世の中には、不思議・不可解なマーケットが存在する。「世界一マズい飴」「世界一マズいグミ」「日本一マズいラーメン屋」「日本一マズいパン」。これらは、マズいことで注目されたにも関わらず、ブームとなって売れたのである。

「マズいというのは戦略で、本当は美味しいのでは?」という推測は的外れで、実際にマズい。

では、なぜ、マズいものが売れたのか。

「恐いもの見たさ」という心理があるように、「マズい!」という評判は、興味をそそられる。「本当にマズい」と聞くと、“どれほどのものなのか?”が気になって仕方がない。好奇心旺盛な人ほど、味を試したくなる。

ある意味、飽食の時代ゆえの“遊び”のようなものなのではないか。美味しいものはいくらでもあるが、世の中にマズいものは少ない。希少価値さえ感じてしまう。

金を出して、わざわざマズいものを食べるのは、“スリル”を味わっているとも言える。

この「マズい!」というマーケットは、偶然に生まれたものではない。起源はわからないが、自然発生的にさまざまなメーカーから、「マズいもの」が発売されている。

海外では飴やグミがあるが、日本でも「たこ焼きようかん」「たこ焼き風ラムネ」「キムチ風ラムネ」などが発売されている。

ネットでは、「日本一マズい!」と“賞賛”され、「被害者の会」が設立されたほどである。中には、ロングセラーとなっている商品もある。

ここまで注目され、売れ続けてしまうのは、確信犯の仕業だと言っても良いだろう。巧みなマーケティング戦略である。

また、そうした商品をわざと仕入れ、テクニックで売り切る店もある。「ヴィレッジヴァンガード」である。マズい商品を陳列し、POPをつけて売る。

「罰ゲームにどうぞ」「こんなもの、買っちゃダメ!!」。もう、買わずにはいられない。

「マズい!」は単なる“ゲテモノ”ではない。人の興味を掻き立て、しばし“楽しい時間”を過ごさせてくれる。やり過ぎると飽きられるが、たまの“スリル”は面白いものである。

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1961年兵庫県生まれ。神戸学院大学法学部中退。1981年、広告デザイン会社にコピーライターとして勤務。93年、プランナー・コピーライターとして、フリーランスに。仕事を継続したまま、96年、木のおもちゃ制作を開始。ネット販売に着手。その後、「販売の現場」を知るために、5年間スーパーに勤務。これにより、「メーカー」「販売現場」「広告・販促」のすべてを経験。この経験を生かし、2003年より、中小企業・個人商店向けメールマガジン「繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座」を発行。関連する情報販売、コンサルティングを開始。メールマガジン他、ブログ9本「Marketing Eye」「ビジネス界隈・気づきの視線」「企画する脳細胞・ビジネスの視点」「まちづくり・村おこしの教科書」「行列のできる『MENU』の創り方」「中高年のための新規開業サポート」「独立・起業の成功法則」「販促の知恵袋」「スキルアップでビジネスぶっちぎり!」を執筆中。現在、繁盛戦略コンサルタントおよび中小企業経営研究会のビジネス・カウンセラーとして活動。著書に「0円からできる売れるお店の作り方(彩図社)」がある。

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