学校で習った活字体と筆記体

Licensed by gettyimages ®

日本では、学校の英語の授業で活字体と筆記体の両方を習った人がほとんどでしょう。筆者も遥か昔の出来事ですが、二つのタイプの英語を書く練習を一生懸命した記憶があります。

筆記体

Licensed by gettyimages ®

活字体(ブロック体)

Licensed by gettyimages ®

マス目になっている書類などには、基本、活字体(ブロック体)で書くのが一般的ですが、自分が文章を書く時に、筆記体を書いてはいけないという決まりはありません。無理やり欠点を挙げるなら、活字体の方が読みやすいというだけ。

イギリスの場合、英語は当然母国語なので日本のような学習方法で英語を取得しているわけではありません。スペルや文法をきっちり覚えなければならなかった日本人と違って、大人になっても発音はできるけどスペルがわからないという人は結構います。(日本人の「漢字は読めるけど書けない」といった感覚でしょうか)

子供の頃に習得した書き方が習慣となり、全ての文字を大文字で書く人もいればその逆も然り。人の名前でも地名でも、頭文字を小文字でしか書かない人もいます。「とにかく読めればいい」という大雑把さがあるために、日本人からすると「そんなのでいいの⁉」と驚くこともありますが、まぁそれもその人の個性と受け取ればいいのかも知れません。

現在、筆者の息子は小学校に通っていますが、ちょうどアルファベットを学んでいるところ。時々、名前の真ん中に大文字を持ってきたりするので訂正はしていますが、息子の学校では、やはり筆記体も活字体も教えているようです。そして先生から指示を受けない限りはどちらを使ってもいい様子。

ところが、米カンザス州に住むアリッサちゃん(7歳)は、担任の先生からこんな注意を受けてしまいました。

「何度も注意していますが、筆記体で書くのは止めなさい」

出典 https://www.facebook.com

宿題のプリントの名前を、筆記体で書いたアリッサちゃん。するとその横に赤文字で「筆記体で書くのは止めなさい。何度も注意をされているでしょう」という先生のメッセージが。

アリッサちゃんの母ブレンダ・ハッチャーさんは、アリッサちゃんに家で筆記体で書く練習をさせていました。それが、こんな問題になるとは思ってもいなかったでしょう。と、同時にブレンダさんは怒りを覚えました。

どういう哲学で、この先生が「筆記体を止めなさい」というのかはわかりませんが、これをFacebookに投稿するとたちまちこの担任に対しての批判が寄せられ、シェア数はなんと92万以上にも上りました。

筆記体を習得するのことは大切なこと

出典 https://www.facebook.com

筆者の周りのイギリス人はブロック体で文字を書く人が多いのですが、筆記体を学ぶことは大切だといわれています。子供に2タイプの文字を見せて教えることで脳の働きに影響があるとされ、筆記体を習得した子供はそうでない子供よりも脳の活性化が活発になり、言葉や発想が豊かになるとも言われています。

また、研究結果では筆記体を習得している子供は読み書きが優れているということも明らかに。そして、言語能力に障がいがあり読み書きが十分にできない子供たちにとっては、実は活字体よりも筆記体の方が頭に入りやすいとされているのです。

これらの理由から、筆記体を止めなければならない理由は全くないとされているにも関わらず、アリッサちゃんの担任は、わざわざ子供が傷つくようなやり方で(しかも赤ペンで)不適切な指導をしたのです。母親のブレンダさんが怒るのも無理ありません。

ブレンダさんのFacebookアカウントには「どうしても何かにつけて文句を言いたい教師っているのね」「バカバカしい。単なる意地悪にしか感じないわ」「筆記体は身につけるべき」「綺麗に文字を綴ることは大切だけど筆記体がダメっていう理由がわからない」「この教師、教育が必要ね」といった声が寄せられています。

教師であるからには、子供の個性を理解し、それをいい方向へ伸ばしてあげることが大切ではないのでしょうか。アリッサちゃんは、自宅でお母さんから筆記体を学んでいました。それを全否定されるようなコメントをされては、子供心ながらにも傷つくでしょう。

もし「筆記体で書いてはいけない」という理由があるならば、このように宿題のプリントに注意書きをせずに、アリッサちゃんと話をすることが必要だったのではないでしょうか。

わかりやすいことが第一の条件ではあるが…

Licensed by gettyimages ®

日本語でもそうですが、英語も同じ。わかりやすく文字を書くことが第一の条件です。でも、筆記体を習得することはスキルとなり利点もあります。それを教師は知っているべきであって、「今、ちょうど学びの段階」にある大事な時期の生徒にこうした言い方で注意をするのは決して褒められるべきことではありません。

子供は繊細ですから、ちょっとしたことも記憶の片隅に残っていくことがあります。アリッサちゃんがこのことがきっかけとなって、文字だけでなく何かを学ぶということに消極的にならないことを願う筆者です。

この記事を書いたユーザー

Mayo このユーザーの他の記事を見る

公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

得意ジャンル
  • 話題
  • 社会問題
  • 動物
  • 海外旅行
  • 育児
  • テレビ
  • カルチャー
  • 美容、健康
  • ファッション
  • 感動
  • コラム
  • おもしろ

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス