知らない間に自分の子供が学校で苛められているケースは、きっとニュースで報道されるよりももっと多いのではと思われます。日本でも苛めの認知件数は、増加の一途を辿っているということで、まだまだ隠れた苛めが存在するというのが現状ではないでしょうか。

いじめを告白することは苛められている子供にとってとても勇気のあること。でもそんな子供たちの必死の訴えに、真摯にそして適切に対応する学校側がどれほど存在するでしょうか。

学校で苛めを受けていた13歳の少年が自殺

出典 https://www.youtube.com

このほど、米ニューヨーク州スタテンアイランドの「ホーリーエンジェルズ・カソリックアカデミー」に通っていたダニエル・フィッツパトリック君が、13年の生涯を自らの手によって閉じるという悲劇が起こりました。

ダニエル君の遺書がFacebookに公開された…

出典 https://www.youtube.com

ノートの2ページに渡ってびっしりと書かれたダニエル君の遺書が、今回お父さんのダニエルさんによってFacebookに公開されました。お父さんと同じ名前を持つダニエル君は、3人の子供の父であるダニエルさんの末っ子で普段からとっても可愛がられていたそうです。

「もう諦めた…先生たちは何もしてくれなかった」

出典 https://www.youtube.com

自宅で自らの命を絶つ前に書いたこのメッセージには、ダニエル君の苛めに対する悲痛な叫びが綴られています。「もう諦めた。だって先生たちは何もしてくれなかった。ずっと無視し続けていた」と学校側が苛めに対してまるで無関心であったことが記されてあり、愛する我が子の心の叫びを知った両親は、米メディアで「息子は死ぬべきじゃないんだ」と怒りと悲しみを露わにしました。

ダニエル君の両親は、テレビのインタビューで「教育機関の大人たちが、子供の助けを求める声に何もしないというのは許し難い。これでは、苛めを容認しているようなもの。」と心境を告白。

ダニエル君は夕方に、屋根裏部屋でベルトを首に巻き付け亡くなっていたそうです。それを見つけたのはダニエル君の17歳になるお姉さんでした。慌てて階下に助けを呼んだものの、ダニエル君は既に息を引き取っていました。

悲しみをこらえきれないダニエル君の家族

出典 https://www.youtube.com

ダニエル君は今年の9月からブルックリンにある別の高校に入学する予定だったと言います。父のダニエルさん(45歳)は、学校の校長から「息子さんはこの学校に向いていないのではないか」ということを聞かされていました。「成績が下がっているようです」と。でもその原因はダニエル君がクラスメートたちから受けていた苛めにあったのです。

ダニエル君自身から相談を受けていたにも関わらず、苛めの問題は無視して成績が下がったことだけを理由にダニエル君を転向させることで解決を図ろうとした学校側。ダニエル君は主に5人のクラスメートから激しい苛めを受けており、言葉だけでなく暴力も振るわれていた様子。そして成績が下がれば、またそれを原因に苛めるという繰り返し。更にはダニエル君の容姿に関しても「太っている」と苛めていたというのです。

両親によると、ダニエル君は年齢の割には少し子供っぽいところがあったそう。それは言い換えれば素直だったのでしょう。ところがクラスでは「変な奴」と浮いた存在になったしまったのです。そしてそれはエスカレートし、苛めという形になってダニエル君を苦しめていました。

また、体育の時間には、ダニエル君に不必要にボールをぶつけて攻撃するなどの苛めもあったと言われています。そして、担任教師がダニエル君を「だらしがない」と侮辱したりと、まるでクラスの生徒たちと教師までもが一緒になって息子を苛めていたとしか思えないと両親は語りました。

たった一人の先生が味方では不十分だった

Pinned from metro.co.uk

両親の話によると、たった一人の女性教師だけがダニエル君を励まし、サポートし続けていたそうですが、彼女一人の力では苛めを阻止することはできませんでした。ダニエル君の父ダニエルさんは、涙ながらにメディアを通して苛めをしていた子供の親に訴えました。

「息子を苛めていた子供たちの親へ言いたい。あなた達が、私たちが直面しているこのような悲劇を経験する必要がないことだけを祈ります。モンスターともいえる子供たちによって、私から、妻から、そして姉妹からもダニエルは奪われました。もうあの子が毎朝『父さん、おはよう!』という声を聞くことはないのです。そして私があの子に『愛してるよ』と顔を見て言うこともできないのです。」

「私たちは、愛する我が子に会いたくてしょうがありません。ただただ、あの子を恋しいんです。」涙を浮かべて心境を告白するダニエルさん。どんなに願っても、もう我が子の姿を見ることはできないという悲しみは、想像を絶するものがあるでしょう。

「我々はダニエル君の死に大変な悲しみを感じている」

出典 https://www.youtube.com

苛めにきちんと対応しようとしなかった学校側は、「ダニエル君の死を非常に悲しんでいる」という声明文を発表。そして今後の苛めの問題に真摯に対応していくと述べているそうですが、1人の貴重な命が奪われた後では、何をいっても「言い訳」にしかならないでしょう。

ダニエル君の死を悼んで、メモリアル碑を設置しようと家族が基金をサイト「GuFundMe」で募っています。現在、多くの人がダニエル君の死を悲しみ支援をしており、2日間で約2600人の人から10万ドル(約1千万円)以上もの寄付金が集められています。

多くの人がダニエル君のことをニュースで知り、また彼の死を悼み、このように寄付の支援をしてくれるのはもちろん家族にとって大変有難いこと。でも、やっぱり両親にとってもお姉さんたちにとっても、失ってしまった大切な家族への痛みはあまりにも大きく、ダニエル君に会いたいという気持ちが消えることはないでしょう。

苛めが表沙汰になるのは、どこの国でもほんの氷山の一角とも言われています。ダニエル君の死を悼むと共に、どうかこのような悲しい事件が少しでも減るような社会になってほしいと祈ってやみません。

この記事を書いたユーザー

Mayo このユーザーの他の記事を見る

公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

得意ジャンル
  • 話題
  • 社会問題
  • 動物
  • 海外旅行
  • 育児
  • テレビ
  • カルチャー
  • 美容、健康
  • ファッション
  • 感動
  • コラム
  • おもしろ

権利侵害申告はこちら