90年代の少女漫画「美少女戦士セーラームーン」。テレビアニメも爆発的にヒットし、何本もシリーズが生まれた。アニメに登場する主人公たちが持っているアイテムが商品化され、そちらも大ヒット。

だが、どの時代でも“買ってもらえない子”はいて、はかない“憧れ”は、ほろ苦い想い出へと変わってしまうのである。やがて、“買ってもらえない子”は大人になり、想い出は心の奥底で静かに眠っていた。

そこに眼をつけたのが、おもちゃメーカーである。買ってもらえなかった憧れのおもちゃを、少女たちの眼の前に出現させたのである。

大人になったいま、自分の金が買うことができる。おもちゃメーカーが、昔のおもちゃを大人バージョンで復活させたのである。

セーラームーンの「ムーンスティック」「変身コンパクトミラー」……。

特に「コンパクトミラー」は、その実用性もあって、当時の少女、いまのアラサー女子の大人気となっている。

子どもの頃の憧れは、非常に強く心に残るもので、それが眼の前に現れれば、大人であることを忘れ、つい買ってしまう。

誰に自慢するわけでもなく、自室でひとり悦に入る。やっと夢が叶った満足感に、酔いしれるのである。

こうした購買行動を「乙女消費」と呼ぶ。昔の憧れを大人になったいま実現する。

この消費活動は、他の世代でも今後起こり得る。各世代ごとに、憧れのおもちゃはあったはずである。

ママレンジ、リカちゃんハウス、シルバニアファミリー……。現在も販売しているものはあるが、できる限り当時のままを手に入れたいので、復刻版を出せば、乙女たちは飛びつくことだろう。

以前、仮面ライダーの変身ベルトが大人バージョンで発売された時には、即、完売となった。

大人がおもちゃを買って楽しんでいる姿を想像すると、微笑ましく思う。くだらないと思う人もいるかもしれないが、純粋な心を忘れない大人たちを批判してはいけない。

辛い社会、厳しい世の中で、しばし笑顔になれる新しい消費活動である。もっともっと広がれば、経済も盛り上がり、みんなが明るくなれる気がする。

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佐藤きよあき このユーザーの他の記事を見る

1961年兵庫県生まれ。神戸学院大学法学部中退。1981年、広告デザイン会社にコピーライターとして勤務。93年、プランナー・コピーライターとして、フリーランスに。仕事を継続したまま、96年、木のおもちゃ制作を開始。ネット販売に着手。その後、「販売の現場」を知るために、5年間スーパーに勤務。これにより、「メーカー」「販売現場」「広告・販促」のすべてを経験。この経験を生かし、2003年より、中小企業・個人商店向けメールマガジン「繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座」を発行。関連する情報販売、コンサルティングを開始。メールマガジン他、ブログ9本「Marketing Eye」「ビジネス界隈・気づきの視線」「企画する脳細胞・ビジネスの視点」「まちづくり・村おこしの教科書」「行列のできる『MENU』の創り方」「中高年のための新規開業サポート」「独立・起業の成功法則」「販促の知恵袋」「スキルアップでビジネスぶっちぎり!」を執筆中。現在、繁盛戦略コンサルタントおよび中小企業経営研究会のビジネス・カウンセラーとして活動。著書に「0円からできる売れるお店の作り方(彩図社)」がある。

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