ある母親の我が子を思う気持ちから生まれたアイデアが、新生児治療室で辛い治療に耐える子ども達の安心に変わりました。

子ども達の心拍数や呼吸は安定し、これまで以上に穏やかに過ごせるようになったそのアイデアとは?病院で母親と離れていても近くに感じることのできる素敵なアイテムがベビーケアの現状を変えたのです。

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こちらの画像の女性は、ヤミール・ジャクソンさん。2001、年第一子誕生を楽しみに待ちわびていました。しかし、安定期に入った6ヶ月過ぎ妊娠高血圧腎症を発症。その症状はとても深刻なものでした。

母子の安全と健康を考え医師の判断により出産予定より12週も早い出産に踏み切りました。生まれた子どもの名前は「ザカリー」体重はわずか1,000mg。超未熟児で生まれたザカリー、その日から115日という長い期間を新生児集中治療室で過ごすことになったのです。

妊娠高血圧腎症とは

妊娠高血圧症候群の主病因は血管の攣縮であるといわれていますが、いまだ不明な点の多い疾患です。妊娠高血圧症候群を発症すると母体への影響はもちろんのこと、胎児発育にも影響を与え、子宮内胎児発育遅延を引き起こすことがあり、厳重な管理が必要となります。一旦発症し重症化した場合には治療は難しく、分娩させることしか方法がありません(分娩するとほとんどは改善します)

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過去には妊娠中毒症、現在は、その名称を妊娠高血圧症候群と名称を改められています。高血圧、蛋白尿、浮腫を3つの徴候として診断され、合併症も多く重大な病態を引き起こす危険性もあると言われています。自覚症状はほとんどなく、健診での血圧測定や尿検査で指摘されることが多いとのこと。これを読んでいる妊婦の皆さん気をつけて下さいね。

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ヤミールさんは、毎日、朝早くから病院へ行き面会時間が許される限りザカリーの側に付きっきりで励まし続けたそうです。本心は一時も離れたくないと思うのですが、新生児集中治療室では面会時間が限られています。毎日、別れの時間は心が引き裂かれそうだったと語るヤミールさん。

24時間、徹底管理され、大切にされていると頭では思っているものの、様々な医療器具に囲まれ無機質な集中治療室に残していく我が子を見ると、母親として側に居て抱きしめてあげたいと思うのは当たり前の感情。しかし、その願いが叶うことはありません。そんなことを考えていたある日、ヤミールさん、あるアイデアが閃きました。

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「自分自身が赤ちゃんを抱けないことは我慢できる、けれども、子どもにはいつも自分の腕の中にいる環境を作ってあげたい」こう考えていたヤミールさん。ある日、自宅のキッチンで食器を洗っている時、目にしたのが近くにあった"ゴム手袋"

このゴム手袋を見た瞬間、彼女は閃いたのです。彼女は早速、手触りの良い手袋にリンシード数滴。それを手に病院へ行きました。

そして、いつもの様にザカリーの側で過ごすと帰り際、その手袋をそっとザカリー横に置いて帰りました。

ザッキー誕生!

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母親の匂いが染み付いた手袋。こうすることでザカリーは母の腕に抱かれていると思ってくれるのではないかと考えたのです。

そして、翌日…病院へ訪れると、看護師からその効果はを聞いたヤミールは大喜び。想像以上の効果を得られたのです。ザカリーの心拍数、呼吸は今までになく安定しとても穏やかな表情で一晩すごすことができたということ。その手袋を「ザッキー」と名付けたヤミール。それ以降、欠かすことなく帰り際にはザッキーをザカリーのそばに置いて帰ることに。するとある日のこと…

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面会時間も終わりに迫り、帰宅準備をしているヤミールへ看護師が話しかけてきました。なんと、このザッキーをもっと作って欲しいと病院に依頼されたのです。この効果に病院側も驚き、母親と離ればなれになる新生児達が少しでも安らげるのならと集中治療室に入っている他の赤ちゃんにもこの方法を試せないか検討しているということでした。ヤミールはもちろん快諾。少しでも新生児達が安心できるのならと、彼女は、その日から様々な素材や生地を使い試行錯誤し、100種類ほどのザッキーを作り上げましました。

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出来上がったザッキーは早速、新生児のもとへ。ザッキーの効果に多くの親や病院職員が驚くようになり、ザッキーは瞬く間に広がっていきました。この手袋はすべての赤ちゃんに大きな効果を発揮し、やがてヤミールの元にザッキーを求める声が多数寄せられるようになります。そして、遂にヤミールは、このザッキーを今も新生児集中治療室で一人闘い続ける新生児に、別れ際心を引き裂かれそうになる母親に、お互いに安心と安らぎを届けたいと。『Nurtured by Design』という自らの会社を設立したのです。

新生児の嗅覚は大人より優れてる!

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ところで、皆さん新生児の嗅覚、生まれた時点では大人以上に鋭いというのをご存知ですか?生後3ヶ月くらいの赤ちゃんって視力がまだ未成熟、その赤ちゃんがおっぱいを探しあてること不思議に思ったことありませんか?

実はこれ嗅覚のお陰なのです。なぜ、ザッキーにより新生児達が安心を得ることができたのか?赤ちゃん・新生児の嗅覚の仕組み・役割を少しだけご説明します。

ママのお腹にいる胎児の頃、妊娠8週目くらいには鼻の形ができてきます。20週目くらいには嗅覚自体もほとんどできあがります。そのため、出生直後の新生児ではほとんど目が見えなくても嗅覚は鋭いので、ママのおっぱいの位置を自分で探すことができるんです。

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胎児期:妊娠20週頃
嗅覚細胞がほぼできあがり、嗅覚が機能し始める

胎児期:妊娠28~32週頃
胎内でママの羊水のにおいを嗅げるようになる

新生児期:生後1~2日目
母乳のにおいを判断できるようになり、においのする方に顔を向けられる

新生児期:生後5~6日目
母乳の匂いも嗅ぎ分けられるようになる。ママの母乳をしみこませたガーゼと他人の母乳をしみこませたガーゼを近づけると、ママの母乳がついたガーゼに反応する

乳児期:生後6~7ヶ月頃
味覚や嗅覚がほぼ大人と同じレベルまで落ち着く

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嗅覚が鋭い赤ちゃん達、知らない人に突然抱かれ泣き出すのも、母親とは違う匂いに気がつき泣いたりするそうです。もちろん嗅覚には個人差はあるのですが、新生児が大人以上の嗅覚をもっていたことには驚きますね。

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新生児の嗅覚が優れていることをヤミールが理解していたかは分かりません。ただ、一人の母親が子どもを思う優しい気持ちから生まれたザッキーが、新生児へのベビーケアで大きな役割を担っていることは確かです。

子どもを置いて帰ることに不安な母親の気持ちも同時にケアできるザッキー。今、欠かせないアイテムになっています。それにしても、お皿洗いをしていつる時にひらめくなんて、アイデアっていつ生まれるか分からないものですね。ひらめきを即、行動に移したヤミール。これからも新生児達へ安心と安らぎを届けてくれることでしょう。

Thanks for reading to the end.

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