昨今増えつつある特殊コスチュームの出る漫画の中で、服飾・装飾の細部に至るまで「好きだからこそ。愛するからこそ。愛し過ぎるからこそ」描き込み続ける漫画家・森薫の世界をご紹介いたします。



今回とりあげるのは、比較的ご存知の方のいらっしゃるアニメ化された第9回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の優秀賞を受賞した『エマ(全10巻)』や、現在連載中である第39回アングレーム国際漫画祭世代間賞マンガ大賞2014を受賞した『乙嫁語り』で昇華されなかった著者の嗜好を余すところなく描き起こした作品です。

森薫拾遺集

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拾遺集:【意】漏れ落ちている事柄・作品を拾い補うこと。そうしてできたもの。

拾遺集というタイトルを裏切らない作品となっています。

短編からこれまで描かれたイラストやあとがき、あとがき、四コマ、等々。

正直、かなりなごった煮感。

代表作作品にあるドレス・コルセット・タキシード・民族衣装に見慣れていると最初はかなり違和感を覚えますが、制服やメガネ、バニー、水着など「これはこれで…。」と納得。

個人的には「昔買った水着」が好きです。

シャーリー

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こちらの作品は現在「シャーリー2」が出ておりますので短編集や一巻完結、とは言えないかもしれませんが、本作品から2巻発売までの間がかなり開いており、本作品に収録さているのはデビュー前の同人作品と言う事です。

タイトルであるシャーリーが登場する話の他、メイドが「必ず」登場する作品が2話収録されています。

最新作に比べ描き込みがあっさりしている時期のものですが、この時からいかに愛に溢れていたかがうかがい知れます。

エマ ヴィクトリアンガイド

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短編集とは良い難い感はかなりありますが、イラストや短編が収録されています。

タイトルそのまま、ヴィクトリアン時代の階級社会における使用人やその背景等々、比較的読み易く描かれています。

エマ 8巻

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エマシリーズは全10巻となっていますが、実はメインストーリーは7巻でとりあえず完結を迎え、本作品の8巻と9巻はこれまでの登場人物達の過去話やその後などの短編が収録されています。

また、8巻はDVD付特装板と言うのがあり、こちらはカバーデザインが異なりメイド達がひたすら描かれていて「あぁ…メイド描きたかったんだなぁ」と思わせるデザインとなっています。

…途中、著者もあとがきで言っている様に「だって描きたかったんだもーん!!」と言う話がゴロゴロ収録されています。

エマ 9巻

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こちらも主要登場人物以外か多く登場する短編のサイドストーリーがゴロゴロ。

最後はメインストーリーでは2コマしか出てこなかったキャラクターがメインを張る短編も収録され、やはりここでもあとがきで「だって描(以下略)」と著者。

ちなみにですが、最終巻である10巻では再び主要登場人物達がメインとなった本当の最終話が収録されていて、最後の最後に「まさに大団円」となります。





金字塔って言うけど、森薫って知らない…と言う方

日本の漫画家、同人作家。東京都出身。代表作に『エマ』など。

作品の傾向からもうかがえるように、自他共に認めるメイド好きである。

ディテールにこだわった演出に定評があり、単行本『エマ』に収録されている「あとがきちゃんちゃらマンガ」では、「そこが大事なんです!!」と編集者を説得した様が描かれている。

また、その趣味を全開にした作風から、『コミックビーム』編集部内では「『メイドの人』と呼ばれている」。

番外篇である『エマ』第8巻および第9巻に至っては、その趣味を前面に押し出した第8巻特装版の表紙等の仕事について、「だって書きたかったんだもーん」と号泣しながら叫んでいる(第9巻では途中で当該台詞を端折っている)。

出典 https://ja.wikipedia.org

エマ 全10巻

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著者のデビュー作。

ヴィクトリア朝時代のイギリスを舞台に、階級社会の光と影を穏やかに淡々と展開するストーリー。

ヴィクトリア朝はコルセット、バッスル、フリルレースのイメージが強いですが、労働階級であるメイドが主人公なのでベ○ばらみたいにフリフリひらひらは少な目。

時代のを舞台に、階級社会の光と影を穏やかに淡々と展開するストーリー。画風の推移がこれほど分り易いものはありません。

要所要所に著者のツボが描かれていて見ててニヤニヤします。



乙嫁語り (現在連載中)

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19世紀後半の中央アジア、カスピ海周辺の地域を舞台に、様々な乙嫁達【美しいお嫁さん】を取り巻く厳しくも豊かな自然の中で生きる人々とその生活と文化を、著者独特のユーモアーも交えて緻密かつ丁寧に描いている作品です。



森薫作品の魅力

出典 http://d.hatena.ne.jp

あくまで個人的感想なのですが、筆者自身服飾関係やデザインやイラスト関係に関わる仕事をしている為それらが丁寧に描かれてる事に魅力を感じています。

決して今風の画風では無く、やもすれば古臭いと言われていしまうかもしれませんが、骨格や筋肉等基礎が出来ていてそれを理解して描いていて、見ていて安心感を覚えます。

漫画でしか表現できない歪みや表現(…伸縮性の無い生地で更に立体裁断もされていないはずなのに、胸の形に添って服が形作られたり等…)も手法としてあるのだと思いますし、そういう作品でも面白い物は沢山ありますし読みますが、それはそれ、これはこれ。

それに何より作者自身の作品に対する愛が感じられます。

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のんびり娘を育てたり育てられたリしている元デザイナー。

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