■ある文庫本が話題

本屋に並べられているたくさんの本。小説、エッセイ、写真集、マンガなど、数々の本が売られています。ただ、なかなか「新しい本」との出会いは難しいものですよね。毎日のように色々なジャンルの本が発行され、目に留まる場所にあるのはごく一部。話題になるのは、有名な著者が書いたものがほとんどです。

そんな中、著者名もほんのタイトルすらも隠したある本が話題になっています。

■それは「文庫X」とされた本

タイトルや著者名、出版元…。通常は本を買う手掛かりとなる情報を手書きの表紙で覆い隠し、「文庫X」と銘打った謎の本が快調に売れている。発信地は盛岡市の書店だが、試みは全国12都道府県に拡散し、さらに広がる勢い。本の内容に触れない、書店員の抽象的なメッセージだけで本が売れる背景には、店と客の間で築かれてきた信頼関係があるようだ。

出典 http://www.sankei.com

何の情報もなく、あるのはただ書店員さんによるメッセージのみ。それなのに好調な売れ行きをみせているんだとか。

始めたのは、盛岡にある「さわや書店フェザン店」

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元々、書店界隈では有名な同店舗。80年代の後半、新宿・町田の山下書店で、雑誌・文庫の売り上げを急激に伸ばし、90年代に入り、東北の地・盛岡に“この人あり”と謳われた名物店長「伊藤清彦」さんが有名だった書店です。

今ではよく見かける「店頭の手書きPOP」も伊藤さんがはじめたという話もあるんだとか。既に同氏は引退されていますが、その血が脈々と受け継がれた有名な書店がこちらの「さわや書店フェザン店」なんですね。

メッセージは「申し訳ありません。僕はこの本をどう勧めたらいいか分かりませんでした」という謝罪から始まり、「心が動かされない人はいない、と固く信じています」「この本をあなたに読んで欲しいのです」と訴えている。本はビニールで包装されており、価格が810円で「小説ではない」ことしか分からない。

出典 http://www.sankei.com

この取組みをはじめたのは、同店の店長である長江貴士さん。
読んで感動したけれど、タイトルだけでは手に取らない人がいるかもしれないということで、長年温めていた「タイトルを隠す」という方法を取り出したんだとか。するとこの戦略が当たり、1ヶ月余りで980冊が売れる大ヒットに繋がったようです。

それにしても、普段あまり読書をしない方でも思わず気になってしまう「文庫X」という表現。しかも小説では無いとのこと。一体どんな本なのか、みんなの感想を覗いてみると…

■読んだみんなの感想は?

読んでよかった

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確かに、この本来の表紙を隠すカバーからも、その熱意が伝わってきますね。

みんなが同じような感想のよう。

普段だったら手に取らなかったという方が多いですね。

読み始めたばかりだけど…

著者に脱帽し反省。

ますます気になる感想です。

この様に、多くの方が「多分ふだんなら手に取らなかった、読まなかった」としながら、「読んでよかった」との感想。そういう本に出会っただけでも価値がありますね。

加えて、ネット上ではありがちな『ネタバレ』に関しても現段階で殆ど見られません。こういうところにも、書店と読書を愛する方々との信頼感が現れている気がしますね。

■現在はこの取組が全国に波及

「文庫X」の“正体”は同一の本。書店間のネットワークで、これまでに12都道府県に「文庫X」の企画が拡大、版元には7月下旬以降、7千部を超える注文があり、さらに増え続けているという。

出典 http://www.sankei.com

9月になり、さらに続々と同様の取り組みをしている店舗が多くなっているようです。9月14日時点で25都道府県90以上の書店に置かれているんだとか。

手にとった多くの方が「普段なら読まなかったけど、読んでよかった」というような感想を残している同書。お近くの書店で見かけたら、ぜひとも一度手にとってみてはいかがでしょうか。

普段では出会うことのない、新しい本との出会いが人生を変えてくれるかもしれませんよ。


※なお、冒頭のさわや書店フェザン店さんでは、万一『文庫X』の「中身」をすでに持っていた場合は「返金に応じます」とのこと。これなら躊躇なく購入できますね。

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