ホリデーでどこかへ出かけるというのは、たいていの人をワクワクさせるもの。でも、自閉症の人にとっては、家族とのホリデーは不安になったり神経質になったりしやすく、滞在先でも思ったような対応をしてもらえないことで、ホリデーを十分楽しめないということもあります。

そんな自閉症を患う人たちのためのホテルが、このほどイギリスで初めてオープンし話題になっています。

自閉症のスタッフが働く自閉症の人たちのためのホテル

出典 http://www.chroniclelive.co.uk

イギリスの北東部、ニューカッスルの近くにゲイツヘッド(Gateshead)という都市があります。そこに新しくオープンしたのが「The Vault」というホテル。St. Camillus Care Groupという自閉症や学習障がいを患う人たちをサポートする団体により設立されました。

アメリカには「自閉症を患う人にフレンドリーなホテル」というのが既に存在しているよ様子。自閉症を患う人でも採用の可能性もあるというホテルだそうですが、「自閉症の人のためだけに自閉症の従業員たちによって」オープンしたホテルというのは、イギリスにあるこの「The Vault」が初めて。

14年の経験豊富な管理者と学習障がいを持つ取締役により開設

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ホテルのヘルスケアや在宅管理に携わるのは、社会福祉サービスに14年携わってきたダレン・ウィルソンさん。そして自らも学習障がいを患う責任総括者であるジョン・ハーロンさんとのコンビによってこのホテルをオープンさせるという夢が叶いました。

「自閉症や学習障がいを持つ従業員を雇うということで、不安に思う方もいるかも知れません。でも、彼らには十分な研修が行われ、彼らが持つ隠れたユニークな才能を生かして接客業をしてもらうということで自信をつけて生きてほしい」と話すウィルソンさん。

「これまでになかった「特別な」ホテルということで、他のホテルには見られないような特徴溢れるおもてなしのサービスを心がけていきたい」と語るハーロンさん。また「ここで働いている従業員たちには、将来いろんな分野でそのスキルを活かすことができる仕事に就くことができれば」とも。

「お待ちしています!」

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現在、ホテルの部屋を増やすために大幅に改装中ということですが、秋には再オープンする予定。部屋には宿泊できなくとも、レストランは利用できるということで「自閉症や学習障がいを持つ方にどんどん来てほしい」とアピール。レストランではアメリカタイプのディナーが振る舞われるそう。

取締役のヘイロンさんは「18歳~25歳の自閉症や学習障がいを持つ人たちが、社会でキャリアを身に着けるチャンスを持つというのは非常に大きなことです。私たちは彼らが他の人と同じように、社会でプロとして生きて行けるようにサポートをしていきたいのです。」と語っています。

自閉症というのは個人によってその症状が異なるために、見た目では判断がつくにくいというケースが多々あります。学習障がいを患う人も同じく、社会でキャリアを積むには並々ならぬ努力が必要でしょう。でも、社会から努力できるチャンスを与えられないと、なかなか自立して生活するというのは困難なこと。

そういう人たちの強い味方になるのが、この「The Vault」のビジネス精神ではないでしょうか。客としてホテルを訪れる自閉症の人たちにとっても、気持ちを理解してもらえる従業員による心からのおもてなしを受けることで、心地よいホテル滞在ができることでしょう。

こういうホテルが世界中に増え、自閉症や学習障がいがある人たちが社会の中で隔たりを感じることなく生きていけるようになればいいなと思う筆者です。

*記事掲載と写真利用に関しては、ホテル側の許可を得ています。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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