私の知り合いの妙子の話しである。

妙子は50歳。バツ2で3回目の結婚を45歳の時にした。しかしその結婚生活もわずか2年で別居となり、離婚はかろうじてしていない。

妙子は昔から、ダメ男に惚れやすかった。無職、暗い、友達がいない、金がない、こんな男性ばかり好きになった。

妙子が47歳、夫と別居してすぐに、出会い系サイトで55歳の男性と知り合った。男性は、離婚したばかりで、アパートで一人暮らしを始めたばかりだった。

離婚してさみしい、生きる気力もない、俺は生きている価値もない、という男に、妙子は献身的に尽くし、励ました。
男は、そんな甘やかしてくれる妙子がいるからと、急に仕事を辞めてしまった。それからアパートの家賃から生活費すべて、妙子に甘えるようになった。
妙子は妙子でそれを幸せに感じて、パートのお金はすべてこの男に貢ぎ、足りない分はカードローンで賄った。
当然、そんな生活は長くは続かない。
妙子は、借金が300万円を超えてしまった。ようやく、妙子は目が覚めた。

「私の借金がすごいから働いてほしい」と妙子が言うと、
「うん、わかってる」
とだけ返事をして、男は仕事を探す様子もない。
妙子とのケンカが増え、ついに妙子は男のアパートに行くのをやめた。男が必死に送ってくるメールや電話も無視した。メールに関しては、開かないようにした。お金がなくて食べて行かれないだろうけど、妙子は連絡をしなかった。

男からは1ヶ月後にはメールも電話も来なくなった。
妙子は、自分が助けなければ、働くだろうと思っていたのだ。
そして、3ヶ月経って、妙子は男から来ていたメールに目を通していった。

「俺、仕事探し始めたから」
「ようやく20社目で面接してもらえる」
など、妙子へのお詫びもたくさん書かれていた。

妙子は、男に電話をした。

この番号は使われていません、

だった。メールも、返ってきてしまう。

妙子は、すぐに男のアパートに向かった。すると、男の住んでいた部屋は空室になっていて、中はガランとしていた。

妙子は、男が別れた奥さんのところに帰ったのだとピンときた。この借金を背負わされて黙っていられない、と、妙子はアパートを管理している不動産屋を訪れた。

「◯◯さんがどこに引っ越したか教えてもらえませんか?」と、妙子はお願いした。
すると不動産屋が、「◯◯さんの身内の方?」と言い、
「いえ、◯◯さんにお金を貸しているので」と妙子が答えると、
「こちらも家賃滞納されたまま死なれて大迷惑しているんですよ」と不動産屋が言った。

え?死んだ?いつ?なんで?妙子は狼狽えた。

不動産屋が言うには、男は仕事の面接があり、面接を受けるために訪れたその会社の玄関で、心筋梗塞を起こして倒れてそのまま亡くなった、とのことだった。
別れた奥さんや息子は、遺体の引き取りを拒否、身内が他にいなかったために、警察ですべて対応したらしい。

妙子は泣き叫んだ。

男から来た最後のメールには、
「俺、一所懸命働く。そして俺のせいでできた妙子の借金を返したら、俺と結婚してくれますか?」
と書かれていた。

男は最後のメールを送って、面接を受けることなく急死していたのだった。

妙子は残された借金に苦しみ、男が残した最後の言葉を何度も何度も読み返し、また、出会い系サイトで知り合ったダメ男と付き合い始めた。

彼女は一体、何にそんなに枯渇しているのだろうか。

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神道、仏教、聖書、なんでもミックスして独自解釈で精神世界を読み解くのが大好きです!好奇心はアドレナリン異常なぐらい旺盛(*^o^*)
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