先日、FUJI ROCKやROCK IN JAPAN、VIVA LA ROCKといった大型フェスをはじめ、著名ミュージシャンなどがチケットの高額転売に異議を申し立てる意見広告が掲載され、話題を呼んだ。
今日、音楽シーンではCD不況がより一層加速しているためライブがCDの売上以上に重視される傾向にある。
なぜならミュージシャンにとってライブは大きな収入源だからだ。
このためライブ市場は急激に加速。
特に夏は現在、毎週のように音楽フェスが開催されている。

しかしながら、ライブ市場の発達と共にチケットの高額転売が問題となっている。
近年、インターネットオークションやチケットキャンプなどで営利目的で転売されるケースが増加しているからだ。
この悪質な転売行為を撲滅するために共同声明が発表されたのだが、先日ある経済学者が「経済学的には転売はどう考えてもOK」といった記事を発表し音楽ファンを中心に波紋を呼んでいる。

なぜチケットの高額転売がこうも問題視されるのか。

高額転売と譲渡

まずここでいう転売とは営利目的の転売であり、チケット譲渡ではない。
譲渡は諸事情で行けなくなったライブのチケットを譲る行為、転売は営利目的でチケットを仕入れ高値で売りさばく行為だ。

基本的にチケット譲渡や転売行為は主にTwitterやインターネットを通して行われる。
取引方法は、直接チケットを手渡しするか郵送の2つがメインとなっている。
しかし大きく異なるのはチケット譲渡は定価、転売行為は定価以上で取引を行っている点だ。

チケット譲渡は、「チケットを無駄にしたくない方」と「どうしてもライブに行きたい方」の利害が一致して初めて成立する。
要するに、親切な行為だ。
どちらか一方が損をすることはなく、Win-Winの関係で終わる。
まさに理想の行為といえるだろう。

一方転売行為は利害一致こそ共通しているが、得をするのはチケットを仕入れる転売屋だけ。
チケットを入手することはできるものの、価格は定価以上。
場合によっては倍以上になっていることもある。
仕入れたチケットを高値で転売し、自分の利益にする。

最低な行為であることは言うまでもない。

ミュージシャンからも苦言

チケットの高額転売行為はミュージシャン側からも批判の声が上がっている。

indigo la Endのボーカル、川谷絵音は昨年東京国際フォーラムで行われたワンマンライブでファンクラブ限定で発売されていた自身の弾き語りコンサートのチケットが75000円で取引されていたと報告。
このチケットを取り扱ったチケットキャンプを痛烈に批判し、「あのサイト潰そうぜ」と明言するほど怒りを露わにしている。

先日Мステに出演したRADWIMPSのボーカル、野田洋次郎も昨年行われた胎盤ツアー(コノツアーにはSpitzをはじめONE OK ROCK、いきものがかり、米津玄師と豪華な面々がゲストアーティストとして参加していた)の初日、ZEEP Tokyo公演で転売屋に苦言。
人気急上昇中のロックバンド、ヤバイTシャツ屋さんも自身のツイッターで自身のワンマンライブの定価の10倍以上で転売されていることを目撃し、自虐ネタを交えながらも転売行為を皮肉っている。

最近ではUVERworldのボーカル、TAKUYA∞が直接転売屋に怒りをぶつけるエピソードも有名だが、アーティスト側から見たら自身のライブのチケットが転売屋の餌食となることには我慢できないのだろう。
経済的には問題ないように見えるが、アーティスト側からすると大問題である。

出典 http://pbs.twimg.com

話題となったヤバTの転売に対するツイート
なにもそこまで自虐しなくても・・・

なぜ問題視されるのか

チケットの転売が問題される最大の要因は、本当に行きたい方が行けなくなる点にある。チケットを高値で売りさばく転売屋は、純粋なファンの想いを踏みちぎるのである。

スピッツ、サザンオールスターズといった国民的バンドはチケット競争倍率が類を見ないほど高い。
そんなミュージシャンのライブほど、転売屋は高値で売り払おうと画策する。
その結果、本当に見たいファンの元にチケットは行き渡りにくくなり、涙を呑むケースを生んでしまうのだ。

この問題に対しある経済学者は、オークション形式にすれば本来見たいファンが来れるようになると提案した。
しかし、打首獄門同好会の会長こと大澤敦史は「頑張って小遣いを貯めた学生がライブに来れなくなる」と一蹴したように、根本的な問題の解決には全くなっていない。

新たな動き

そんなんなか先日新たな動きがあった。
多くの音楽団体と国内アーティスト、並びに多くの音楽イベントが「チケット高額転売取引問題の防止」を求める共同声明を発表したのである。

賛同アーティストにはMr.Children、THE YELLOW MONKEY、B'zをといった名だたるアーティストに加え、多くのジャニーズグループ、GRANRODEO、更にはあの「ラブライブ!」までもが含まれている。
このように若手アーティストから大御所まで声を上げたことが、事態の深刻さを物語っている。

これらの動きに加え、抜き打ちでIDチェックを行うバンド(SiM)、定価トレードシステムの導入(UVERworldやMAN WITH A MISSON)、ファンクラブ限定イベントで本人確認が厳格化するなど新たな動きが広がっている。

出典 http://ord.yahoo.co.jp

話題となった共同声明。
音楽ナタリーをはじめRO69などの音楽情報サイトでも一斉に公開され、騒然となった。

私たちに出来ること

しかしながら、チケット高額転売を撲滅させるには私たちの協力が不可欠だ。
具体的には、高額で転売されたチケットを購入してはならない。
残念ながらこの声明が発表された直後も高額転売が行われているのが現状である。

高額転売を止めるには、営利目的で転売されたチケットを買わないことが重要である。
高額チケットに手を出す方がいる限り、高額転売は成立してしまう。
そのため、転売チケットに手を出してはならない。
取引の成立が困難になれば、営利目的でチケットを販売する業者は1つずつ減っていく。
その結果、本当にライブに行きたい方にチケットが行き渡るようになるだろう。

ライブのチケットは、本当にライブが見たい方が手にするべきであり、転売屋の商売道具ではない。
今回の共同声明は、チケット高額転売を止める第一歩である。
この声明をきっかけに高額転売撲滅へ近づくことを切に願う。

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