営業時間、午後9時〜午前1時。深夜の4時間のみ店を開ける中華料理店がある。酒呑み客を相手にしているのではなく、しっかり食事としての中華料理を食べてもらう店である。

なぜ、昼でもなく、夜でもなく、深夜なのか。

残業で遅くなって、晩飯を食べていない人。
遊んだ帰りで、小腹が空いた人。
夜勤に備えて、腹ごしらえする人。

そんな人たちが集まってくる。

住宅街なので、深夜には灯りも少なく、辺りは真っ暗。その店だけが明るく輝いており、暗い道を歩いてくると、ホッと安心する場所となっている。

明るさに心を解きほぐされた瞬間、美味しい匂いが漂ってくる。もう、入らずにはいられない。

中に入れば、深夜にも関わらず、席は8割ほど埋まっている。人気のない暗い通りを歩いてきた人は、緊張がほぐれ、まだ食べてもないのに、店に愛着を感じてしまう。

この店は温かい。

深夜営業ながら、ラーメンや定食の種類が豊富で、がっつりと食べられる。寝る前に腹一杯食べるのは、身体のためには良くない。罪悪感さえ持ってしまう。だが、この店はそのことを忘れさせる。

明るい光で、店内はまるで昼時。客の多さもそう感じさせる要因である。腹を空かせた人には、まさに天国。美味しそうなメニューに、冷静ではいられない。

深夜のみの営業は、ライバルが少ない。また、どんな時間帯にも、腹を空かせた人はいる。明かりを灯すだけで、人びとは集まってくるのである。

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1961年兵庫県生まれ。神戸学院大学法学部中退。1981年、広告デザイン会社にコピーライターとして勤務。93年、プランナー・コピーライターとして、フリーランスに。仕事を継続したまま、96年、木のおもちゃ制作を開始。ネット販売に着手。その後、「販売の現場」を知るために、5年間スーパーに勤務。これにより、「メーカー」「販売現場」「広告・販促」のすべてを経験。この経験を生かし、2003年より、中小企業・個人商店向けメールマガジン「繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座」を発行。関連する情報販売、コンサルティングを開始。メールマガジン他、ブログ9本「Marketing Eye」「ビジネス界隈・気づきの視線」「企画する脳細胞・ビジネスの視点」「まちづくり・村おこしの教科書」「行列のできる『MENU』の創り方」「中高年のための新規開業サポート」「独立・起業の成功法則」「販促の知恵袋」「スキルアップでビジネスぶっちぎり!」を執筆中。現在、繁盛戦略コンサルタントおよび中小企業経営研究会のビジネス・カウンセラーとして活動。著書に「0円からできる売れるお店の作り方(彩図社)」がある。

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