みなさん、慢性疲労症候群(CFS)という病気はご存知ですか?この病名を聞いて、みなさんはどのようなイメージを持つでしょうか。「仕事などで慢性的に疲れた状態」「ゆっくり休めば治る病気」といった印象を持たれてしまい、「誰だって疲れてるんだから」「気合が足りてない」「怠けてる」「心の問題」などと心無い言葉を浴びせられる患者さんも多いようです。

「慢性疲労」と「慢性疲労症候群」

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疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である。

出典日本疲労学会

疲労に関してはこのように定義されており、疲労を自覚する状態を疲労感といいます。疲労が蓄積して慢性化した状態がいわゆる慢性疲労と言われ、慢性化すると休養による回復に時間を要するようになってきます。

次に、病気の1種である「慢性疲労症候群」についてみてみましょう。

慢性疲労症候群とは、これまで健康に生活していた人が感染症などに罹患したことなどをきっかけに原因不明の激しい全身倦怠感に襲われ、それ以降激しい疲労感と共に微熱、頭痛、筋肉痛、脱力感や、思考力の障害、抑うつ等の精神神経症状などが長期にわたって続くため、健全な社会生活が送れなくなるという疾患である。最近の研究により、CFSは単なる神経症的な病態ではなく、神経系、免疫系、内分泌・代謝系の異常が複雑に絡み合った病態であることが明らかになってきている。

出典 http://www.fuksi-kagk-u.ac.jp

慢性疲労症候群の診断基準においては、上記症状が6ヶ月以上持続ないし反復することが前提とされています。6ヶ月未満の原因不明の疲労については、特発性慢性疲労として対応されるようです。

今後の病態解明・治療法の確立に期待!

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近年、日本でも慢性疲労症候群についての研究が少しずつ進んできています。「慢性疲労症候群の病因病態の解明と画期的診断・治療法の開発」研究班が発足し、関西福祉科学大学教授の倉恒弘彦氏が代表で研究が進められています。2014年には慢性疲労症候群の患者では脳内に炎症が起きていることが解明されたと発表されました。また、脳内の神経炎症は慢性疲労の症状と相関することも示唆されています。 

■この記事を読んでくださったみなさんへ

慢性疲労症候群は、決して精神的な弱さが原因でも怠けているわけでもありません。病名から誤解を受けやすく患者団体では、筋痛性脳脊髄炎症(ME)などへの名称変更が要望されています(ちなみにアメリカでは一般的にMEと呼ばれているようです)。

重症例では仕事に行くことが困難になったり寝たきりになりと、社会生活にも大きく影響を及ぼす慢性疲労症候群。見た目には健常者とも変わらない部分も多いかもしれませんが、立っているだけでも強い倦怠感や疲労感に苦しめられています。そのことを頭の片隅にでも置いておいてください。分かってくれる人の存在だけでも、患者さんの心は楽になるはずです。
 
現在は発症機序なども未解明な部分も多く根本的な治療法は確立していません。そんな中、少しでも病気に対しての正しい理解が広まり、必要な支援が受けられ、患者さんたちが孤立することのないような社会が実現するよう祈っています。

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病気や健康管理についての理解を広め、偏見や差別の無い幸せな社会にしていくことが夢です!

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