日本・欧米いいとこどり育児を提唱する平川裕貴です。

私が、英会話教室を始めたのは1988年。 1980年代後半から90年代初めは、バブル経済の真っただ中。
たくさんの外国人が日本にやってきていました。

当時は英語ブームで、私の会社も、関西一円にネバーランドという出張教室と、リリパットという会員制の教室を展開していました。

講師は外国人で、大抵は大学を卒業したばかりの若者で、1年で帰国していましたが、中には数年日本に滞在する子もいて、その子達の親が来日することがありました。


その頃、外国人の親達と話をしていて、とても耳に残った言葉がありました。

実は、最初に聞いた時は、「え~親なのにそんなこと言うの?」 なんて思ったんです。


でも、アメリカ人もイギリス人もオーストラリア人もカナダ人も、外国人の親は、全員その言葉を口にしました。

”I'm proud of you.“ あなたを誇りに思うわ  

”I'm proud of him (her)." 彼(彼女)を誇りに思います。

という言葉です。


”I'm proud of you." は子どもに向かって言っていました。

”I'm proud of him (her)."  は私に対して言った言葉です。


日本では、親が自分の子どもを褒めることなんてありませんよね。

人から褒められると、「いえいえうちの子なんて、全然ダメです」 なんていうのが一般的な返答。

こちらが、「○○はとてもよくやってくれています」 と褒めたことに対する返事だったわけですけど、私としては次に「そんなことないですよ~」って返事しか考えていませんでしたからね。

「うちの子を誇りに思います」などと言われて正直面食らってしまいました。(笑)


でも、この言葉、いろいろな意味ですごいなって思ったんです。

まず親が、自分の子どもを誇りに思うなんて素晴らしい。

それに、あなたを誇りに思うという言い方は、私があなたの親だし、あなたをこんな風に育てたのは、私なのよって、それとなくアピールしているでしょ? これ、上から目線の言葉なのよね。

日本の「がんばったね」とか「えらいね」などという褒め言葉より、子どもに親である自分の立場を理解させ、尊敬させる上手な褒め方だと思いませんか?



別にその子が、特別頭がいいとか、器量がいいとかではないのです。 

たとえば、何かの試合のために一生懸命練習を頑張った。でも試合には負けてしまった。

そんな時にも、欧米の親は言うんです。 「あなたを誇りに思うわ」って。

一生懸命頑張ったことが素晴らしいって、親として伝えているんですね。


あれから、30年近い時が流れて、欧米社会もずい分変わりましたが、この言葉は、今でも私が欧米文化から取り入れたいと思っている考え方です。

親が自分を認めてくれているって、子どもにとって、本当に嬉しいことですよね。


この言葉、私もスクールの生徒達に使います。

嘘をつかずに正直に話してくれた時、困っている子を助けてあげた時、むずかしいことに一生懸命トライした時。

決まってみんなちょっと戸惑ったような顔をするんですけどね。

だって、けなされることには慣れているけど、こんな風に褒められることには慣れていないものね。


みんなもっと、褒められることに慣れてくれるといいなと思っています。

この記事を書いたユーザー

平川裕貴(ひらかわゆうき) このユーザーの他の記事を見る

元日本航空CA。外資系英語スクールマネージャーを経て、1988年子ども英語スクールを神戸と大阪に開校。外国人講師による子ども英語教育の先駆的存在。

1995年、阪神淡路大震災に遭遇、教室・自宅とも多大な被害を受ける。
震災から得た教訓も活かし、2006年、インターナショナルプリスクール(英語の幼稚園型スクール)を設立、英語教育と人間教育に取り組む。現在3歳から6歳までの子どもを、幅広い視野と思いやりを持ったバイリンガルに育てている。

長年欧米文化に触れてきた経験から、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱。スクール経営の傍ら、これまでに得た教訓や知恵や知識を伝えるべく執筆活動を開始。
幼児教育研究家。文筆家。コラムライター。英語講師。マナー講師。

ウレぴあ総研『ハピママ』や『IT Mama』に、子育てや英語関連の記事執筆。
フジテレビ『ほんまでっかTV』 に子ども教育評論家として出演。

著書『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』(アマゾン)
『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』(彩図社)

権利侵害申告はこちら