記事提供:Doctors Me

医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
社会に大きな衝撃を与えた「相模原19人刺殺事件」の犯人は、元職員である若い男性でした。
連日報道されるこの植松聖容疑者の背景からは、「措置入院」、「反社会パーソナリティ」など、精神疾患に関連する単語が続々と現れてきます。

そこで今回は、この凶悪な事件を引き起こした犯人の人物像に迫るべく、精神科医に解説をしていただきました。

事件の概要と、植松容疑者の人物像とは?

神奈川県相模原市の障害者施設で、元職員の男により入所者19人が刺殺されるという事件が起き、亡くなった方以外にも多くの方がけがを負われており、日本中、世界中に大きなショックを与えました。

容疑者の言動も送検されるときに笑顔であるなど多くの奇異な点があり、また、過去にも障害者の人権を侵害するような言動が見られたり、そのような内容の手紙を公的な機関に送るといった行動が見られたことも話題となっています。

ただ、子供にやさしかった、遺族に謝罪したいと本人が言っているといった内容の報道もあり、実際の人物像を判断するには情報が錯綜しているように思います。

植松容疑者が診断された病名と症状とは?

【そう病】

躁病とは気分障害の1つで、気分が通常の範囲を超えて高揚し、誇大妄想的になったり、尊大な態度をとったり好戦的になったり、性的な逸脱行動や浪費傾向などが見られる場合もあります。

【妄想性障害】

妄想性障害は、1つ以上の明らかに事実と異なる内容の思い込みが1か月以上続きますが、統合失調症とは異なり現実的にありうる内容であることが多いものです。
たとえば、執拗に配偶者の浮気を疑ったり、自分が思いを寄せているスターが自分に好意を持っている、付き合っているなどと思い込みストーカー行為に及ぶものもあります。

【薬物性精神病性障害】

中枢神経系に作用する薬物の使用により幻覚や妄想、錯乱などのさまざまな症状を呈するものをいいます。

【大麻精神病】

大麻、つまりマリファナを使用することによって起きる精神病と言われていますが、必ずしも定義は明らかでなく、大麻によって起こったものか、大麻使用者がほかの精神疾患を発症したものかはっきりしないともいわれています。

【非社会性パーソナリティー障害】

反社会性パーソナリティー障害とも呼ばれ、法律など社会のルールを重んじたり、他者の気持ちや立場に配慮するということができず、他人に対して不誠実でうそや暴力に頼りやすい傾向が強いパーソナリティー障害を言います。

植松容疑者は過去に措置入院していたと報道されていますが、措置入院とは何ですか?

措置入院とは、本人の意思にかかわりなく行われる強制入院の一つの形で、精神保健指定医2名がそれぞれ診察し、措置入院を要すると一致した意見を必要とします。

措置入院の適応となるのは、精神障害があり、かつ医療及び保護のために入院をさせなければ自身を傷つけたり他人に害を及ぼしたりする恐れがある患者さんです。

精神保健指定医とはどういうお仕事ですか?

精神保健指定医とは、法律に定められた医師の国家資格であります。

精神医療や法制度を深く理解し、精神医療の現場においてやむを得ない場合に法律に基づいて患者の意思に反して入院を強制したり、隔離や身体拘束を行うために必要な資格です。

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まとめとして近年の凶悪事件と、精神疾患の関係に総括をお願いします。

ここ数年の凶悪事件では、精神科への通院歴や入院歴があったという容疑者も目立ちます。

もちろん、病気の内容など一人ひとりによって異なりますが、精神障害のある方の人権を守り、同時に社会の安全を維持するような制度の確立が望まれますね。

(監修:Doctors Me 医師)

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