客が飲食店を選ぶ基準は、自身の好みや話題性である。

ところが、デジタル時代を象徴するかのような、もうひとつの選択基準が現れた。

いま多くの人びとが、ツイッターやフェイスブックなどのSNSで情報発信をしている。日常の出来事や思っていることを“誰かに”ということもなく、書き綴っている。

その中でも多いのが、“食レポ”。料理の写真はもちろん、店の雰囲気なども撮影して、感想とともにSNSにアップしている。

グルメリポーター気分を味わえるのか、それが完全に趣味化し、次々に新しい店を探してはリポートしている。楽しいことはわかるし、SNSを見た人からの反応があれば、やりがいも感じるだろう。

だが、そうした人たちに対して、疑問がある。

本当に好きになった店を大切にしているか、ということ。リポートが目的になって、気に入った店でもあまり行かないのではないか。

新しい店に行かなければならないがために、好きな店に行く時間もないのではないか。SNSにアップすることに一所懸命になっている。

これが、もうひとつの選択基準なのである。

SNSに載せて、見てもらえるか、反応があるかどうかで、店選びをしてしまっている。

つまり、“絵になる店”。これでは、本末転倒。

まるで、幼稚園や小学校の運動会で、ビデオや写真撮りに夢中になる親と同じである。

自分の眼で見て、感動して、心に焼きつかせることが大切であるにも関わらず、ずっとモニターを見ている。

飲食店では、自分が本当に食べたい料理を注文し、それを待つ間に店の雰囲気を感じ、匂いで食欲をそそり、出てきた時のワクワク感を楽しむものである。

なのに、SNSに載せることばかりを考えていたのでは、食べることを純粋に楽しむことはできない。

料理人としても、店の宣伝になることは有り難いが、まずは料理を味わって欲しいと願っている。

人の趣味をとやかく言うつもりはないが、“食べる楽しさ”が第一であることを忘れないで欲しい。

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佐藤きよあき このユーザーの他の記事を見る

1961年兵庫県生まれ。神戸学院大学法学部中退。1981年、広告デザイン会社にコピーライターとして勤務。93年、プランナー・コピーライターとして、フリーランスに。仕事を継続したまま、96年、木のおもちゃ制作を開始。ネット販売に着手。その後、「販売の現場」を知るために、5年間スーパーに勤務。これにより、「メーカー」「販売現場」「広告・販促」のすべてを経験。この経験を生かし、2003年より、中小企業・個人商店向けメールマガジン「繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座」を発行。関連する情報販売、コンサルティングを開始。メールマガジン他、ブログ9本「Marketing Eye」「ビジネス界隈・気づきの視線」「企画する脳細胞・ビジネスの視点」「まちづくり・村おこしの教科書」「行列のできる『MENU』の創り方」「中高年のための新規開業サポート」「独立・起業の成功法則」「販促の知恵袋」「スキルアップでビジネスぶっちぎり!」を執筆中。現在、繁盛戦略コンサルタントおよび中小企業経営研究会のビジネス・カウンセラーとして活動。著書に「0円からできる売れるお店の作り方(彩図社)」がある。

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