと、普段の生活の中で言葉を選ぶことを少し意識するようになれるでしょう。
この小説が伝えようとしている「言葉の力」に気付く瞬間も訪れるかもしれません。

WOWOWでドラマ化決定!

22万部を売り上げたロングセラーのこの小説がWOWOWでドラマ化されます。
キャストや放送時期は未定ですが、監督は映画『半落ち』 『ツレがうつになりまして。』 『陽はまた昇る』などを手がけた佐々部清さん、脚本は映画『王妃の館』などを手がけた谷口純一郎さんが担当することが発表されています。
一体、どんなキャストが演じることになるのでしょう。
楽しみなドラマです。

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