さて、いろいろ物議を醸した自民党の憲法草案。改憲するにしろ、この草案をそっくり使うわけではなく、あくまでたたき台として、いろいろ議論を通して改憲する、
自民党はこのような方針のようです。
実際、衆参両院で自民党単独で2/3をとったわけではありませんし、
また、与党が2/3だから憲法じゃあかえましょう、これもやはりある程度野党の合意を形成しないと難しいと思われます。わが国が立憲制になってから憲法改正したのは、
大日本帝国憲法から日本国憲法になった1回だけ。
長年言われてきた「知る権利」や「環境権」も盛り込むこともなく、
改憲はいわばタブー視までされていました。
憲法の理解を深めるという意味、また国民主権という立場から
一部の有識者の意見だけにまかせず、国民全体で考えていくため、
改憲という機会は有効に活用したい、そこで、たたき台の自民憲法草案なにがいけなかったのかということも考えていく必要があるのではないのでしょうか。

一番マズいと思われる、天賦人権説への無理解

自民の憲法草案で一番マズかったのは天賦人権説の否定、
とはいっても、これは人権そのもののを否定しているわけではなく、
天賦という考え方が西洋的な価値観であって、日本独自の人権のあり方を盛り込もう、
自民党憲法草案はこういいたかったようです。
確かに天賦人権説というのはキリスト教と切っても切り離せないもの
なにしろキリスト教の文化圏で生まれたものだから当然です、
しかし一方で日本独自の人権という考え方、これっていったいなんなんだろう、
結局、自民党憲法草案に書かれているには、
自民党の考えた人権、ということに他ならず、
この日本独自の人権という考え方があやふやな以上、
ともすればやはり人権自体を否定しているといわれても仕方が無いとも思います。
「天賦人権説」=人権 なのであり、これを否定するのはやはり問題が多いと思われます。

日本独自の人権、これにもっとも近いはやっぱり福沢諭吉?

自民党は日本人によって作られた独自の憲法、ということに非常にこだわっています。
どうしても日本独自の人権、ということにこだわるのならば、
ぜひ参考にするべき日本の思想家がいます。なぜ参考にすべきというと、
先ほど触れたように、それは自民党の考えた人権ということになってしましますから。
さて、その思想家とは誰だ、そうあの福沢諭吉であります。

「学問のすすめ」にも書かれていますが、あの本の冒頭、
天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず、
と書いてはありますが、あの本はこの天賦人権説についての考察ではなく、
実際はそうなるのは難しいから、学問というものは非常に重要、
旧態依然の江戸時代の学問ではなく、
特に実学に力を入れ平等な社会を目指していくべきという内容です。
自民党はこれを基本的な考え方にしていくべきでないか、と思われます。

福沢諭吉の人権感への疑問

と、書いたものの、私自身は、天賦人権説とは何かをよく考え、
やはり憲法はこの考え方を基本とすべきと考えています。
福沢諭吉とういう人物は非常にリアリストであり、
神から与えられた人権という考え方はいわばオカルト、
だからこそ勉強ということで、平等ということを目指そう、
ということを書きました。

しかしどうだろう?天賦人権説というものは人間はどうあるべきか、
ではなく本来はどういう存在だったのか、

人間という存在が生まれたときは、そもそもは平等だったのだけれども
人間社会がすすむうち不平等を作り出していった、という考えでありまして、

神が人権を与えたというのはいわば方便であり、
この人間社会が不平等を作りだしていった、というところが一番の問題なのです。
ゆえに政府は不平等を作りださないようにする、
これが近代民主主義国家の憲法の根本的な考え方でして、
やはりこの根幹を崩すというのはいかがなものか、
平等を目指す、のではなく不平等を作らないようにする、
これに注力すべきではないかと思われます。

人権に関する基本の法律は崩すな。現実的な問題は各々の法で対処すべき

しかし現実に平等といってもそれは難しいことでありまして、
また現在の日本国憲法でも一部人権が制限されている存在があります。
すなわち天皇、公務員、国会議員です。
いうなれば自民党の憲法草案はこれを国民にも少し広げる、
義務を守った上での権利という
ことにこだわっているようにも見受けられるます。

ただ、いいたいこもわかるのです、それは現実的な問題です、
やはりどうにもそうはいかない時もある、ゆえに、
日本国憲法でも天皇、公務員、国会議員の人権を一部制限している、
しかし、だ、これをわざわざ国民に広げる必要はあるのか、
現在でもやや日本国憲法の精神と外れる法律というのは存在しています。

これを憲法において国民の人権を少しだけでも制限を加えるとどうなるか、
各々の法は想定しているよりも不平等に傾いてしまいます。
やはり、人権に関する根幹は崩さず、他の条項や前文を
現代社会とマッチしたものに改めていくべきではないかと思われます。


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