正しい運転姿勢って?

自動車教習所に行くと、まずは運転姿勢から教えてもらう。わざわざそんなこと言われなくても…と思ってしまうかもしれないが、実はこれ、本当に大事な事だ。

すでに運転免許を持っている人の運転姿勢を見てみよう。
両手でハンドルを持ち、背筋がピーンと伸びている人なんてほとんどいないのでは?
シートには浅く座り、斜に構え、片手でハンドルを回す…運転している人の多くはこのスタイルではないだろうか。

それでも免許を取るときは、正しい運転姿勢を教わっているはずである。教習所で使用している本に「運転教本」というものがある。これは車の構造や動きについて書いてあるもので、多くはイラストも入っていてわかりやすく作られている。

教習中に使うかどうかは、教習所によって違うのだろうが、私はほとんど使うことはしなかった。が、この内容も学科試験で出題されることもあるので、授業で使わなかったからといって、勉強しなくていいものでもない。もしまだ残している人は、もう一度見直してみるのもいいかもしれない。


その中にも当然運転姿勢についての記述がある。今となってはその運転姿勢をどうこういうつもりもないが、説明してある運転姿勢が、一番運転に適していることには違いないと思っている。

F1レーサーを見てもトラックの運転手にしても、片手でハンドルを回している人もいないだろうし、斜に構えて座っている人もいないだろう。正確にかつ楽に操作できる運転姿勢というものが、「正しい運転姿勢」とされているものであろう。

長距離を運転していると腰を悪くすることが多いらしく、浅く座ると負担がかかる。速い速度から、一気に速度を落とす必要があるレースではシートに深く座っていないとブレーキがしっかり踏めないのだ。

そういうことを考えると一般的に見ると少しぎこちないかもしれないが、背筋が伸びた姿勢がいいのだろう。

履物まできちんとしてますか?

慣れてくるといろいろな意味で余裕が出てくる。運転に関しては、昔は3か月、6か月、9か月によく事故を起こすと言っていた。いろんな場面に出会い、慣れたころにまた新たな場面に遭遇する時期なのだろう。

初めは、ドアを開けること、動き出すところ、信号交差点を通過することなど小さなことでも気になったいたにもかかわらず、どんどん薄れていき、周りの車の速度が遅いだの、この道が早いだのまた違ったことに気を向けられる余裕が生まれてくる。

少しの余裕のうちはまだいい。これが油断になったときに、事故が起きるということを覚えていてほしい。スマホを見る、電話をかける、メールを送る、あげくゲームを始める人もいる。そっちに気を取られ、事故を起こす人が増えている。

そんな中、見逃しがちなのが履物だ。駐車場で運転席から車を降りた運転手の足元をみると、サンダル率の高いこと。夏場ならまだしも冬場でも見かけることが多い。

念のため言っておくが、公安委員会遵守事項違反という決まり事で、サンダルやハイヒールや下駄などで自動車の運転をすることは禁止されているのだ。厚底靴、スリッパ、裸足でもだめという。きちんと反則金もあるので注意していただきたい。

なぜダメなのか。いうまでもないことだろうから例だけ挙げておこう。1996年にピークを迎えた、安室奈美恵のファッションを真似する女性。「アムラー」と呼ばれる娘さんがたくさんいたころの話。

当時ちょうど20代の女性が自動車事故を起こしたというニュースを見た。一日に何十件という事故が起こっている昨今、そう珍しいことではない。だが、その事故少し奇妙だった。

場所は片側1車線の閑静な住宅街の道路。さほど交通量が多いわけでも、人通りが多いわけでもない。そんな道路で1台の軽自動車が電柱にぶつかったという事故だ。電柱の手前は緩いカーブになっていた。

だが衝撃の度合いから見ても、そこまで速度が出ていた様子もない。それでも電柱を避けられず、電柱に突撃。不思議なことにブレーキを踏んだ痕跡が全くない。今のご時世なら、ドラッグか、病気かを疑われるかもしれない。

この事故が起きたのは2000年になるかならないかの時代。ドラッグを使用した運転で罰則がどうこうという時代ではない。なのになぜ、自ら電柱に突っ込んでいったのか。自殺をしようとしたわけでもなさそうだ。

運よく、運転していた彼女はけがをした程度で命には別状なかった。後に、事情聴取をしたところ、当時では予測もしない答えが返ってきた。「靴のかかとが引っかかって、ブレーキが踏めなかった」というのだ。

聞けば、当時流行っていた厚底ブーツを履いて運転していたらしい。厚底ブーツはそこが厚いだけでなく、ヒールも高く、太いものが多かった。カーブを見つけて減速しようとしたのに、ヒールが引っかかり足が動かなかったという。

なんともお粗末な結果…。

ボンネットには電柱が食い込み、おそらく廃車となったであろう。当時、同じような事故が多発していた。厚底ブーツを履いてくる教習生が多発していたのは言うまでもない。

ここでは厚底靴についての例だが、サンダルにしても同じことが言える。かかとが引っかかってというわけではないが、逆にかかとの固定がされていないサンダルでは、履物がついてこない場合がある。

アクセルペダルの上にサンダルが置きっぱなしになるパターンだ。とうぜん裸足になった右足はブレーキの上にいくが、違和感を覚え、いつもと同じような力でブレーキが踏めない。

またアクセルを踏みなおそうとしたときに、こんどは脱げたサンダルが邪魔をしてアクセルを踏めないことになる。さらにはそのサンダルがブレーキペダルの下に入り込み、ブレーキを踏んでも利かない状況になりかねないのだ。

そういう危険があることをしっかり理解したうえで、履物を選ぶようにしてほしい。教習所では運転に適さない履物で来た場合、靴を貸し出してくれるところもある。私の勤務していた教習所も、貸し出しはしており、次回からは自分で用意するようお願いしていた。

けど、いったん免許を取ってしまったらどうだろう。誰も履物に関して、注意をしてくれる人はいないのではないだろうか。ということは、運転をする自分で気をつける以外、方法はないのである。


大好きな靴を選ぶのならば

私は靴の値段はけちらないことにしている。昔から、安い靴を買って履いてみては、足を痛めるからだ。足に合わない靴が多かったのだろう。何も安い靴が悪いというのではない。私の足の形が悪すぎて、生地が硬いものや靴底が薄いものは合わないだけ。それがわかるのに、ずいぶんかかったが、今では必ず足にしっくりくるものを買うようにしている。

でもいくらヒールが低いからとはいえ、同じ靴を履いて運転をしていると、悲しいことにかかとの部分がはげてくる。傷がいったり、擦り傷ができたり、靴の傷みが増えてくる。
運転する時間が長ければ長いほど、靴への負担は多いのだろう。

せっかく高いお金を出して買ったお気に入りの靴も、傷んでしまっては、どうしようもない。そういうときのために、ドライビングシューズというものがある。運転しやすいように、フラットな靴底で擦れる部分にはゴムが施してあり、運転で靴が傷まないようになっている素敵な靴だ。

あればそれがいいのかもしれないが、なければ運転用の靴を自分で決めればよい。もうあまりはかなくなったスニーカーやローヒールは1足くらいあるのではないか。それを車に積んでおけば、出かけるときにハイヒールを履いていても運転席で履き替えればすむだけなので、ちょっとダサい恰好を見せなくてすむ。

さらに友人がそういうことをしていれば、私は「ほ~~」と感心する。そういう人の運転は、(技量は別として)安心して乗れるはず。ピンヒールを履いて運転している人も見かけるが、ヒールに負担がかかっているのは、言わなくてもわかるだろう。ましてや引っ掛かりでもして、ヒールが折れるかもしれない。そうなると修理するか買い替えるかになってしまう。わざわざ欲しくて買った靴の悲鳴を聞くこともないと思う。

片手ハンドルや斜に構える運転も気になるが、ヒールや厚底靴で運転している人のほうが私は気になる。人というより、靴の気持ちのほうが…かな。


あっ、あと一つ。もう捨てようと思っていたちょっとダサい靴を運転用にしたときは、うっかりその靴のまま、車を降りてしまわないように。せっかくのおしゃれが台無しになるかもしれませんよ。

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元教習指導員で技能検定員。事務も経験した自称スペシャリスト。現在は主婦業が中心。いろいろ事業を開発中。気になることはなんでもやろう精神で頑張っています。

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