人生とは二者択一の連続という。どう生きるか、何をすべきかを自分で選べるならいいが、時代や状況によって過酷な選択を迫られることも。
今月、日本で公開される韓国映画2本はまさに命を賭けた選択をし、生き抜く人たちの姿が描かれている。たとえ、その名が歴史に名が残らなくとも―。

■激動の時代をどう生きるかという残酷な選択

『暗殺』

出典 http://www.ansatsu.info

(c)2015 SHOWBOX AND CAPER FILM ALL RIGHTSRESERVED.

2016年7月16日(土)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
(2015年/韓国/139分)

1933年、韓国臨時政府は日本からの独立を目指し、日本の要人らの暗殺を計画。アン・オギュン(チョン・ジヒョン)をリーダーとした暗殺団が結成される。
だが作戦はすでに日本側に筒抜け。情報を流していたのは計画を主導していたヨム隊長(イ・ジョンジェ)本人だった。
日本領事館は暗殺計画の容疑者を一網打尽にしようとするが失敗。ヨム隊長は殺し屋“ハワイ・ピストル”(ハ・ジョンウ)にオギュンらの殺害を依頼するが―。

韓国で1,270万人もの観客を動員したワケは?

出典 http://www.ansatsu.info

『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョンをヒロインにした派手な抗日映画と思ったら大間違い。それよりはむしろ歴史に埋もれた名もなき独立運動家たちや、この時代を生き抜くため画策する人たちの生き様と悲劇が描かれている。
韓国独立のため命がけで戦った運動家がいるかと思えば、生き延びるためにあえて同胞を裏切り、日本側についた人間もいる。同じ民族でありながら真逆の選択をした者同士が対峙したのだ。民族分断の悲劇が色濃く、単なる反日感情を描いた作品とは別モノといっていい。

監督は本作を撮るきっかけの一つとして、笑顔で写る独立運動家の写真を目にしたことを挙げている。本作に出てくる「忘れないで」という言葉が重く切ない。


■韓国初の本格的な山岳映画はエベレストで起きた感動の実話

『ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~』

出典 http://himalayas-movie.jp

©2015 CJ E&MCorporation, All Rights Reserved

7月30日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
(2015年/韓国/124分)

登山家オム・ホンギル(ファン・ジョンミン)は、新人のムテク(チョンウ)とジョンボク(キム・イングォン)を迎え入れ、カンチェジュンガ登頂に成功。だが足の故障でヒマラヤ完全登頂の直前に現役を引退する。
数年後、悲劇が起こった。エベレスト登頂に挑んだムテクらが天候悪化で遭難したのだ。生存は絶望視され、遺体は見つかっていない。
ホンギルは遺体回収のため、再び仲間と危険地帯に向かうことに―。

「必ず迎えに行く」と誓って挑んだ過酷な遠征

出典 http://himalayas-movie.jp

オム・ホンギル率いるチームは、エベレストで死んだ仲間の遺体回収のために、記録には残らない過酷な遠征を行った。いかなる名誉も栄光も望めない。それでも決死の捜索をするのだった。この点、私利私欲に走りがちな韓国人の印象を見事に覆される。

今もエベレストでは多くの遺体が凍てついたまま留め置かれ、「遺体」を「モノ」と考える欧米では、命がけで回収に向かうことはないという。日本人はどうだろう。「遺体」を迎えに行き、家族の元へ帰してあげたいという思いは共感できるのではないか。
危険と隣り合わせの撮影で描き出されたシーンは一つ一つがとてもリアルで、実在するオム・ホンギルが最後に下した決断には涙が止まらなくなる。

出典 http://himalayas-movie.jp

*****
本作の主演ファン・ジョンミンは、3日かけて登らないと到着しない撮影現場に向かいながら、「自然の前では人間がどれほど小さな存在なのかを感じた」という。

今月の韓国映画2本を観て、私も自分がいかに凡人かをヒシヒシと感じた。

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