みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。「子宮内膜症」は今や現代病とも言われており、昭和40年代の女性と比べて3倍にも増えているそう。

20代~30代の女性の10人に1人に起こっているといわれる

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最近では妊娠経験のない20代~30代の若い女性に起こる可能性が高い病気とされている子宮内膜症。原因としては現代の医学ではまだ明確にはされていませんが、一般には「無理なダイエットによるストレス」「生活習慣の不規則」で起こることもあると言われています。

子宮内膜は子宮の内側をおおっている細胞や毛細血管、分泌腺などが含まれた組織です。子宮内膜はだんだんと厚くなっていき、月経前(生理前)になると約1cmほどの厚さになります。月経が始まると内膜の表面部分の機能層という組織が解けて剥がれ落ち、出血が起こります。月経の時に出る血液は子宮内膜がはがれて、溶けて出てきたものなのです。

では、子宮内膜症はというと、本来は子宮内腔にしか存在しないはずの子宮内膜や子宮内膜様の組織が、正規の子宮内腔以外の場所にでき、女性ホルモン(エストロゲン)の刺激を受けて増殖する疾患です。

出典 https://welq.jp

子宮内膜症ってどんな症状?

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子宮内膜症には上記に挙げたストレスなどの生活習慣に関わる原因とされる説と、体内異常からくる二つの説があります。

<子宮内膜移植説>
月に一度の生理が起きると、血液は体外へ出ていきますが、その生理の血液が卵管を通って逆流して子宮内膜細胞が子宮外で発育して子宮内膜症になるという説です。

<体腔上皮生説>
これは、腹膜が子宮内膜に変化するという説です。お腹の中の組織、腹膜が子宮内膜組織にかわって子宮内膜症になるというのです。腹膜がエストロゲンや月経血の刺激を受けるためだと考えられています。

出典 https://welq.jp

普段、生理がある時に腹痛を伴う人はいると思います。そんな時に子宮内膜症かそうでないかの区別は「ズキズキと疼く耐え難い痛みが続くこと」だそう。月経時でなくても、腰痛、お腹が下しやすく排便痛があり、下腹部の痛みを感じると要注意。子宮内膜症の痛みが酷くなると一般の鎮痛薬では収まらないほどだと言われています。

疲労感や吐き気、頭痛、眩暈が起こり、お腹が張り、出血量が増えたり塊のようなものが出るなどの症状が子宮内膜症だそうですが、この苦しみによって日常生活にも支障が出てしまう可能性も少なくはありません。

下腹部だけでなく骨盤や肛門周辺にも鋭い痛みを感じると普通にしていても辛いもの。生理時ではないのに出血を伴ったり、性行時に激しい痛みを感じたりすることがあれば早急に受診することを薦められています。毎回我慢できないほどの痛みがある場合は、もしかしたら子宮内膜症以外にも隠れた病気が存在しているかも知れないからです。

16年間子宮内膜症に悩まされている25歳の女性

オーストラリアのヴィクトリア在住、テイタム・フォガティさん(25歳)は、9歳の時からこの子宮内膜症に悩まされています。周りよりも成長が少し早く9歳の時に初潮を迎えたフォガティさんは、以降16年間、激しい生理痛の痛みと闘ってきました。出血量が多く、眩暈や吐き気を伴い、しばしば意識を失ってしまうこともあると言います。

「子供の頃に、おねしょをした時のためにベッドに敷くビニールシートがあるでしょう。あれを生理時に敷いて置かなきゃならないほどだったの。」そのフォガティさんの言葉で生理時の出血量がどれほどのものか想像できます。フォガティさんは病院で子宮内膜症の第4期と診断されました。

癒着が、卵管や卵巣、子宮だけではなく、膀胱や直腸、小腸など骨盤の中にある臓器全体に広がっていきます。さらに、骨盤内外を問わず、肺などに発生することもあります。一つ一つの臓器を見分けることが難しいほど癒着がひどいこともあります。骨盤の中にある臓器が冷凍されたように一塊になってガチガチになるというので、「凍結骨盤」と呼ばれることもあります。こうなると、月経時以外でも腰痛や下腹部の痛みがひどくなり、日常の生活にも支障をきたすようになります。

出典 http://www.jfpa.info

12歳からピルを飲み始めたフォガティさん。ところが症状は治まらずプロゲステロンというホルモン剤治療を受けるも、骨の組織が脆くなってしまうという副作用を起こしてしまい中止せざるを得なくなってしまいました。現在までにいくつもの病院をまわり、適切な治療法を探しているフォガティさんですが、「自分はこの病気と一生付き合っていかなければいけない」と覚悟をしています。

フォガティさんは、「このままでは卵巣を摘出せざるを得ない」と医師にも言われましたが、来年婚約者と結婚しいずれは子供が欲しいそう。子宮内膜症は不妊症の原因にもなると言われており、現在約20%の女性がこの病気が原因で不妊に悩んでいるということも判明しているそうです。

そのため、23歳の時に自分の卵子凍結を決心したフォガティさん。8千豪ドル(約61万円)という高額な費用がかかりましたが、将来家族が欲しいので希望を持ち続けたいと話しています。

子宮内膜症の治療法は、その進行度合いや症状によって選択されます。複数のホルモン治療法もあれば手術という方法もあります。フォガティさんの場合、暫くはホルモン治療を続けていくそうです。

「今でも生理時には意識を失うことがあります。でも仕事を休んだりして対処しています。」どんな病気でもそうですが、その辛さは本人にしかわからないもの。フォガティさんは支えてくれる家族や婚約者がいるということで、本人も前向きに病気と向き合っていけると語っています。

自分の身体の管理は自分にしかできないもの。普段の生理痛とちょっと違うなと感じたら受診するように心がけましょう。自分に合った治療法を見つけることで、不妊症の問題も解決することができる場合もある様子。現在、子宮内膜症に悩んでいる人たちにはフォガティさんのように是非希望を持って治療に専念してほしいと願う筆者です。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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