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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
お酒を飲みすぎた翌日に、頭痛などがする二日酔いは、多くのかたがご存知ででしょう。大人のかたなら、経験済みかもしれませんね。
しかし、アルコールのせいで筋肉痛になる、といった症状についてはどうでしょうか。

今回は、そんなアルコール筋症について、医師に詳しい話を聞いてみました。

「アルコール筋症」とは何ですか?

「アルコール筋症」とは、アルコールが原因で、筋肉にダメージを受けること、つまり筋肉の細胞がこわれてしまうことです。
急性アルコール筋症では、飲みすぎた後の翌朝、筋肉痛・筋力低下などを起こします。

また、慢性アルコール筋症では、肩やヒップ、大腿などの体幹に近い筋肉が痩せてきます。重篤な例では心臓の筋肉も痩せ、心不全となってしまうこともあります。

「アルコール筋症」になりやすいのはどんな人ですか?

海外のデータでは、急性アルコール筋症は、男性のほうがなりやすいとされており、これは1回の飲みすぎでも起き、高い頻度で発症するとされています。

一方、慢性的なアルコール筋症は男女差はなく、いわゆるアルコール中毒患者に多く見られます。

「アルコール筋症」は、治療を受ける必要はありますか?

急性のものは、筋肉痛だけなので、立てない、歩けない…というほどの筋力低下がなければ、自然とよくなっていくことがほとんどです。

市販の痛み止めも効果がありますが、服用する場合は、大量に飲酒した直後で胃も荒れているので、胃薬と一緒に飲んだり、乳製品を少しとってから飲むなど、胃に負担をかけないよう注意しましょう。

アルコール筋症の中には、筋力低下により、横隔膜など呼吸をつかさどる筋肉に障害が出たという報告もあります。筋肉痛以外で、特におかしい症状があれば、医療機関を受診しましょう。

一方、慢性のものは慢性アルコール中毒と、それに伴うビタミン不足がある場合が多いですので、専門の医療機関にかかることをおすすめします。

「アルコール筋症」を予防する方法はありますか?

アルコールによる筋肉へのダメージが起こる原因としては、ビタミン不足、カリウムやカルシウムなどの電解質(ミネラル分)の異常、アルコールの分解産物であるアセトアルデヒドによる影響など、諸説があります。

アルコール筋症の一番の予防法は、お酒を飲みすぎないことです。それが難しいときには、水分を一緒に多めにとることが有効とされています。

ビタミンをとることに関しては、有効・無効と両方の報告がありますが、マルチビタミンのサプリメントを、用量を守ってとるということは試す価値があると思います。

ミネラルに関しては、意識してナッツでも缶詰でもいいので、おつまみをとるようにしましょう。

また、酔いつぶれて片方の手が自分の体で抑えられてしまったなど、圧迫による血流低下があるとその部位にアルコール筋症を発症しやすくなることが知られています。
吐き気をもよおす可能性もあるので、体の右を下にしつつ、右手は前に出す「昏睡体位」をとらせて様子を見るようにしましょう。

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最後に医師からアドバイス

最後に、みなさんにはアルコール筋症について「3つ」覚えてほしいことがあります。

1.アルコール筋症という病名
2.飲みすぎると誰でもなりうる
3.飲酒の際には水分をしっかりとることが大切

以上のことを頭に入れておいて、楽しくお酒を飲みましょう。

(監修:Doctors Me 医師)

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