100円回転寿司の王者「スシロー」。

長年トップの座を譲らず、いまなお絶好調を維持し続けている。現在、過去最高の営業利益を弾き出している。

100円回転寿司と言えば、「スシロー」「くら寿司」「はま寿司」「かっぱ寿司」が4強で、日々熾烈な戦いを繰り広げている。

「スシロー」はネタの良さが売りで、“原価率50%”として話題になったこともある。それくらいネタにこだわり、消費者に支持されてきた。

ところが、最近の「スシロー」には、“違和感”“変な空気”を感じる。以前ほどのワクワク感、満足感がないのである。

その理由がわからなかったので、答えを求め、他の3社を観察してみた。

まずは「くら寿司」。数年前はネタのレベルの低さが際立っていたが、いまは良くなっている。

そこに、次々とユニークな仕掛けを作り、“楽しいファミレス”化を図っている。

「すしやのシャリカレー」「すしやのシャリカレーうどん」「すしやのシャリカレーパン」「シャリコーラ」など、若い層が喜びそうなメニューを繰り出し、常に注目を集めている。

「はま寿司」は、ネタの種類が豊富である。しかも、珍しいネタを投入してくる。

珍しさは、高い集客力となる。しかも、平日は90円(税抜き)なので、足を運びやすい。いま、次々と店舗数を拡大し、快進撃を続けている。

「かっぱ寿司」は、親会社が代わり、未知数の部分も多い。

だが、経営ノウハウを蓄積している「コロワイド」なので、恐い存在となるだろう。何を仕掛けてくるのかが、楽しみでもある。

以上のように、3社の動向を読み解くと、首位「スシロー」は安穏とはしていられない。

最近では、「まるごと食べるメロンソーダ」や「すしドッグ」など、話題づくりでは成功しているものの、他社と比べて、インパクトはない。

ネタの良さはいまだ健在ではあるが、他社より種類が少ない。これは、リピーターにとっては残念なことである。ネタに関して、冒険をしていないのである。

単価の高い「吟味ネタ」やそれ以上の価格のものに関しては、あれこれ出してはくるが、客は「スシロー」にそれを求めてはいない。

“108円で何ができるのか”が、他社との競争ポイントなのである。

寿司屋にとって、ネタの良さは最大のアピール力なのだが、他社がネタで追いついてきているいま、プラスαの何かが必要なのである。

残念ながら、いまの「スシロー」にはそれがない。

また、巨大化した故の問題も起きている。

店舗のオペレーションレベルが、かなり下がっている。客の多い時間帯なのに、レーンに寿司が流れず、パネルで注文しても待たされる。

エリアマネジャーの目が行き届いていないということ。加えて、従業員の研修ができていないということ。

数店舗をまわって確認したので、限定的なこととは言えない。これで、客は離れていく。

下からの追い上げは激しい。“王者”にあぐらをかいていては、すぐに首位から陥落する。その日は、もう近いのかもしれない。

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佐藤きよあき このユーザーの他の記事を見る

1961年兵庫県生まれ。神戸学院大学法学部中退。1981年、広告デザイン会社にコピーライターとして勤務。93年、プランナー・コピーライターとして、フリーランスに。仕事を継続したまま、96年、木のおもちゃ制作を開始。ネット販売に着手。その後、「販売の現場」を知るために、5年間スーパーに勤務。これにより、「メーカー」「販売現場」「広告・販促」のすべてを経験。この経験を生かし、2003年より、中小企業・個人商店向けメールマガジン「繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座」を発行。関連する情報販売、コンサルティングを開始。メールマガジン他、ブログ9本「Marketing Eye」「ビジネス界隈・気づきの視線」「企画する脳細胞・ビジネスの視点」「まちづくり・村おこしの教科書」「行列のできる『MENU』の創り方」「中高年のための新規開業サポート」「独立・起業の成功法則」「販促の知恵袋」「スキルアップでビジネスぶっちぎり!」を執筆中。現在、繁盛戦略コンサルタントおよび中小企業経営研究会のビジネス・カウンセラーとして活動。著書に「0円からできる売れるお店の作り方(彩図社)」がある。

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