新NSXが発表された。すでに価格が2370万円だというニュースは、巷を駆け巡っている。発売は来年2017年2月27日。8月25日に東京ビックサイトで行われた発表会で、プレスに配布された資料にはこうある。
「HONDAの根底に、昔もいまも脈々と息づくもの。それは常に高い目標に向かって情熱を注ぐ、技術的な探求心である。沸き立つスポーツマインドと、その結晶たる初代NSXをここに」
筆者はここですでに涙ぐんでしまった。このスピリットこそが、世界に誇る日本の自動車産業を作り出し、日本車への憧れと信頼性を確立した原動力となったのだと思う。
発表されたNSXの特徴について、「週刊モータージャーナル」の池田直渡氏は説明している。「最も重要なのは、その革新的な駆動方法だ」NSXの採用した「スポーツ・ハイブリッドSH‐AWD」は、2004年にレジェンドに採用された四輪駆動にモーターを併用したも。モーター併用により、制御速度が速くなる。そしてフロント2輪がモーターのため、旋回中のアンダーステアやオーバーステアを制御する。そして、求められるシャシーとサスペションの剛性の実現には、三次元熱間曲げ焼き入れの超高張力鋼管を導入。更に、車両フロント部分の構造材には、高価な押し出し成形アルミを使用。衝撃安全性の向上と共に、スポーツカーの短い前後オーバーハングで、効率よくエネルギー吸収が可能になる。池田氏は、この鋳造材がサスペションマウントになっていることに最も感動したと書いている。「短いノーズでの衝撃吸収とサスペションの高剛性で正確な位置決めを一発で解決した」とある。
一体どれほどの時間と労力を費やして、出来上がった車なのだろう。微塵も妥協や怠慢がない、見かけ倒しのハッタリとは無縁の産物である。HONDA、いや日本の自動車産業に携わる人間の誇りが感じられる。
ここで、NSXの歴史を見てみよう。
初代NSXは、1989年、バブルの真っただ中に発売された。キャッチコピーは、「OUR DREAMS COME TRUE」「緊張ではない、開放するスポーツだ」初代の価格は800万円。当時の日本車の中でも最高額だった。その後15年に渡って、改良などを加えながら販売されていた。このNSXは、F1参戦を機に開発された車である。まさにHONDAの夢と希望の結晶だったのだ。その後継のNSXとなれば、現在働いている技術者にとって、輝かしい先達たちの面汚しになっては申し訳ないと思う気持ちもあるはずだ。そして、先代のNSXに恥じない名車が出来たはずなのである。
HONDAの方々には、胸を張って新NSXを売ってほしい。2370万円という価格でも、遠慮することはない内容のはずである。
8月25日に八郷隆弘社長は、国内での目標販売台数を100台と答えた。誰もが採算が取れないとわかる数字だ。これは単なる謙遜ではないだろうか。これだけこだわり、HONDAが結集して頑張ったNSXだ。たとえ売れなくても売る覚悟だと言いたかったのではないだろうか?

いいものを妥協なく作ることは、自動車産業のみならず、日本のものづくりの基本姿勢であるずだ。
新海誠監督のアニメ映画「君の名は」が現在ヒット中だ。
新海監督の映画は、実写とみまがうほど、そして実写以上に美しいと言われる風景描写が秀逸である。そこにも妥協などない。世界的に大ヒットしている宮崎駿監督の映画も、細部にこだわった美しい画像に定評がある。
すでに日産は、その匠の技術を結集してGT‐Rを世に出し続けている。トヨタのレクサスLFAも、世界に素晴らしさをアピールした車だ。
燃費の良い車や、自動運転ではこのワクワク感は得られない。それは、造る側にとっても同じではないか。
高い技術力を駆使した、こだわりの車。これこそ、日本の自動車の目指すものではないか。
このNSXの発売が、日本の自動車産業の新たな活路を広げるきっかけになることを、切に願う。

「週刊モータースポーツジャーナル」池田直渡

出典 http://www.itmedia.co.jp

こだわりと高い技術力

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東京都出身。大学卒業後、主に経理畑を歩む。車とチョコレートを愛し、遠く江戸に心を馳せる日々。

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