老兵は死なず、ただ消え去るのみ?

戦後71年となり、若い私たちにも戦争の真相が紹介される番組も増えました。
そんな番組を見る際、きっと必ず耳に入る

Old soldiers never die, but fade away.
(老兵は死なず、ただ消え去るのみ)

という、マッカーサー退官の際の有名な名言があると思います。

まずこの言葉は、マッカーサーのオリジナルの言葉ではないことは、
結構知られています。
マッカーサー自身が退任される際に「ある軍歌から」とちゃんと発言しているのです。

元はイギリスの軍歌ではないかと言われています。
その流行りの軍歌のサビだったんですね。
スコットランドの貴族の家柄のマッカーサーには印象深い歌だったのか、
それとも軍人たちを鼓舞する歌だったのか、私には未だわかりません。

そんな軍歌からの引用がなぜこれほどまでに「名言」と評価されてきたのか。
それにはマッカーサーの深い想いが込められていたからなのです。

日本語訳では「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」と訳されてしまいますが、
拙い英語能力で私が読み解くと「老兵は死ぬことはない、ただ見えない存在になる」
といった意味で考えてしまうのです。

ただ消え去ってしまったら、マッカーサーの責任感を感じられない台詞になってしまうでしょう。
しかし、私たち日本人の信じる魂というものは「見えない存在」に当てはまるのでは――。

マッカーサーは最高司令官も経て、様々な苦難、苦行、時に悪行も経て、
そしてようやく退任のときに、この歌詞を引用したのです。

軍人であったマッカーサーのあらゆる逸話を皆さんはご存知ではないでしょうか?
その苦しみも、恐ろしい程の教育も、テレビで雑誌でネットで、様々な伝達方法で、
伝え続けられています。

しかし、そのマッカーサーの覚悟を、悲しみを伝えてくれたのは、
ほかならぬマッカーサー自身だったのです。

彼の台詞にはこんな裏の意味があったのではないでしょうか。

「私は軍歴をここで終える。しかし、私が軍人であったことは変わらない。
 私がなし得た事実も、私が起こした悲劇も、消えることはない。
 老兵(私)は責任を放って死にはしない。
 私の存在は、あなたたちに見えなくなった未来にも死ぬことはできない。」

といった、悲しい、けれども美しい覚悟を感じられる台詞にも思えるのです。

そして、この歌詞には実は続きがあり
「若い兵は死んでいく」といった意味だそうです。
それは、若い兵は罪を業を背負って、死んだのちまで責められる必要はない。
死んでしまった部下たちを守る台詞にも聞こえてしまうのです。

あなたのご先祖さまが言っていてもおかしくない、強い覚悟の台詞とも捉えられるのです。
「私はここでいなくなるけれど、あんたを守り続けるからね。
 あんたが道をそれようものなら、いつだって止めてやるからね。
 私はいつも、あんたを見守ってるよ。」と言ったような――。

私の祖母はこんな典型的な口調ではありませんでしたが、
マッカーサーがメディアへ別れを告げたとき、
彼はずっと未来の私たちへのメッセージも語って去っていったのです。

この記事を書いたユーザー

不可思議堂 ちぃ このユーザーの他の記事を見る

占い「不可思議堂」を営む車椅子障がい者です。
思い思いな記事を書くかと思いますが、気楽に読んでいただけたら幸いです。

得意ジャンル
  • 動物
  • 料理
  • 暮らし
  • カルチャー
  • コラム
  • おもしろ

権利侵害申告はこちら