日本を訪れる外国人旅行者が急増している。2015年は2000万人を超えた。

漫画・アニメ・コスプレなどの海外進出をはじめ、海外メディアによる、日本の伝統文化の紹介がキッカケになって、“クール・ジャパン”に興味を持つ人が増えたのだろう。他に類を見ない独自の文化は、外国人を存分に魅了している。

日本文化の象徴とも言うべき神社・仏閣なども人気があるが、彼らがもっとも感動するのは、「ありのままの日本」である。すなわち、日本人の日常そのものを体験することこそが、新鮮で面白く、興味深いのである。

たとえば、外国人旅行者に人気の撮影スポットとして、「渋谷のスクランブル交差点」がある。たくさんの人びとが全方向から歩き出すのに、ほとんどぶつからずに渡り切ることに驚くのである。

私たち日本人にとっては、ありきたりな光景なのだが、彼らはそんな光景ひとつにも、日本人のまわりの人への気遣いや奥深さを感じるという。

電車を待つ時の整列した姿や道を尋ねた時の親切さ、災害時の助け合いなども、日本人の素晴らしさとして捉えている。

そんな日本人を生み出す、日本という国・文化に、世界中の人びとが興味を持ち始めたのである。

外国人が見たい、知りたいのは、観光客向けに着飾った日本ではない。素晴らしい日本人の生活そのものである。どんなところに住み、どんなものを食べ、どんなことをしているのか。

彼らのそんな要望に応えるために、さまざまなサービスが生まれている。

下町の古い民家をそのままバックパッカー用の宿泊施設として利用したり、街中の和風旅館が外国人を受け入れたりしている。

また、ディープな下町散策や農村を自転車で巡るツアーなども人気がある。

日本人が食べているものを知るための「外国人向けの日本料理教室」があったり、「銭湯の利用方法」という動画をユーチューブにアップしたりしている。

とにかく、日本人の日常を知りたいのである。

そのためか、ふた昔前には「寿司」「天ぷら」「すき焼き」と言っていた好きな日本食も、より日常的な「回転寿司」「牛丼」「立ち食いそば・うどん」へと変わってきている。

コンビニのレジ横商品も人気が高く、「唐揚げ」や「アメリカンドッグ」を買う外国人が増えている。

政府は、観光立国を目指しており、各地方も外国人客誘致のアイデアを練っている。そのため、世界遺産への登録や歴史・文化のアピールに力を注いでいるが、外国人の興味はそれだけではない。

日本人が普通に生活している場面を、外国人はそのまま体験してみたいと思っている。なので、外国人向けの特別なものなど何もいらない。

日本の、日本人の、どこにでもある光景を見せてあげ、体験させてあげれば良いのである。

観光資源など何もないと思っている地方でも、新たな資源を創り出す必要はなく、身のまわりにあるものを見直すことから始めれば良い。これは大きなチャンスである。町おこしに期待がかかる。

島国である日本は、独自文化の宝庫。観光資源においても「黄金の国・ジパング」なのである。

日常そのものが良いといっても、外国人が困るようなことは改善しなければならない。より快適に楽しんでもらうためには、いくつかの課題が残されている。

まずは言葉。「遊びに来るんだったら、日本語ぐらい勉強して来い」などという、おやじ的発想は捨て去るべき。

最低限、英語が通じる環境は用意しなくてはならない。特に、タクシー・バス・電車などの公共交通機関は対応すべき。

次にトイレ。日本のトイレは奇麗だと外国人には好評なのだが、地方へ行くと、公衆トイレの中にはいまだ和式便器しかないところが多く、特に欧米人は困る人が多いという。

そして宗教的な問題。宗教上食べられないものがあったりする。イスラム教徒は、イスラム教の作法に従って処理された食材「ハラルフード」でなければ食べられない、などという場合もある。

また、イスラム教徒は1日に5回、聖地メッカの方角を向いて礼拝しなければならない。そのための場所も必要となってくる。

これらの課題は、外国人に来てもらうためには確実にクリアしなければならない。お招きするからには、“おもてなし”の精神を忘れることはできないのである。

これこそが、外国人が望む日本人の心なのだから。

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佐藤きよあき このユーザーの他の記事を見る

1961年兵庫県生まれ。神戸学院大学法学部中退。1981年、広告デザイン会社にコピーライターとして勤務。93年、プランナー・コピーライターとして、フリーランスに。仕事を継続したまま、96年、木のおもちゃ制作を開始。ネット販売に着手。その後、「販売の現場」を知るために、5年間スーパーに勤務。これにより、「メーカー」「販売現場」「広告・販促」のすべてを経験。この経験を生かし、2003年より、中小企業・個人商店向けメールマガジン「繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座」を発行。関連する情報販売、コンサルティングを開始。メールマガジン他、ブログ9本「Marketing Eye」「ビジネス界隈・気づきの視線」「企画する脳細胞・ビジネスの視点」「まちづくり・村おこしの教科書」「行列のできる『MENU』の創り方」「中高年のための新規開業サポート」「独立・起業の成功法則」「販促の知恵袋」「スキルアップでビジネスぶっちぎり!」を執筆中。現在、繁盛戦略コンサルタントおよび中小企業経営研究会のビジネス・カウンセラーとして活動。著書に「0円からできる売れるお店の作り方(彩図社)」がある。

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