映画『弟切草』

2001年に公開された映画、『弟切草』をご存じでしょうか? 

当時22歳だった奥菜恵が主演のホラー映画です。
ホラーゲーム『弟切草』のノベライズ版を原作とする、「復讐」の花言葉を持つ花、弟切草をモチーフにした物語です。

奥菜恵演じるヒロイン奈美が、有名な画家だった実父の遺産相続のため、恋人とともに大きな洋館へ向かいます。
直美という双子の姉の存在の発覚、少年のミイラ、何者かによる襲撃と、屋敷探索は不穏な方向へ……。

ヒロイン奈美と物語の鍵「直美」を一人二役で演じる奥菜恵の美しさと、デジタル加工による独特のサイバーホラー調の演出が話題を呼んだ作品です。

原作の原作『弟切草』

前述の通り、映画『弟切草』は、ゲームを原作とする小説をベースに製作されています。

原作ゲーム『弟切草』は、1997年にスーパーファミコン用に発売されたサウンドノベルです。
テキスト・BGM・効果音で、映画のような臨場感を体感しながら小説を読むゲーム、サウンドノベルの第1作目が『弟切草』。
サウンドノベルは、選択肢によってストーリーが分岐し、異なる展開が楽しめるようになっています。

つまり、1つのソフトで何本ものシナリオを読むことができるのです。
「あの時ああしていれば助かったのに」「これを選んでいれば逃げられたはず」というIFストーリーを、実際に選び直して体験する……。
ホラーゲームの定番であるこのシステムの草分けとなった『弟切草』をプレイして、映画とは違うストーリーを追ってみませんか? 

脳内で、若く美しい奥菜恵を主演において、いざ『弟切草』の世界へ。

はじまり

ゲームには、スーファミ版の『弟切草』と、PS版の『弟切草 蘇生編』がありますが、今回はオリジナルのスーファミ版の画像をピックアップして紹介します。

映画では、奈美が父親の屋敷を相続するためとして、最初から洋館へ向かっています。
しかしゲームでは、デートで遠出した帰り道、たまたま(必然ではありますが、奈美自身は何も知らないまま)辿り着いた、という設定。

また、主人公は奈美ではなく恋人の男。
名前は自由に変更可能です。

オトギリソウ

序盤で、モチーフとなったオトギリソウについての伝承を聞くことができます。

オトギリソウは実在する植物です。

「昔ある鷹匠の兄弟が秘伝の薬として使っていたが、弟がほかの鷹匠にこの草のことを話してしまった。兄は秘密を洩らした弟を切り殺し、飛び散った血が葉の斑点となった」

ゲームの中で語られるこの逸話も、実際にある民話が元になっています。
民話の別パターンで、「そっくりな兄弟が1人の女を取り合い、兄が弟を切り殺した」という物語も。
どちらにしても、花言葉「復讐」「恨み」「敵意」の通り、負のイメージが詰まった花です。
本当は、漢方などに使われる薬効成分に優れた花なのですが……。

ここで『弟切草』のメインテーマともいえるBGMが初登場となります。
可愛らしいような、どこかつたなく不安になるような。
オルゴール風の音はホラーの鉄板ですが、スーファミのレトロ感がまた良い仕事をしているのです。

謎の洋館へ

車が故障したり何者かに追われたりと、選択肢によってシチュエーションは異なりますが、追い立てられるようにして洋館へやってきます。

声をかけるも返事はなく、やむを得ない事情で勝手に館へ侵入します。
ホラーのお約束。
外は危ないし、車が壊れちゃったんだから仕方ないですよね。

巨大な水槽

物語中ちょくちょく出てきて、不気味な存在感を放つ「巨大な水槽」。
濁った水槽の中に潜んでいるモノは? 

とりあえず、序盤は何か気味が悪いな程度でスルーしておきましょう。
展開によってはほとんど関係ないまま終わってしまうこともありますが……。

車椅子

車椅子が近付いてきます。
主人公が顔を上げると……? 

筆者が初めてプレイしたのは10年前、PS版だったのですが、車椅子がギッギッと近付いてくるSEと、直後のグラフィックがトラウマになっています。
今回のスーファミ版視聴中もわかっていながら、薄目で構えていました。

この衝撃、車椅子の人物の顔は、ぜひプレイ動画でご覧になってください。

お色気シーンもアリ?

シャワールームでの一幕。
奈美がシャワーを浴びることになり、主人公がこんな提案をしてみたり。

今回紹介する画像にはありませんが、『弟切草』には、「ピンクのしおり」というシステムがあります。
指定された複数のエンディングを見た後に追加されるシナリオのことで、ちょっとだけ色気のある選択肢が増えるのです。

ヨコシマですが、これもサウンドノベルの楽しみのうち。
ぜひエンディングを制覇して、ピンクなストーリーを堪能しましょう。
もちろんテキストを脳内で奥菜恵に変換余裕ですよね? 

ピンクじゃなくても

通常シナリオですが、ちょっと期待できるようなシーンも。
こちらは主人公がシャワーを浴びるところですが……。

「奈美といっしょだったら」と妄想の世界から現実に何かが起こるのか。
それとも「やわらかいもの」が素敵な何かだったりするのか。

主人公の身に起こることとは? 

奈美の記憶

奈美が、自分の幼い頃の記憶を取り戻し、混乱に陥ります。
物語の核心に触れるきっかけとなる、重要なシーンです。

ここから謎の女性「ナオミ」が現れたり、奈美や公平が幻覚に襲われたり、2人が引き離されたりと、より直接的な恐怖を体験していくことになります。
エンディングに関わる重要な選択肢も増えていき、物語の緊迫感は最高潮に……。

「ナオミ」という女性が登場するのは、映画でも同じです。
しかしその正体について、映画版は大胆な解釈で、ゲームのどんな展開とも違うシナリオとなっていました。

映画を見た方、「ナオミって実は〇だったんだよね」と思うかもしれませんが、ゲームではどうでしょうか。
ゲームのシナリオ内容を、映画版のナオミに変換して場面を想像するのも面白いかもしれません。

結末いろいろ

これまで選んできた選択肢、すべてが集結するラスト。
最終章のシチュエーションそのものも、これまでの選択・展開によって大きく異なります。

たとえば上の画像……。
屋敷の呪いに敗れ、変わり果てた姿となった奈美。
それでも真実の愛を誓う主人公は、奈美を救うために立ち上がります。

「戦うよ」と重ねて宣言する主人公に、奈美への愛と決意を感じます。
ナオミ、ミイラ、鎧、怪魚……異形の者たちに対峙し、2人で館を抜け出すことができるのでしょうか。

ライラック

ライラックの花で終わる、切ないエンディング。
「ナオミ」のことを知った上で愛を確かめ合い、困難を乗り越えた2人の物語をしっとりと締めくくるのには最適でしょう。

主人公「いい香りだな……」
奈美「花言葉があるのよ」

と、奈美がライラックの花言葉をつぶやき、エンドロールに移行する……古き良き時代の邦画のような、情緒に溢れたエンディングとなっています。

大爆発

「全裸と爆発は面白いに決まってる」なんていいますよね。
いえ、面白いオチではないのですが……。

邪悪な館が爆発して跡形もなく消え去る、というのもホラーの定番ではありますが、重厚なシナリオの余韻をふっ飛ばす、少々乱暴なエンディング。
スーファミの荒いグラフィックながら、画面いっぱいにメラメラと燃え盛る炎の迫力はなかなかのものです。

ビジュアル的には、映画のエンディングにもっとも近いのではないでしょうか。
奈美と主人公の運命は……動画でご確認ください。

食欲の権化

プレイ経験のある人の中では悪名名高い、「食の権化」ルート。
弟が怪魚で、食欲旺盛すぎて家族を食べ、姉である奈美とその恋人の主人公も食べようとする……そんなナニソレ展開です。

よく考えればカニバリズムという恐ろしい題材なのですが、「食欲の権化」という響きが緊張感の欠片もなくてダメです。
「ゴンゲー」なんてふざけたセリフも出てくるので、制作陣的にもギャグのつもりだったのでしょう。

スタッフロール

スタッフロールは、映画のように大文字で下から上へスクロールしていく仕様。

メインの長坂秀佳含め4人のスタッフが脚本に携わっていることからもわかるように、『弟切草』はとにかく、シナリオのボリュームが膨大なのです。

今回紹介した結末以外にも、まだまだエンディングの種類があります。
また、同じエンディングでも、選択肢によって辿り着くまでのルートが異なり、プレイするたびに違ったスリルを体験することができます。

さらに、ピンクのしおりのように特定の条件を満たした後で追加されるシナリオも複数存在しています。
何度もプレイしているうちに、「〇〇の出番はまだ!」「さっき〇〇したじゃん」というような、マルチエンディングの弊害によるストーリーの破綻を自虐するようなセリフが飛び出したり、やり込み要素盛りだくさん。

映画と違う展開を見てみたい方、ゲームが気になった方はぜひ、スーファミ、PSのソフトや、ゲームアーカイブス、Wii U(バーチャルコンソール)などで入手し、プレイしてみてください! 

『弟切草』の実況動画

「やってみたいけど、自分に合うかどうかわからない」という方は、まずは実況動画で実際にプレイしている様子を視聴して、お試しからどうぞ! 

上の動画は、「FRESH! by AbemaTV」の人気実況主ていすぺさんによる実況です。
3つすべて違う選択肢を選んでいて、異なる展開・結末となっています。

どれも最初~エンディングまでプレイしているので、どの動画から見てもまるまる1本のストーリーを見ることができます。
ていすぺさんのリアクションが、前回のプレイ内容を踏まえたものとなっているので、アップ日付順に見ていくと、より楽しめるかもしれません。

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