日本国内では長らく注目外だったハイホイールスクーターというカテゴリーがあります。フロント、もしくは前後に16インチホイールを履くパッケージが特徴のスクーターで、古くから欧州エリアでは卓越した操縦性&安定性が大絶賛。大人気カテゴリーとして多くのスクーターリストに支持されているんです。

◎ハイホイールってナニ?

出典画像提供:PIAGGIO本国広報

日本ほど舗装が進んでいない上、イタリアの市街地では凸凹で非常に滑りやすい路面ばかり。そのため16インチというタイヤの大きさがもたらす操縦性と安定性、そして高い走破性が評価され売れまくっているということなんです

て「ハイホイールってナニ?」な方もいることでしょう。そこでカンタンに説明しちゃいますけど、ハイホイールとはフロントないし前後ホイールに16インチサイズを採用するスクーターのこと。原チャリとかゲンチャなんて呼ばれ、比較的よく見かけるタイプのスクーターでは10~13インチくらいですから、16インチサイズとなるとバイクのような大きさだったりします。

して意外に勘違いされているのが大径車。主流の10~13インチホイールに対して、もうひと回り大きな14インチホイールを履くことから付けられた呼び方です。なのでハイホイールといっしょにしてしまうのは間違いで、主にアジア圏で活躍するモデルを指すことが多いんですよ。だけど挙動やハンドリング特性はハイホイールに似た部分が多く、入門という位置づけとして注目したいところだったりします。

んなハイホイールと大径車をここのところ見かける機会が増えているように思うんです。正直言って、まだまだ「ブーム到来!」と言える程の盛り上がりではありません。でもSUZUKI・アドレス110が発売となり、当初125ccのみだったHonda・PCXに150ccモデルが追加ラインナップされたりしている現状は、どうにもこうにも大径車認知の高まりが要因だと推測できそうじゃないですか?

◎タイヤが大きいとナニが良いの?

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外部からの入力(ギャップ通過時の衝撃など)を効率よく吸収するためには、サスの延長線上で受けるのが理想。理由はサスを縮める方向での入力となるから。ハイホイールはその確立が高く、小径車は入力方向に角度がついて衝撃を感じてしまうんです

ぎに「タイヤが大きいとナニが良いの?」についてです。一般的な小径スクーターの場合、街中でキビキビ走れるクイックなハンドリングが特徴になります。これがハイホイールスクーターの場合だとクイック感こそ薄れますが、自然で安定特性のハンドリングにより曲がり始めからオンザレール感たっぷりに"Gを感じながらの旋回"を堪能できます。

かにはビタッと張りつくようにライントレースできる車種もあり、キマったときの感覚は格別と言えます。また小径車がハンドルを取られてしまうようなギャップ……たとえばマンホールなどへの進入では、まったくといっていいほど平穏をキープ。ほとんど衝撃すら感じられないほどの高い走破性がメリットです。

に大径スクーターの乗り味や挙動って、バイクから乗り換えた時の違和感が少ないので安心感があります。挙動も安定しているし、ハンドリングがキマりだすと走ることもどんどん楽しくなっていくハズです。そして小径車と比べてタイヤの減りが比較的遅い、背筋の伸びたアップライトな姿勢で視界も良く疲れ難いなどのメリットがあります。

◎どんな車種が買えるの?

出典photo:Buono/隅本

写真は過去のSH300ですが、欧州で大ヒットのHonda製ハイホイールとして気になる1台です。最新モデルなら個人輸入しか方法がありませんし、過去に持ち込まれた台数はわずかですから中古で見つけることはほぼ不可能でしょう

後は「どんな車種が買えるの?」ですが、残念ながら現状の日本国内における正規販売車種からは国産・外国産を見渡してもハイホイールモデルは1モデルのみです。それはKYMCO・TERSELIなのですが、125ccのためツーリング用途など、高速利用を考えると中古を探すか、敷居が高いながら逆輸入・個人輸入などの手段で手に入れるしかありません。

れでも本格的なハイホイールスクーターの卓越した操縦性&安定性は一度体験してもらいたいところです。せめて入門的に大径スクーターのほうを試してみるというのもオススメなので、その場合には国内販売モデルから選ぶのがいいでしょう。

イホイール&大径車の秀逸さってここまでに挙げたメリットで納得できちゃいますよね。後は維持費や用途で絞り込んでいけばいいんじゃないでしょうか。例えば長距離ツーリングをしたいなら大排気量モデルがラクですが、通勤も視野に入れるとなると軽量モデルの軽快さも無視できません。そうやっていくつかの用途を上げつつバランスを考えると決定しやすいんじゃないかと思います。

◎中古から探すという選択もあり

出典画像提供:PIAGGIO本国広報

現在はapriliaブランドを離れて単独展開のSCARABEOですが、ラインナップが整理され200cc以下のシリーズ構成となっています。国内導入のない現状ですが、中古なら400ccまで探せるので見つけたら"買い"かもしれません

州エリアで鍛えられたハイホイールの代表モデルはなんと言ってもHonda・SHシリーズで、最も売れている人気モデルです。そして元祖ハイホイールとなればaprilia・SCARABEOシリーズであり、PIAGGIOからもBEVERLYシリーズやLIBERTYシリーズなどの魅力的なハイホイールがラインナップされています。またアジアで育ちながら日本国内に導入され爆発的にヒットしたHonda・PCXも大径車として無視できません。

◎唯一日本国内で買えるハイホイール

出典画像提供:KYMCO JAPAN

欧州での成功著しい台湾メーカー・KYMCOですが昨年にはキムコジャパンが設立され、グローバルなネットワークをより強固なものにしています。そんなKYMCOからリリースされたハイホイールがTERSELI 125iで、日本国内で買うことのできる貴重なハイホイールモデルとなります

らにここへ来てPIAGGIOからLIBERTYシリーズのモデルチェンジと新型ハイホイール・MEDLEYシリーズが欧州市場に投入されていますから、世界規模で見ればハイホイール&大径車はかなり活気のあるカテゴリーだと言えそうです。ぜひハイホイール&大径車ならではの走りを楽しんでみてはいかがでしょう?

◎魅力的な最新ハイホイール

出典画像提供:PIAGGIO本国広報

PIAGGIOからリリースされる新型ハイホイール・MEDLEYシリーズは、現状で日本への導入は未定です。それでもメーカー発表によると新型エンジンを搭載し、アイドルストップ機構やABSなどの最新デバイスも装備した新世代コミューターとなるようです

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こちらも日本への導入が未定のPIAGGIO・LIBERTYシリーズですが、フルモデルチェンジにより見事にブラッシュアップされています。過剰装備を避けてLIBERTYシリーズ本来の軽量さでMEDLEYシリーズと差別化しているようです

◎国産大径車ラインナップ

出典画像提供:Honda

現行モデルのHonda・PCX/PCX150は大径車ブームを起こした初代PCXの進化版です。とくに150のほうは高速まで利用できるため、走るシーンに制限がありません。そういう意味で利便性も高く、市場で支持される理由もわかります

出典画像提供:Honda

Honda製現行大径車のもう1台がDio110で、2015年3月にフルモデルチェンジされています。新搭載eSPエンジン×アイドルストップ機構の恩恵で優れた燃費性能と、先代から6%向上した出力によって軽快な走りが楽しめます

出典画像提供:SUZUKI

SUZUKIではアドレス110を大径車としてラインナップしています。なんと97kgという装備重量がもたらす取り回しの良さ、低燃費性能、低中速域の優れた加速性能などに注目です。またエッジの効いたデザインに高い収納力も魅力だと言えます

後にちょっとだけ個人的な見解を記しておきます。軽量で軽快な印象のモデルが多いハイホイール&大径車ってツーリングに適していると思うので、バンバン旅に連れだしてあげてほしいなと思ってます。純粋に走ることを楽しむにはギア付きのバイクはおもしろいし楽しめると思いますが、ツーリングはそれだけが目的ではありませんよね。むしろ景色が目に止まったり、美味しそうな定食屋を見つけたり……そんな「あ!」と思ったその瞬間に止まれないと引き返すのが面倒だったりして、結果的に見たかったものや食べたかったものをあきらめちゃうような気がするんです。

まるためにギアを操作する手間もなければ、万が一止まり切れなくて行き過ぎても軽量だからUターンが気軽にできる……それがツーリングに適していると思う理由です。別にギア付きバイクや小径スクーターでツーリングを堪能しているという人には無理に勧めるつもりはありませんが、「取り回しがラクだったら」なんて思った経験のある人は試してみるのもいいんじゃないでしょうか。

◎けっこういい相棒として大活躍してます

出典画像提供:成川商会

旧型LIBERTYシリーズも、決してタマ数は多くありませんが中古で探すことができます。当時輸入元だった成川商会の扱いモデルのほか、一時期だけヤマハの販売網でも販売されていました。今でも消耗品などの部品供給は心配ありません。実は取材時の移動手段としてほぼ毎日活躍してくれているのもこのLIBERTYで、150ccモデルなので高速も利用できてとっても重宝しています

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Buono/隅本辰哉 このユーザーの他の記事を見る

二輪ジャーナリストとしてバイク&スクーター雑誌を中心として活動中。主に新旧スクーターに関する記事が専門。 とくにベスパを得意としていてベスパ関連書物などの出版もしています。なのでベスパを軸にスクーターやバイクのこと、ときには取材で出かけた食や遊びや旅のことまで書き記していきたいと考えています。

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