はじめに

転職の話をしようと考えたのは、そもそも私自身が転職を複数回しており、色々な職場を見た経験があるからだ。
複数の職場を経験すると、そこに共通のようなものがあることに気付く。共通点があるとわかれば、転職する理由にそれが挙がった時、本当に転職した方が良いのか、考え直す余地があるのではないか、と今更ながらに感じたのだ。
私はあくまで1人の人生の一部でしかないので、これが絶対とは言い切れない。しかしながら、転職しようか迷っている方の参考に少しはなるかと思う。

なぜ転職したいのか

ありきたりな設問で申し訳ない。
しかし、ここが重要なのである。必ず自分の本心と向き合わないと、転職を繰り返すだけで終わってしまう可能性が高い。特に日本では、今でも年齢の壁が存在している。ある程度すると、正規雇用での転職は難しくなるだろう。
だからこそ、むりやりにでも時間を作って、しっかり向き合っていただきたい。

さて、理由として挙がるのは私の知人や身内含めて次のものがあると思う。
・人間関係(上司、同僚、顧客、嫌がらせ、セクハラ等)
・雇用形態(非正規、勤務時間、休暇等)
・給与、待遇(残業代の支給基準、賞与の有無、ノルマ、評価制度等)
・仕事内容
・物理的な理由(婚姻等による引っ越しでの通勤困難等)
・病気(心身ともに)

当然、他にも挙がるだろう。
この中で、実は、どこに行っても変わらないものもある。自分次第ということもある。
具体的に細かく確認してみる。

転職をする前に、もう一度考えて欲しい転職理由

私は、実は複数回転職してきたが、全て正規雇用だったわけではない。パート、非正規雇用も経験している。その上で、次の理由の場合は、自分のキャリアプランと照らし合わせてもう一度考えていただきたい。

まず、人間関係。
といっても、それぞれご事情はあるだろう。具体的にいうと、ハラスメントの場合は企業の体制の問題もあるので、きちんと記録を取って、然るべきところに報告した後に辞めれば良いとは思う。このご時世、ネットで検索かければ、適切な方法を見つけることが出来る。
嫌がらせも同様。
ただし、少しでも心に余裕があれば、2~3年ほど冷静に観察して欲しい。実は、私の今の職場がそうなのだが、結局すぐに人が辞めていくところであるならば、短いスパンでそれなりの位置に就くことが可能だ。ある程度の職責を経験してから、一番良い状況でエージェント案件で転職するのが最良の選択だと思う。
それ以外、単に人と”合わない”場合、すぐに決断するのは勿体ない。

少し長くなるが、私自身、こういった経験がある。
市役所の正規雇用で勤めていた時の話なのだが、私は自他共に認める真面目な人間であり、特に就業規定に”職務専念義務”を掲げている職場であるため、水分の購入一つ、気を使っていた。(自動販売機が庁内あるのだが、勤務時間中に購入に行くのは避けていた。)
しかしながら、昔からいる職員の中には、”タバコ休憩”が常態化しており、酷い職員は本当に喫煙室に行ったっきり、1時間ほど帰って来ないこともあり、その分残業しているのでは?と疑うほど残業していたりする。本当に数名だが。
運悪く、私の課に10年以上先輩だが仕事を本当にだらだらとし、上記のようにタバコ休憩+残業の職員がきた。当然、注意する。(当時は若かったので、遠慮をしていなかった。)
そのうち、その職員がなぜか、私の業績を自分も協力したかのように報告し、翌年職位が上がった。腹立たしいことこの上なし、である。
これが火種となって、私はこの2年後に転職するのだが、なんと、これと同じようなことが、その2つ次の職場で経験する。
その職場は大学で、私は非正規雇用、仕事は正規雇用の職員とペアを組んだような形で業務を持つのだが、割と入ってすぐの頃から、ペアというより私がなぜか正規職員の仕事をしているような状態であった。そのペアの職員が、まさに市役所のあの職員と同じことをしていたのだ。
そして、本当に仕事はだらだらする、というか一般的にデキル人ではなかった。タバコ休憩でいない時の来客は、私が走り回って探すか、最終的に私が対応していた。やはり、納得がいかない。

しかし、どこに行ってもいるということはわかった。間に短期で働いた公的機関でも同様にこういった職員はいたので、これを理由に転職するのは勿体ない、と。

あくまで具体的すぎる一例ではあるのだが、試しにインターネットで調べてみると良い。同じ悩みごとの相談が出てくるようであれば、それはどこでもありうるということ。

結局、視界に入れない、とか気にしない、とか自身で流すのが一番である。そもそも、合わないのは、それぞれの価値観の差異なのだ。
きっとこの私から見て、仕事をしていない職員達は、彼らなりに残業して間に合った、迷惑をかけていない、という認識で、特に困らない限り、変わることはないのだ。

転職した方が良い転職理由

これは、自身の危険が及ぶものだと考える。
特に病気の場合は、次の職場が見つかっていなくても辞めた方が良い。
私の友人は、次の職場が見つかっていないから、とむりやり続けた結果、病気が深刻なものとなった。心の病気である。
これは、原因は後からゆっくり探れば良いし、原因がわかれば同様のことが起こらない職場を探すか、自身で解決方法を見出すか、いくらでも対策が取れる。
転職活動中に理由をどう答えるか、悩まれるかもしれない。
しかし、しっかり療養期間を取り、その間に自分がやりたいことを見つけることが出来たなら、それにまつわる知識や資格取得等、進むことができるだろう。
だから、転職理由は「やりたいことを見つけた」で良いのだと思う。
病気のことは言わなくても、活動中のあなたがしっかりと夢に向かって動いていることを伝えることができれば、十分に活動できるだろう。

同様に、仕事内容に問題を抱えているのであれば、転職は検討すべきだろう。
しかし、私も経験したが、経営者の考えと意気投合し入社するも、現場が全く意向を無視している、というところもある。私の場合は、正規雇用だったが、すぐに手を引いた。
時間の無駄でもあるし、何より、働いている他の職員が死んだ魚のような目をしていて、同じ目になりたくなかった、というのが即決の理由だ。
(この職場、この後、割と労基法に抵触するような対応をしてくれたので、本当に辞めて正解だった。)

また、雇用形態に問題がある場合は、注意しながら転職先を探さなくてはならない。
公務員ならありえないが、特に、「残業代支給」「賞与実績あり」という表記、信用ならないのだ。
すぐに辞めた企業、同じように謳っていたが、残業は申請が通ったもののみで、先輩曰く、通る人は承認者のお気に入りだけで、申請者の力量不足を理由にほとんどが認められない。賞与も同様で、お気に入りだけが支給され、他の職員は7年間一度ももらったことがない、ということも。
この企業は、確かに業績が良かったわけではないので、仕方がないのかもしれない。
だが、こういったことはよくあるので、企業の業績や、口コミサイトを参考に、冷静に活動することをお勧めする。

非正規雇用から正規雇用へ、という場合、上記に挙げたようなことよりも、何かキャリアアップできる要素があるなら、まずは正規雇用、という気持ちで良いと思う。
なぜなら、正規雇用ですら、年齢の上限がネックとなる中、非正規雇用は更に厳しい目で見られる。正規雇用の経験、というものも重要となる。

意外と一概にいえない転職理由

最後に残った、物理的な理由、については、個人の価値観だと考える。

私の例を挙げよう。
正規雇用の頃、交際相手と同棲するため、当時の職場から片道3時間のところに引っ越した。半年間、頑張って通勤したが、とうとう睡眠障害を引き起こし、もともと不満もあったため、転職した。
しかし、今の職場は片道2時間かかる。少し短くなったが、理想は1時間以内である。
なぜか。
私は今、会計関係の資格は全く持っていない。
昔、少し簿記を勉強したが、挫折した。
この私を事務能力のみで拾ってくれたのが、今の職場だ。(まぁ、理由は入ってみてわかったが、ほとんだが1年経たない間に辞めていく。)

私は私で、この道で資格を取って、いつか自分で開業したいと考えている。
当然、間に出産等も望んでいるので、今の事務所は離れることになるだろう。
(育休・産休の制度がない。このまま頑張れば出来るかもしれないが。)

私のキャリアプランでは、出産等で事務所を離れた後、通勤1時間圏内の同業者に再就職する予定だ。
そのために、今は経験を積むこと、資格を取ることが目標で、通勤に片道2時間と、このプランへの到達条件を天秤をかけると、通勤時間は問題ではなくなったのだ。


だからこそ、引っ越し等の理由で転職しようと考えている方は、今の職場と通勤時間を一度天秤にかけてみることをお勧めする。
さすがに新幹線まで使うような距離なら勧められないが、たとえば、車通勤が可能でそちらの方が時間短縮できるなら、会社が支店を持っていて異動ができるなら、色々検討してみると、辞めたり転職することだけが選択肢でなくなってくるかもしれない。

これをきっかけに辞めたい、転職したい、という方は無理に残る必要は当然ないのですが。

最後に

これまで、私自身の経験から考察してきた。
当然、これが全てではないので、一概に言えないが、一度しかない人生の多くを占める働く環境について、しっかり考える必要があることはお伝えしたかった。

今、私自身、全く後悔がないかというと少し怪しいが、今は今で、やりたいことを見据えて進むことが出来ていると思う。
ここに到達するために、転職したことで良いことも悪いことも経験したというのは、非常に重要だったのではないかと考える。
勿論、一つの職場で長年勤めていくことで専門性を極めるのも素晴らしいと思う。
しかし、それも一度転職と迷って、残ることに決めたという人と、なんとなくずっと不満があっても勤めたという人とでは、満足度は大きく違うはず。

今一度、自分と向き合うことで、最良の選択をしていただければと思う。

この記事を書いたユーザー

土方 涼 このユーザーの他の記事を見る

同志社大学卒業。
学生時代からラグビー強豪校・チームのスタッフとして7年従事。
地方公務員3年半務めた後、転々とし現在は税関係の職場に就職。
社会人になってから、バレーボールの風雲児的存在達と出会い、ツイッターでは#vobotterでしばらく底辺カテゴリの指導法について疑念を提唱。(現在アカウント変更)

主に、組織論やコーチングについてが専門。日本のコーチングが定義違いであることに言及。
中学バレー部のメンタルトレーナーの経験から、発達心理等についても学ぶ。(子ども成長に関することも学んだことから、子育てについても応用。)
現在は、猫飼いのため、ツイッターとアメブロは猫率99%。
たまに、まともなことを言う雑学がある子、だそうです。

得意ジャンル
  • スポーツ
  • 動物
  • 社会問題
  • 育児
  • 暮らし
  • エンタメ
  • カルチャー
  • コラム
  • キャリア

権利侵害申告はこちら