ご存知の方も多いであろうが、介護現場は深刻な人手不足である。
筆者自身も介護現場で働く一人であるが、二十歳の頃から20年近く介護の仕事を続け、見聞きした【現場の声】を知って欲しい。
わたり歩いた介護施設は20年のあいだに、九州から近畿まで9ヶ所に及ぶ。
重度肢体不自由児(者)施設や、小規模多機能・有料老人ホーム等々。
その現場の同僚から聞いた介護職に就いての感想は「仕事がきつい。」「体力的につらい。」「夜勤は疲れる。」「そのくせ給料は安い。」だ。
事実、税金その他いろいろ引かれて手取りは10万程度からスタートのところも多い。
勿論、仕事にやりがいを感じる瞬間もあるが、殆ど毎日の様に時間と体力との闘いである。
正直、やりがいだけで乗り切るのはかなり大変だ。
仕事終わりには、肉体的にだけでなく、精神的な疲労も激しい。
それなのに である。
なのに、旧ヘルパー1級・2級・3級資格所持者の次のステップに選ばれることも多い介護福祉士資格は、2017年1月の受験資格から実技試験の代わりに新しく≪実務者研修を修了している事。≫という条件も設けられた。
受講時間は450時間。
無資格の場合は受講におよそ6か月程度かかる。
仕事をしながら受講するのは、時間のやりくりがかなり大変だ。
建前上は、有給休暇があるにはあるのだが、人員不足の為に簡単には有給がもらえない。
筆者の職場の場合、月9回の公休で行かなければならなくなるのだが、介護の現場は体力勝負だ。
休みが削られるのはかなり辛い。
もうこうなってくると次の転職を考えだし、資格取得は諦める者も出てくる。
介護の仕事はやりがいあるが、誰だって自分のことは可愛いのだ。
やりがいは他の仕事にだってあるのだから、無理して身体に負担のかかる介護職など続ける必要なんてないのである。

こうしてせっかく介護職に就いても、「仕事がきつい(やっぱり辞めたい)。」→辞める人がでる。→その人が負担していた仕事が、残された職場の人間に回ってきて仕事が増える。→あぁ、私も辞めようかな。→また一人辞めて仕事の負担が増える。→もうやだ。もう辞めたい。給料も安いし、いつになったら現場の人間増えるのぉ(涙)!?!?!?!?!
で、これがまた最初の「仕事がきつい。」に戻る。
この繰り返しで、いつまでたっても介護現場の人手は増えない。
これが20年で9か所わたり歩いた筆者が、その殆どの介護現場で見聞きし感じた事である。
いつか、この負の連鎖を断ち切る事ができる日が、果たして介護業界にくるのであろうか?



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老人ホームで働きながら、小さなマンションで犬・猫と暮らしています。植物を育てたり、プチプラ雑貨に手をくわえて飾っては楽しんでいます。

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