子供を捨てる親がいるという現実

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日本にも存在している「赤ちゃんポスト」。2006年に熊本県の慈恵病院が「こうのとりゆりかご」という赤ちゃんの保護のための救済所を設置しました。様々な事情で赤ちゃんを産んでも育てていくことができない人達の代わりに、ここで赤ちゃんの保護をし、ケアをしていくのです。

ゆくゆくは養子縁組に

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日本の場合、海外と事情が少し違うようです。この赤ちゃんポストに赤ちゃんを預けたい場合は、必ずスタッフと話をしなければいけません。その理由は事件性があるかどうかを確認するためです。

事件性がなければ預かることができる

日本では、あかちゃんの置き去りに事件性が少しでも疑われるようなら、病院から警察と児童相談所に通報するというシステムになっています。預かった赤ちゃんは、スタッフの手により保護され、ゆくゆくは子供を希望する家族との養子縁組が行われます。

アメリカの法律では「3日以内の放置は免責」

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アメリカではこの「赤ちゃんポスト」は州によって名が異なり、「Baby Safe Haven Law」や「Infant Safe Haven Law」などと言われています。「Safe Haven」とは安全な場所、避難所という意味であり、どの州においても赤ちゃんの保護を目的としています。

「生後3日」以内であれば、法で定められた場所(病院と消防署)や方法で子供を捨てた場合は、事情を聞かれることなく免責となります。免責になってもその対処法は各州によって異なってくるそう。

今から12年前に、コロラド州で一人の赤ちゃんが捨てられた

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コロラド州のある消防署に、12年前、生まれたばかりの赤ちゃんを連れたカップルが訪れました。対応したのは救急隊員のドゥエインさんとトムさん。彼らはカップルが何も言わずに赤ちゃん抱えている姿を見て、何か事情があるのだと察知。

「赤ちゃんを見たけど、どこも具合が悪いようには思えなかったんだ。トムと目を合わせて『これは何かあるな』と思ったら、母親らしい女性が我々にその赤ちゃんを差し出したんだ。そしてそのまま去って行ったんだよ。」

長年子宝に恵まれなかったバーク夫妻

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その頃、不妊に悩んでいる一組の夫婦がいました。バーク夫妻は長年子供を望んでいたのですが、なかなか恵まれませんでした。養子縁組をする手続きさえもスムーズには進んでいなかったそうです。

そしてある日、バーク夫妻は友人から一本の電話をもらいます。「ええっ⁉消防署に赤ちゃんが置き去りにされたの⁉」事情を聞いて驚いた夫婦。でも、この電話が夫妻の運命を変えるきっかけとなったのです。

「この子は、私たちの娘になるわ」

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捨てられていた赤ちゃんに会うことができたバーク夫妻。「赤ちゃんはとっても小さかったんですが、大きな茶色の目がとっても綺麗でした。」一目見た瞬間「この子は、私たちの娘になるわ」と直感したという妻のジュリーさん。

そして赤ちゃんはバーク夫妻の娘になった

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「ハル」と名付けられた赤ちゃんはバーク夫妻と養子縁組をして娘となりました。現在、12歳に成長したハルちゃんは、その後、バーク夫妻が後に2回の養子縁組で得た2人の子供のきょうだいとして家族5人で幸せに暮らしています。

生みの母親に対してハルちゃんが放った言葉は…

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今、ハルちゃんは自分がどこから来たか、どんな人たちに救われたか事情を知っています。若干12歳という年齢でありながら、ハルちゃんはメディアのインタビューでこのような発言をしました。

「世の中にいる多くの女性は、赤ちゃんを産んで育てていくことを恐れている人もいます。そんな女性は、なんらかの決断をしなければいけないというのは理解できます。私の生みの親は、その決断に何の間違いもなかったと思っています。」

今ある幸せは、「Tummy Mommy(タミーマミー・生みの母)の選択のおかげ」「本当に、本当に、いい選択をしてくれた」と生みの母に対して気持ちを述べたハルちゃん。バーク夫妻にこれまで愛情いっぱいに育てられてきたことに、心から幸せを感じているからこその発言でしょう。

ハルちゃんのように生みの親にどこかで捨てられた赤ちゃんが、愛情あふれる一家に引き取られ、幸せになることを願わずにはいられません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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