私事ですが、3泊4日で湖水地方に行って参りました。湖水地方を巡ったことは過去2回。そして今回も、過去に訪れた記憶が最高だったために是非息子を連れて行きたいと思い実行したわけです。少々長くなりますが、イギリス好きな方はよろしければ最後までお付き合いください。

みなさんもご存知の通り、湖水地方というと日本人観光客にも大人気。イギリス国内でもトップレベルの人気観光スポットとなっています。大きな街のウィンダミアやアンブルサイド、ケズウィックを過去に訪れたことがある方もいるでしょう。

豊かな大自然に囲まれた美しい場所、湖水地方

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湖水地方といっても広く、全部を廻ろうとすれば結構時間も日数もかかります。日本からは湖水地方の中でも大きな街をメインに訪れるツアーが多いでしょう。そしてピーターラビットやワーズワースなど、日本人にとっても有名な人物や絵本が生まれた土地でもあるので、そこに近い街を中心に観光をしたことがあるという人もいるのではないでしょうか。

湖水地方の魅力は、なんといっても自然の宝庫であること。美しい湖がいくつもあるだけでなく、それを囲む山々、海、緑の景色はまさに圧巻。ベストシーズンは6月、7月の夏場ですが、秋冬に訪れても変わりゆく木々の色にうっとりするほど美しさを感じます。つまり年中訪れても期待を裏切らない場所、それが湖水地方なのです。

今回、筆者ファミリーが訪れたのは湖水地方の中でも更に奥深くにある「レイヴァングラス」という場所。ここはアンブルサイドやウィンダミアのような「街」ではなく、海岸沿いの小さな小さな村です。今回再度訪れて、昔来た記憶が蘇りました。何も変わらない自然。15年以上も前に訪れたままの美しい光景が目の前にはありました。

本題に入る前に交通手段についてご説明しましょう。レイヴァングラスへ行くにはやはり車があった方が便利。他の湖水地方よりも田舎なため、どちらかというと電車よりも荷物を手軽に運べる車の方がおすすめです。駅やお城にカフェやギフトショップはありますが、村には店はいっさいありません。ATMもなく薬局も銀行もスーパーもなく、本当に「ありのままの自然」の中で溶け込んで暮らしている村がそこにはあります。

そのため3日以上の滞在予定なら経済的なことも考えて、ある程度の食料を持参した方がいいでしょう。筆者たちは車がないので食料持参の電車の旅となりましたが、車のように便利ではなくとも移り行く田園風景を見ながらの電車の旅もまた素晴らしかったです。

日本から来られる際には、ツアーに参加している方も多いでしょう。でも個人的に時間をとってゆっくり回りたいという人はロンドンのユーストン駅から湖水地方行きの列車が出ています。

ウィンダミアからレイヴァングラスまでの行き方

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もし、ウィンダミアまで列車で来て湖水地方の美しい景色をたっぷりと堪能したい場合はここからレンタカーを借りるという手もあります。レイヴァングラスまでは車だと約1時間ほどの距離。ほぼ直線距離なので時間はさほどかかりません。

ウィンダミアからはバスも出ているのでバスに乗ると約3時間。そして列車の旅も約3時間とかなり時間がかかってしまいますが、その分バスや列車でしか味わえない湖水地方の景色を堪能できるという利点も。

列車の旅を楽しむ方に参考にして頂きたいのですが、レイヴァングラスの駅を降りるとタクシー乗り場はありません。予め宿泊するホテルやお城にタクシーの電話番号を聞いておくなどしておいた方がいいでしょう。ほどんどのエリアがスマホが繋がらないのと、タクシー運転手はこの村の人ではなく隣のエリアから来るため、予め予約して到着時間を伝えておいた方が無難です。

ちなみに、筆者ファミリーは今回マンかスター城の敷地内に宿泊。駅からタクシーで約5分ですが、タクシー代は10ポンド(1,400円)とお高め。理由はやはり運転手が遠くから来なければならないためにガソリン代をカバーしている値段がコレなんだそう。

レイヴァングラスのメイン、マンカスター城

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写真の真ん中にあるのがマンカスター城。その左横にあるのがカフェと宿泊所、フクロウセンターです。そしてフサフサと茂っているこの緑の敷地全てがお城の主の個人的所有物となっています。

広大な敷地の中で威厳を放つマンカスター城

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マンカスター城は、ブリタニア時代の1208年にローマ人により川を守る砦として建設されました。以降、800年以上もぺニングトン一家により継承され守り続けられてきました。歴史が古いために幽霊屋敷としても知られています。お城の中への見学もできます。

ぺニングトン夫妻は「お城の主と聞くと『うわ、すごい!』と思われるでしょうが、私たちは広いお城のほとんどをみなさんに見学してもらえるように解放しているので、実際に住んでいるスペースは狭いんです」と笑っておられました。

お城の広大な庭園には世界中の植物が集められており、庭園を見て歩くだけでもかなりの時間を要します。「Japan」と名付けられた庭園エリアもありました。更に敷地内には宿泊施設やフクロウセンター、カフェ、そして子供たちが遊べる滑り台やブランコなどが設置された公園もあります。

お城のすぐ前からは、イギリスのヴィクトリア時代を代表する美術評論家のジョン・ラスキンに「天国の入り口」と称された美しい渓谷が広がります。これぞイギリスなのだと実感できる大自然の中の宝石がこの景色と一体になったマンカスター城だといっても過言ではありません。

マンカスター城のフクロウセンター

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マンカスター城のマスコットキャラクターがこちらのフクロウたち。お城の敷地内にはいろんな種類のフクロウがいるフクロウセンターがあり、プロのバードトレーナーたちによる素晴らしいショーも行っています。

迫力のあるショーは一見の価値あり

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なにしろ広大な敷地内で飼われているために、鳥たちはのびのびと自由を味わっています。ショーといっても自由に飛ばすので筆者たちが参加した時には、一羽の鷹がどこか遠くへ飛んで行ってなかなか戻ってこないというハプニングもありました(笑)。

丁寧な司会と素晴らしい技術を見せてくれるトレーナーたち

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こちらが日々ショーを行っているトレーナーのみなさんです。彼らはこの近辺の人ではなくスコットランドやロンドン南部からなど遠方出身者ばかり。きっとみなさん湖水地方でしか味わえない大自然の美しさに惹かれてやってきたのでしょうね。

フクロウのショーも可愛かったのですが、ファルコンやその他の鳥のショーが迫力満点でした。スピード感を味わえる貴重なショーは約30分~40分。あっと言う間に時間が経ちます。大型バスでこのお城を訪れる観光客も多く、ショーとセットで楽しむというコースがあるようです。

お城の主、ぺニングトン夫妻とトレーナーたち

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写真上段のグレーのブレザーを着た男性が主のピーターさん。そして奥さんのイオナさんは普段はフリースとジーンズ、長靴着用でとってもカジュアル。お二人とも貴族とは思えないほど気さくな方々でした。

筆者たちはお城の敷地内の宿泊施設に泊まったのですが、かなりいい施設でした。レイヴァングラスには村にホテルが一軒ありますが、このお城の敷地内に宿泊するのが絶対おすすめです。(施設の予約はBooking.comからできます)

筆者たちが泊まったファミリー用ルームにはキッチン、リビング、ダイニング、バスルームとまるで一軒のアパートのような快適な広さでした。部屋のバスルームにはシャワーしかないですが、共同のバスルームもあり、お風呂にゆっくり入りたい人はそちらも利用可能。部屋のベッドもソファも全てが居心地良く、素晴らしいロケーションの施設です。

宿泊者はフクロウセンターに無料で入場できたりとメリットもあり、何よりお城の敷地内をリラックスしながらのんびり過ごすにはもってこいなのです。特に夏場は早朝から静かな敷地内を散歩すると鳥の声だけが響き、自然の美しさを実感することもできます。子供連れのファミリーにとっても、ここでは思いっきりアウトドアが楽しめます。

そして、お城のスタッフ全員が気さくで親切。受付の対応も素晴らしく「田舎ってやっぱりいいなぁ」とつくづく実感させられました。何より、この敷地内の雰囲気が本当にアットホームで居心地が良く、何日でも過ごしたい…そんな気分にさせられます。

もう一つのメイン、蒸気機関車の旅

出典 http://ravenglass-railway.co.uk

そして、レイヴァングラスのもう一つのおすすめがこちら。駅から出ている蒸気機関車に乗って、エクスデールという隣のエリアまで行きます。ミニチュアの蒸気機関車で見た目も可愛く、懐かしい雰囲気がたっぷり。田舎の光景にとてもよく似合います。

筆者たちが乗った日も、イギリスで一番暑い日ということでかなりいいお天気の中、蒸気機関車は森を抜け、羊や牛、馬がのんびり草を食べている光景を通り過ぎてエクスデールへと向かいました。

45分の蒸気機関車の旅が楽しい!

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ハイキングをする人たちは途中の駅で降りることもできます。また、キャンプ場もあるのでキャンプをする人たちは車がなければ、レイヴァングラス駅からこの電車に乗ってキャンプ場へ行くことも可能。サイトは日本語でも閲覧可能なので、詳細は是非こちらをご覧ください。

この蒸気鉄道はイギリスで最も古いといわれており、そして最も長い蒸気機関車ルートだということです。レイヴァングラスを出発した機関車が、標高210フィート(約64m)のエクスデールに着くと、その光景にまたも感動のため息。湖水地方の知られざる宝がこんなところにあるのだなと思わずにはいられないほどの景色は、まさに息を呑むほどの美しさです。

出典 http://ravenglass-railway.co.uk

森の中を抜ける時のひんやり感がたまらなく気持ちいいです!

湖だけが全てじゃない湖水地方の隠れた魅力

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湖水地方というだけに美しい湖がメインと思われがちですが、隠れた自然の美しさを堪能するには更に奥へと旅することがおすすめです。そこには、何百年も何ものにも荒らされずにそのままの姿を見せる雄大な自然の姿が。

蒸気機関車にしても、お城にしても、この湖水地方を愛する人たちで大切にケアされ、守られています。小さな村に何もないのは、きっと村人たちの観光客へのせめてもの抵抗なのかも知れません。あまりにも有名になり過ぎると美しい光景が観光客により荒らされてしまう可能性もあり、またそのようなことは他の場所でも起こっているからです。

だからこそ、外部からここを訪れる私たちは、住民をリスペクトして自然を損なわないように楽しむことが大切なのです。特にマンカスター城では、絶滅寸前の植物や木々も大切に保護されています。ここを訪れることは、未来のこの美しい自然を守る活動を共にサポートしていることになるのです。

イギリスが大好きな方には、是非一度は訪れて頂きたい湖水地方の隠された宝物のようなレイヴァングラス。筆者たちは3泊4日の旅でしたが、ここを訪れて心が洗われました。また行きたいと思わせてくれること間違いなしの場所をあなたも訪れてみませんか?

*記事掲載に当たっては全て許可を得ています。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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