「梅毒」という病気をご存知ですか?

「えっそれって昔の性病でしょ?」というあなた。ちょっと待って。梅毒はこの5年で感染者がなんと5倍にも膨れ上がっている現代の性病なのです。

梅毒は性交渉だけではなく、キスでも感染する可能性のある強い病気。その症状は、軽い発疹やしこりからカラダのマヒまで幅広いもの。最近あなたが気にしている体の発疹、もしかして梅毒かも。

梅毒って過去の病気?

「クラミジア」や「淋病」などと違い、あまり聞きなれない病名の「梅毒」。これを読んでいるあなた、梅毒って過去の病気でしょ?と思っていませんか?実は私もそう思っていました。梅毒という名前は聞いたことがあるけれど、病名の和の雰囲気から、過去っぽさを感じていました。


確かに「梅毒」は昔からある病気です。世界各国で何度も大流行を繰り返し、人々を悩ませてきました。日本でも江戸時代には認識されていた病気だとか。


戦前、梅毒は治らない病気でした。治療薬がなかったのです。しかし抗生物質の登場とともに、梅毒患者は減少していました。それがここ数年、じわじわと梅毒の流行が始まりました。なんとこの5年だけで、患者報告数が5倍になっているのです。

■梅毒ってどんな病気?


「梅毒トレポネーマ」という細菌によっておこされる感染症、それが「梅毒」です。感染ルートの多くは性行為から。そのため、性感染症に分類された病気です。


「梅毒」の特徴は、長い時間をかけて病状を進行させていく気づきにくい感染症であるということ。早い人では3週間、長い場合だと、3年~10年もの時間をかけて病状が進行していくというのです。数年前に感染したかもなんて考えるとゾッとしますね。


性病と位置づけられている梅毒ですが、症状が現れるのは性器や性器周辺だけではありません。時には全身に症状が現れることも。


その症状の一つに、赤く小さなブツブツがあります。発疹ですね。発疹なんて過去10年間で何度出たことでしょう。もしかして梅毒の症状?なんて考えると、今身体に出ているあせもすら心配になってしまいますよね。湿疹症状の他には、痛みやかゆみ、腫れなどがみられるそうです。ひどい場合だと脳や体にマヒが出ることも…。


梅毒の症状や原因など、詳しくみていきましょう。

■梅毒の症状ってどんなものなの?

梅毒は感染後すぐに症状が現れるわけではありません。潜伏期間は約3週間~1ヶ月半。その間は症状が出ることなく、普通通りの生活を送る人が多いのです。その間にも病原菌が体の中に留まり続けていると考えるとゾッとしますね。


この潜伏時間を経過した頃、少しずつ症状がみられるようになります。その経過具合により、症状も特徴的に身体にあらわれるように。梅毒の症状は第一期~第四期まで大きく4つの病状に分けられます。
病気の進行具合は感染後の経過時間も切り離せない目安のひとつです。今日は第1期~第4期までの区切りをベースに、症状を説明していきます。

*【第1期】性器やその周辺の痛みのないしこりや、太ももの付け根のリンパ節の腫れ

性行為が原因で感染していた場合、性器やその周辺に痛みのないコリコリのしこりがあらわれます。時期としては、梅毒感染後約3週間頃。例えば性行為などがきっかけで、性器の周辺が感染すれば、その周辺に症状があらわれるようです。


*主な症状と経過
1.)かたいコリコリのしこりが現れる(男性の場合は亀頭(ペニスの先端)の周辺、女性の場合は大・小陰唇(ヒダ状の部分)の周辺)
2.)しこりが盛り上がり、中心部にただれ
3.)次第にリンパ節(太ももの付け根等)が腫れてくる


これらのしこりや腫れは、痛みがないことも。そのため、感染者が気づかず第一段階の初期症状が消えてしまうことも多いのです。

*【第2期】全身にあらわれるブツブツ発疹

第一期であらわれた「しこり」や「太ももの付け根の腫れ」は初期症状のため放っておいても次第に落ち着きます。続いて表れる症状が発疹(ほっしん)。出現場所は顔や胸元、手足など全身で、口の中などの粘膜にもブツブツが出るそうです。


症状があらわれる時期としては、感染後おおよそ8週~12週間。初期症状で現れていた病原菌は一旦は姿を消したように感じられますが、じわじわと感染者の体を蝕んでいるのです。しこりや太ももリンパの腫れと同じく、痛みもかゆみもないことが多く、この時期でも感染に気付かない人は多いそうです。


感染後12週を過ぎた頃、体のあちらこちらにしこりがあらわれ、のどには多数の口内炎。手のひらや足の裏などに赤みのある湿疹ができ、掻くとフケのようなものが落ちるように。この段階で病院を受診し、「梅毒」と診断される人も多いようです。

*【第3期~第4期】全身のしこりは硬く、全身にマヒも

感染後3年~10年以上の時間をかけ、梅毒は患者の体を蝕んでいきます。全身のあちこちに出ていたしこりは硬くなり、「梅毒」の病原菌は皮膚表面だけではなく、血液や神経にまで到達します。


血液に症状が広がった場合、大動脈炎や大動脈瘤。
神経に症状が出る場合は脊髄癆や進行マヒなどがみられます。


ただ安心してください。医療技術が進歩した現代では、この第3期~第4期の症状まで病状が進行することはめったにみられないそうです。初期症状の段階で病院で受診するとこが大切なのですね。

■梅毒の感染ルートはSEXだけではない

梅毒が性感染症であることはここまで何度も説明してきました。「約15~30%」これは1回の性交渉で梅毒に感染する確率です。


梅毒は確かに性病です。ただ、場合によってはキスだけでも感染するかもしれない危険な病気であるということ。一言にセックスといってもその行為の種類は多岐に渡るもの。お互いの性器が触れ合うだけでなく、相手の大事な部分を口で愛撫することもありますよね。


梅毒だけではなく、病原菌というものは粘膜の傷から感染するものが多いです。口の中にキズや口内炎などの炎症、虫歯による歯茎からの出血があったらどうでしょう。オーラルセックスで感染後、パートナーを変えてキス。それだけで感染のリスクが高まるのです。


そのほか、感染者が気付かず献血を行ってしまった場合、輸血を受けた人は感染する恐れがあります。血液を介する注射針の使いまわしも非常に危険です。


もう一つ、ここ近年の大流行で問題視されているのが、「先天性梅毒」と呼ばれる母子感染です。母親が梅毒に感染していることに気付かずに妊娠をした場合、お腹の中の子供に大きな影響が出てしまいます。


母親の胎盤を通して胎児が感染してしまった場合、流産や早産、ひどい場合では死産してしまうことも。運よく経過通りの出産を迎えたとしても、産まれてきた子供には障害や発達の遅れが出てしまうこともあるそうです。母親が梅毒患者の場合、産まれた赤ちゃんが梅毒にかかってしまう確率は約40~70%。でももしも自分がそうなってしまった場合でも怖がらないで。現代の医療は大変進歩しております。早めの時期にしかるべき治療を受けることでお腹の赤ちゃんが無事産まれてくる可能性は高まります。

■性感染症は予防が大切

「梅毒」から自分を守るためには、事前に病気を予防することが大切です。これは「梅毒」に限った話ではありません。「淋病」や「HIV」など、その他多くの性感染症を防ぐためにも、自分で対策を取る必要があります。


コンドームは避妊するためだけのものだと思っていませんか?コンドームには性感染症の原因の一つである体液をブロックする働きもあります。もちろん100%の効果ではありませんが、リスクから身を遠ざけるために有効な手段であることは間違いないでしょう。


それから、不特定多数との気軽な性交渉も控えましょう。相手が性感染症に感染しているかどうかは外見では判断しずらいでしょう。自分の身を守れるのは自分だけです。むやみやたらなSEXを控えるだけで、感染のリスクは下がりますよね。

■まとめ

ここまでたくさん説明してきましたが、パートナーを1人に絞っている人でも安心はできません。そのたった一人のパートナーが、過去にどんな人と交わってきたのか、すべて把握していますか?現在進行形で複数の相手との関係がないと言い切れますか?


今回「梅毒」という病気を特集させていただきましたが、梅毒は感染力が強く、命にも関わる恐ろしい病気です。


もしも感染してしまったかもと心配な方は、すぐに病院を受診してください。決して治らない病気ではありません。「予防」そして「治療」が大切です。


「梅毒」は自分で防ぐ努力ができる病気、感染に気付いた時に治せる病気です。自分の体の声を見逃さず、健康で幸せな毎日を送ってくださいね。

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森崎あこ このユーザーの他の記事を見る

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