平成28年7月31日に行われた東京都知事選は小池百合子氏の圧勝で終わりました。
結果的には落ち着くところに落ち着いたという選挙でしたが、
なにかと”劇場型”の選挙になりがちの東京知事選。この根本的な原因を探っていきたいと思います。


先進国でも”知事選挙”というのは、実はあたりまえのものではない

地域の有権者が直接投票で候補者を選ぶ、我々が当たり前と思っている”知事選挙”
民主主義国家では当然行われているものとおもわれがちですが、
実は必ずしも直接投票で選ばれるというわけではないのです。
日本でも戦前は中央政府が各道府県の知事を任命するという形をとっていましたが、
ヨーロッパの国は現在でも直接投票で知事をえばらない国があるのです。

まず、フランス。フランスの地方行政制度は日本に比べ非常に複雑のため、
細かい説明は省略しますが、とりあえず、首都のパリ市長、
これが東京都知事に相当すると考えてください。
しかし、このパリ市長、実は直接投票では選ばれず、パリ市議会議員の中から選ばれる、
つまり日本の首相と同じような形で選出されます。
フランスは中央集権の色合いが濃い国だから、という面もあるのですが、
地方分権が確立しているお隣ドイツの州知事も、やはりこのパリ市長選挙と
同じような形式で選ばれています。これはかつてのナチスの台頭による反省から、
直接投票を嫌ったためとされています。このように民主主義国家の代表的な国でも
知事選挙というのは当たり前のものではないのです。

都知事選挙とそっくり!?ロンドン市長選挙

同じヨーロッパで東京都知事選挙と同じような形態で行われる有名な都市があります。
それはイギリスの首都ロンドン。
ロンドン市長選挙とは、これは日本の「都」に相当する〝グレーターロンドン”の
首長を決める選挙なのですが、これは日本の知事選挙と同じように、住民による
直接投票で選ばれます。イギリス政府の地方分権推進政策により
2000年からはじまったものですが、これがこれが東京都知事選と
そっくりの様相をみせます。
第一回目の選挙は、当時与党だった、労働党の分裂選挙で幕を開けます。
当選したのは労働党の公認を得られず、それでも強行出馬した
たびたび発言が物議を醸す、ケン・リヴィングストン氏が当選。
そして3回目のロンドン市長選挙には説明不要でしょう。
あのポリス・ジョンソン氏が登場します。
大都市圏における首長選挙というものはどうしても、
波乱含みの展開になってしまうようです。

アメリカは知事選挙も二大政党制

では、知事選の歴史の長いアメリカはどうでしょう?
アマリカの知事選挙は大統領選挙同様、二大政党制に基づいた選挙で
民主、共和党の予備選を経て、実質この二党の争いで行われる選挙がほとんどのようです。意外に不自由な感じもありますが、州という日本の県よりずっと権限が
多い地方自治体の選挙ですから、選択を間違えられないという意図があるようですね。

実はものすごく自由だった日本の都知事選

先ほど触れたロンドン市長選挙も2000年からはじまったもの。それまではイギリスはこのような形での選挙は行われていませんでした。
民主主義ではないとか、なにかとリベラル派からいわれがちな日本ですが
実はかなり民主的な方法で知事選挙というのが行われてるのかわかります。
供託金の問題も指摘されますが、
実はロンドン市長選挙でも供託金はもうけられていて
その額1万ポンド、5%以下の得票で没収となります。
日本より低い額ですが私としては、この供託金というの
都が支払う選挙費用を抑えるやむをえない措置でありますので、
大きな自治体の首長選挙に関してはやむをえないものかと思います。

選挙制度は簡単には変えられない。各政党がすべきこと。

このように直接投票による首長をえらぶ選挙というのは、
有権者の意識などといわれますが、どうしても荒れてしまうものなのです。
ではもう少し選挙制度を見直すべきでは、ということになりますが、
選挙方法というのはそう簡単に変えられるものではありません。
やはり、各政党があわてて候補者を選ぶのではなく、予備選挙などを実施し、
政策重視の選挙にしていかなければならない、有権者の責任ともいわれますが、
なんのために党というのが存在するのか、これを改めて考えてほしいものです。


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