ある春の日。僕は学校の遠足に出かけた。まさか母が自殺をするなんて思いもせずに……。

1. 40人に1人が家族を自殺で亡くしている

1998年から毎年3万人を超える人々が自殺で命を落としています。調査によると、毎日66人が自殺に追い込まれています。20代ではなんと半数の人の死因が自殺。日本では現在、40人に1人が家族を自殺でなくしている状態です。40人といえば、小学校の1クラスの人数。クラスに1人は親や兄弟を自殺で亡くしているという計算になります。

2. 文集「自殺って言えない」の発表

10代~30代の死亡原因の1位が「自殺」であるのにもかかわらず、死因が自殺だと告白することはずっとタブー視化されてきました。2000年には、自殺で家族を亡くした子どもたちが「自殺って言えない」という文集を発表。日本中が家族を自殺で亡くした子どもたちの気持ちを初めて知ることになりました。

それからはメディアでも「自殺」がとりあげられ、国や自治体、団体などによりさまざまな対策が行われるようになりました。2015年には3,0000人代だった自殺者数も24,000人代に減少しました。

3. 韓国の自殺者数の急増

かつての日本同様、現在自殺者数が増加している韓国。韓国では人口10万あたりの自殺者数は日本を超えているという報告もあります。世界保健機関の2015年の発表によると、10万人あたりの自殺率は28.9人。調査対象とした170カ国のなかで2位という結果になりました。

4. 韓国では「家族が自殺」は、隠し通さなければならない禁忌

韓国人のAさん(男性・30歳)は、高校1年生のときに母親を自殺で亡くしました。第1発見者はAさん自身。春の遠足から家に帰ると、変わり果てた母親の姿がそこにありました。

その後、母親が自殺で亡くしたことは伏せられ、葬式に出ることも許されず、入学したばかりの学校も転向を余儀なくされました。誰にも相談できないばかりか「母の事件が誰かに知られることに戦々恐々としながら」日々を送っていたそうです。

出典 https://readyfor.jp

Aさんは当時高校1年生。ちょうど親に反抗したくなる高校生くらいの時期ですよね。そのぐらいの年頃のときには反抗期でお母さんにいろいろひどいことを言ったという男性も多いのではないでしょうか。

韓国では、自殺対策や自死遺児への対応が日本より10年遅れているそうです。

春が来るたびに、母の自殺した日が来るたびに、「どうして止められなかったのか」「なぜ気づけなかったのか」「どうしてあのときあんなことを言ってしまったのか」「当たり前のように食べていた母のご飯。もっとおいしいよ、ありがとうと言えばよかった」「こんな僕が生きていていいのか」。

後悔ばかりが押し寄せて、自責の念に耐えきれず、うつ病になってしまったAさん。自殺を考えたといいます。それでも誰にも助けてと言えない、母の自殺のことを隠し通さなければいけない韓国の社会。

5. 家族を自殺で亡くした人と話すことで救われた

韓国の自死遺児のみなさん

出典 https://readyfor.jp

※Aさんではありません。

そんなAさんは「韓国いのちの電話」の自死遺族プログラムで、やっと今までの思いをぶちまけることができたそうです。

今、日本の自死遺族と韓国の自死遺族がお互いの経験や思いを共有することで、一緒に前に進んでいこうというプロジェクト・「日韓自死遺児交流会」が企画されています。
自殺対策に取り組んでいるNPO法人ライフリンクは、そのプロジェクトに必要な経費をクラウドファンディングサービスREADYFORで集めています。

6. 同じ経験をした人の言葉が何よりの慰め

良い成績をとって褒められたことも、片付けをしなくておこられたことも、熱を出して苦しいときに作ってくれたおかゆの味も、遠足のときにもたせてくれたおいしいお弁当も、もう何もかえって来ません。そのような深い傷を負った友人に何をしてあげることができるでしょうか。いくら言葉を尽くしてもどうすることもできません。

ただ、同じ経験をした人と話す機会があれば。心の底の言葉にできない感情も共有できるかもしれません。今回のプロジェクト・「日韓自死遺児交流会」のような会が今年だけでなく、次の年も開催されるよう、応援したいと思います。

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