バキッ

「あっ・・・」

振り返ると、旦那氏が唖然としていた。

「な・・なに??」
「鍵が・・・・」

キャリーバッグの鍵を見て呆然としている旦那氏。
よく見てみると、鍵がぽっきり折れてしまっている。
それも見事なまでにちょうどすっぽりはまったところで。
引っ張るところがまったくないくらいきれーーいにめりこんでいる。

ここはリスボン国際空港。
お昼過ぎ。
ドバイでの5時間以上のトランジットを含め、1日がかりで日本からやってきた。
飛行機でよく寝てきたとはいえ、機内食のたびに起こされ、頭は半ば朦朧としている。
さらに到着後は、入国審査の行列を見て軽い立ちくらみ。
すいすい進んでたいした列もないEU域内用の入国審査を見て、「あぁーー日本もEUに入れてくれないかな・・イギリスの代わりに」と、世界史教師として完全にあるまじき感情に襲われたのは、その朦朧のせいということにしておこうっと。

(毎回機内食が出される度に思うのだけど・・トイレ以外動かずただ寝たり映画観たりして、定期的に出される食事。なんか家畜にでもなった気分になるww)

さてリスボン。
日本人にとってはあまりというか完全にメジャーじゃないと思われるが、ポルトガルの首都である。
世界史教師としては、大航海時代のさきがけをつくり、世界史においてある意味アジアとヨーロッパの力を大逆転させやがりました国であるポルトガルは、ぜひとも自分の目でみたい国だった。
この小さな国が、一瞬とはいえ、完全に世界の頂点に立ったときがあったのだ。

これまで、ヨーロッパ方面では、ドイツ→トルコ→マルタに行っていて、ポルトガルは4カ国目。
ドイツは学部・大学院での研究テーマがゲーテだったこともあって行ったので、純粋な旅行としては3カ国目ということになる。
(どうしてもド直球ヨーロッパよりもイスラームとの接点のあるところに行きたくなってしまうーのと、旦那氏も自分も一カ国をじっくり見てまわりたいタイプだから、「そこ」にしか行かないんだよね)

ポルトガルに行くにあたり、3冊のガイドブックなどを用意した。
うち2冊は、おなじみ『地球の歩き方』『るるぶ』。
それと、『レトロな旅時間 ポルトガルへ』
そのなかには、とにかく空港にいる悪質なタクシー運転手についての記述がある。

●優良運転手・・・10ユーロ
●インフォメーションセンターでバウチャー購入・・・20ユーロ
●ボッタクリ・・・?ユーロ?
(あ、ボッタクリという部分は当然私による付け足し)

私がよく参考にしたその『レトロな旅時間 ポルトガルへ』という旅のヒントbook。
そこに、

「私は到着ロビーの上の階(到着ロビー)に上がり、出発ロビーの外にあるタクシースタンドに停まっているタクシーを利用しています。地元客の利用が多く、悪質な運転手が少ないといわれています」

という記載が。

これだ!!ということで、到着ロビーの上の階に行ってみた・・が!
上の階は上の階であって、出発ロビーはどうみても地上じゃない。
ここは空中。
タクシースタンド・・・・?
????というときに、旦那氏が、手荷物をキャリーバッグに収めたいということで、荷物をしまったとき、文頭の事件が起こったのだった。

一筋縄ではいかぬ旅のはじまりはじまり・・という思いが頭を巡りまくるのでした。


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大学・大学院でゲーテの著作をもとに人間と「演じること」の関係性を研究後、医学系出版社→教育系会社を経たのち、高校で世界史を教え始めて5年目。
高校生向けの授業だけでなく、社会人向け世界史講座もたまーに開講したり・・
私たちは現在を生きてるわけだから、「現在」が当然一番大事!!を重視しつつ、その繋がりを世界史に求める、というスタンスでニュース解説などをしています。

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